彼女が珍しくごねたわけ
こちらの作品は事前に雪月花様へお渡しさせて頂いております。
音声作品
雪月花様
https://youtu.be/2eOd0fU1xi8
2021年8月20日公開
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(喧嘩腰で→)だからさ、さっきから言ってるけど、急に仕事が入っちゃったんだって!!
わかってるよ。今日は一緒にいて欲しいって。
でも、仕事なの!遊びに行くわけじゃないんだよ。
それに、今までだって急に仕事に行くことあったじゃん。
君も、僕もお互いにさ。
でも仕事ならしょうがないよねって送り出してくれたのに、今日はなんでダメなの?
………
ほら、聞いても答えてくれないじゃん。
下向いて、ちっとも僕の方見ようともしないでさ。
僕だって行きたくないよ?でもしょうがないじゃん!!
(ため息)とにかく、仕事行ってくる。
会議だけだからそんなに遅くはならないと思うけど…
じゃ、行ってきます。
あぁ〜疲れたぁ……ってかもう昼過ぎちゃったし。
さすがに怒ってるよな…。
朝、強く言いすぎたかな…。
今まであんなにごねることなかったのに……
今日ってなんかの記念日だったっけ?
いや、付き合った日でもないし…
告白した日…でもないし。
同棲した日…違うな。
あぁ〜もうわかんない!!
とにかく、電話電話!
ヤバっ!!メールきてんじゃん…気づかなかった。
えっと……
「今朝はごめんね。今日は実家に行ってきます。明日、話したいな」
って……え、実家に行ってるの?
明日ってことは今日は帰ってこないってこと?
えぇ……今日ホントになんの日だっけ?
なんかあるんだよな、きっと。
(ため息)ダメだなぁ…覚えてないや。
とりあえず1回電話して…
(電話がかかってくる)
ん?誰だろ……え、彼女のお母さんから?
うわっやっぱり僕なんかやらかしたのかな……
もしもし、はい、え?彼女はそっちに行ってるんじゃ??
え、来てない?
いえ、メールで今日は実家に行くって…
えぇホントは一緒に過ごす予定だったんですけど急遽仕事になってしまって……
え、まずいってどういうことですか?
いえ、何も聞いてませんけど……
は?それって……
あぁわかりました!すぐ探します!!
はい。またご連絡します。失礼します。
(電話を1度切り、彼女にかけるが……)
お願い!電話出て。
ねぇ、ホントに……お願い……
(ようやく電話が繋がる)
あ、もしもし?今どこにいるの?
大丈夫?ねぇって!!
(携帯を落としたような音がする)
え、もしもし?ねぇ、ホントに大丈夫?
……ん?もしかして商店街にいる?
待ってて!すぐそこ行くから!!
っと、確かこの先のスーパーの音だったはず……
どこだ?
ん?なんだあの人だかり……
え、まさか!!
ちょっとすみません、通してください!
(彼女が倒れ込み、通行人に支えられている姿が)
(息を飲み)やっぱり!!
ごめん!遅くなって……。
あぁすみません、彼女を迎えに来ました。
えぇ、そうです。すぐ病院連れていきます。
ありがとうございました。
ほら、僕に掴まれる?ちょっとだけ辛抱してね。
(彼女をおぶってその場を離れる)
ん?どうした?あ、もしかして気持ち悪くなっちゃった?
ごめんって……いや、謝らないといけないのは僕の方だから。
とりあえず、先に病院って今日あそこは休みか……。
どうしよう…休みの日にやってるところ…
え、大丈夫って……
いや、全く大丈夫じゃないでしょ?
体暑いし、少し震えてる。もしかして寒い?
熱、既に高そうだけどまだ上がるってこと?
あぁどうしよう…こんなことなら車で来るんだった……
帰りたいって……
あぁそっか。実家に行こうとしてたんだよね。
あれ?でも君の実家って反対方向じゃない?
それに、お母さんから電話きたけど、来るなんて聞いてないって言ってたよ?
は?ウソだもんって…
えっと、じゃあとにかく一旦うちに帰ろう。
それでいい?
(とりあえず家に連れて帰る)
ただいま〜っと。はい、君はベッドに直行です。
イヤじゃありません。ちゃんと布団かけて横になってなさい。
あ、熱測ってて。ん?うん。話したいことは沢山あるけど……
でもとりあえずは熱、測ってください。
何度?大丈夫!じゃなくて、何度あった?
えっ、思ってたより高いな……氷枕とかいる?
ん?僕の手でいいの?
冷たくて気持ちいぃ〜って、それだけ君が熱いってことなんだよ?(笑)
僕の手で君の熱が取れたらいいのにな…
ねぇ、毎年こんな感じなの?
そっか。うん。お母さんから今日のこと、聞いた。
お母さんも心配してたよ。連絡しても返事がないって。
それで僕に電話くれて…
ねぇ、このまま少し話しても平気?
もし体調ツラくなったら言ってね。
んと、まずはごめん。
今日、体調崩すって思ってたから一緒にいたかったんだよね?
うん。お父さんの命日なんだってね…
え?おかしくなんかないよ。
それだけお父さんのことが大好きだったってことでしょ?
毎年この日は熱出して寝込むってお母さん心配してた。
お父さんっ子だったからって……
あ、いけない!お母さんに電話してないや!!
ん?メールしたから大丈夫って……
そう?ならいいけど…
あ、そういえば、実家に行くってウソついてどこ行こうとしてたの?
お父さんのお墓?そのあとは?
考えてなかったって……
もう…仕事夕方までかからないでよかった…
お願いだから、無茶しないで。
っていうか、前もって話して欲しかったな。
話しづらかった?
変だなんて思わないよ?
それだけ君とお父さんの絆が強いってことなんじゃない?
ね、今度一緒にお父さんのお墓参りに行ってもいいかな?
うん。お父さんのこと、もっと沢山聞かせて欲しいな。
でも、今日はもうゆっくり休もう。
君のお父さんの代わりにはなれないけど、
僕なりに君とこれからもずっと歩いていきたいと思ってるよ。
そして、近いうちにその………
(咳払い)仲のいい夫婦になれたらなって……
ふふっ顔がさらに真っ赤っかになった(笑)
え?僕も赤い?
そりゃ〜赤くもなるでしょ!(笑)
ほら、そんなに見つめてこないの!!
もう、こうしてやる〜
(ハグしてお互い顔が見えない位置へ)
……これからもずっと大好きだよ。