だから高市が標的に…中国は大喜び! 竹中平蔵「立憲・岡田議員は外交的センスが欠如」詰問に苦言 “経済と外交で綱渡り状態に陥った日本”
二つのリスクが同時に進行しているのが、現在の日本の姿
しかし、現在はどうでしょうか。人手不足が叫ばれ、需給ギャップはほぼ均衡しています。供給能力が限界に近い状態で、さらに財政で需要を「プッシュ」すれば何が起きるか。答えは明白、「インフレ」です。 物価が上がれば、名目上の税収は増えます。一方で、インフレは国民にとっては「インフレタックス(インフレ税)」という見えない増税です。さらに日本の税制は累進構造ですから、インフレで名目賃金が上がれば、税率区分も上がって実質的な税負担は増えてしまいます。 本来であれば、労働市場の改革などを伴った財政拡大であるべきです。ただ、ここで一つだけ皮肉な変数が存在します。それが先ほど指摘した中国による”制裁”です。 中国の”制裁”は、日本にとって需要を押し下げる要因、いわば「負のプッシュ」として働きます。高市政権による財政拡大(正のプッシュ)が、中国からの需要減退(負のプッシュ)によって相殺され、結果としてインフレ圧力が緩和される可能性がゼロではないのです。とはいえ、これは綱渡りのような話です。 「戦略的曖昧性」を失った外交と、構造改革なき「ビッグプッシュ」経済。この二つのリスクが同時に進行しているのが、現在の日本の姿です。我々は、中国という隣国のリスクを冷静に見極めつつ、安易なバラマキに頼らない、本当の意味での経済の足腰を鍛える議論に戻らなければなりません。
竹中 平蔵