東京大は12日、明治から昭和にかけて収集した沖縄県由来の遺骨について、少なくとも31体を研究資料として保管していると発表した。東大は10月、保管している国内外の先住民遺骨の調査と返還方針を検討するタスクフォースを設置しているが、沖縄県由来の遺骨についても調査と返還の要望が出ていた。
発表によると、沖縄本島で収集された遺骨は、中城(なかぐすく)村と那覇市、今帰仁(なきじん)村の少なくとも計23体。その他、石垣市の3体、与那国町の1体が保管されていた。また、市町村が不明の遺骨が少なくとも1体あったほか、箱のラベルに「琉球」とだけ書かれた由来不明の遺骨を3体保管しているという。
報告書によると、遺骨に直接書かれた文字や研究者の日誌などの文献から、中城村の遺骨は当時、東京帝国大学理科大学(現・東大大学院理学系研究科)の助手だった人類学者、鳥居龍蔵(1870~1953年)らが1904年に実施した学術調査で古い墓から収集したとみられる。探検家の笹森儀助(1845~1915年)が1893年に収集したと探検記に書き残していた遺骨も見つかった。
東大の発表について、琉球民族の遺骨返還に取り組む龍谷大の松島泰勝教授は「収集の過程や遺骨の情報を説明する報告書を公開したことは評価でき、大きな前進だ。今後、返還について交渉していきたい」と話した。
京都大も11月、沖縄本島や奄美群島(鹿児島県)で収集した遺骨について、少なくとも466体を保管していると公表。遺骨のリストと返還手続きに関するガイドラインを明らかにした。京大は5月に一部を今帰仁村に移管している。【三股智子】
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