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NEWS◎国立精神・神経医療研究センター病院の大平雅之氏らが発表
医療事故調に基づく院内調査報告書、13事例が裁判で利用されていたことが明らかに
8割は遺族から証拠として提出

N7/stock.adobe.com

 弁護士として医療訴訟の代理人経験を持つ医師である国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部医長の大平雅之氏らはこのほど、医療事故調査制度施行後に、医療機関で作成された13の事例に関する院内調査報告書が、医療過誤裁判で使用されており、その多くは遺族によって証拠として提出されていたことを明らかにした。同氏らが執筆した論文が2025年11月21日、日本医学会英語雑誌JMA Journalのウェブサイトで公開(DOI:10.31662/jmaj.2025-0232)。院内調査報告書が、過失認定のための証拠として使用されている実態が報告された。

 大平氏らは、「将来の医療事故を防ぎ、医療安全を向上させるという同制度の目的と矛盾している可能性がある。本来の目的を十分に果たすためには、医療事故調査によって当事者となる医療従事者が不利益を被ることのないよう、何らかの方策を検討すべきである」と指摘している。

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