お父さんは今だいたいこんな感じ。

先日、TBSの深夜番組「クレイジー・ジャーニー」で、ロシア国内のどこかから40年間近く一日中ブザー音のみを放送している謎の短波放送局があるという話題が出て、お父さん的に面白かったのでいろいろと調べてみました。その概要は次のとおり。

（→てっとり早く現在放送しているブザー音をライブで聞きたい方は、この記事の終わり部分を見てください。）

• 遅くとも1973年から40年以上、一時的な例外を除いて現在まで放送され続けている。(海外や国内のマニアの間では有名で、「ザ・ブザー(The Buzzer)」と呼ばれているそう。)
• ブザーは1分間に約25回のペースで、24時間鳴り続けている。(その音は次のとおり。音量にご注意ください。)

• 1997年に突然、ブザー音が止まり男性の声でロシア語によるメッセージが放送された。(「UVB-76」で始まるそのメッセージは、人名と数字をランダムに組み合わせたものだった。)
• その後も、4、5年に一回ぐらいのごくまれな頻度で、人の声によるメッセージが放送されている。(メッセージのまとめは次のとおり。)

• この放送は、2010年までは、モスクワの北西40Kmに位置するポヴァロヴォという街に近い森の中の建物内から送信されていたが、現在はすでに移転しており、その建物は廃墟となっている。(「クレイジー・ジャーニー」で佐藤健寿さんがカメラに収めていたのは、たぶんこの建物だと思います。)
• この放送の目的は正式には公表されておらず、スパイ暗号説、軍事利用説、科学的観測説などさまざまな推測がなされている。

...と、まあこんな感じですが、お父さんの結論的には、それほどオカルティックなものではなく、ほぼ間違いなく軍関係の通信だと思います。放送局の所在場所や、ブザー音の背後でときどき漏れ聞こえる音声なども、軍関係であることを強く示唆するもののようです。

とはいえ、今この瞬間も鳴っている謎のブザー音、ライブでちょっと聴いてみたくはないですか？やはり距離的に日本では受信しづらいようなのですが、そこは僕らのインターネッツ社会、なんとオランダのトゥウェンテ大学のアマチュア無線サークルが公開しているWebSDRという遠隔操作受信機を使って、ブラウザ経由で聴くことができます。(ブラウザでスクリプトが実行されるので、使用しているブラウザによっては動作しないこともあるようです。なお、Chromeブラウザを使用している方は、この記事の一番最後の「2018年5月8日追記」も参照してください。)

※ただし、一日中聴けるわけではなく、電波の性質上、アンテナのあるオランダが「夜」の場合にのみ聴くことができるようです。オランダと日本には時差があり、日本の方が7時間進んでいるそうなので、日本で夜中の2時ごろから次の日の午前中ぐらいまで比較的明瞭に聴くことができます。さてごたくはこの辺にして、そのWebSDRのリンクを張っておきます。

＞＞WebSDRへのリンクはこちら (周波数4625kHz版)＜＜

前回の音声メッセージが2014年だったようなので、そろそろレアものの音声メッセージが聴けるかもしれないですね。まあ、聴いたからどうなんだって話ですが。あるいは、お父さんと同じ紳士の方なら、「オラーシャ出身のサーニャたんもこのブザー音聴いてるかもデフュコポォwww」なんて妄想にひたるのも悪くないかもですね。ではよきところで。

（クレイジージャーニーではこれ↑も面白い話でしたね。）

(2017年9月22日追記：今日午前3:00ごろ、たまたま自分でも上記のWebSDRでuvb-76をチェックしたのですが、いつものブザー音ではなくロシア語の音声が流れてきてびっくりしました  おいおい超レアなもの聴いちゃったよ～、なんてニヤついていたのですが、よくよく調べてみたら、2010年以降はほぼ毎月のように音声メッセージが流れているそうで... つまり、基地？が移転してからは結構頻繁に人間の音声が放送されているんですな。このuvb-76は、こちらのページではガッチリと「Military Stations」に分類されており、"The Buzzer is a common nickname for a Russian Western Military District commandment network"と説明されています。なお、このページの「Activity pages」のリンクからたどることで、ここ最近の音声メッセージも聴くことができます。結局、軍関係の放送ということでFAのようですね。)

(2018年5月8日追記：Chromeブラウザは、2018年春のアップデートで「動画の自動再生無効化」機能が実装されたことにより、ここで紹介しているWebSDRの音声が聞こえない場合があります。リンク先に記載されている回避方法は次のとおりです。

1. Chromeのナビゲーションバーに「chrome://flags/#autoplay-policy」と入力する

2. 表示された設定の「Autoplay policy」を「Default」から「No user gesture is required」に変更する

3. Chromeを再起動する

ただし、「動画の自動再生無効化」機能を使い続けたい方は、uvb-76を聞いた後にでもまた同じ方法で上記設定を「Default」に戻しておくとよいと思います。)

(2020年4月13日緊急追記：リンク先ページの記載によると、今年4月8日からトゥウェンテ​大学のWebSDRのアンテナに不具合が生じ、コロナ対策のため大学への立ち入りが制限されていることから、現在、PA3FWM氏？の家の屋根裏部屋のアンテナを一時的に使用して運用しているそうです。そのため、だいぶノイズが多くなっていて、時間帯によっては聞き取りは難しいかもしれません。パンデミックの終息を祈るばかりです。)→通常運用に戻ったようです。