生理中の幼馴染と爆豪
設定
・幼馴染(小学校高学年〜中学までは諸事情あり別々だったが高校で再会)
・緑谷とも爆豪とも仲良い
・2人の関係性は見守るスタンス
・本編とは違う世界線です。
・夢主は〇〇表記です。
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「身体がダル重〜」
「〇〇、毎月しんどそうやね。」
ガチャンと少し締まりが悪くうるさく閉まるロッカーの音が自分の心の荒れ模様を表している。生理中の演習が嫌いだ。身体を動かす事は昔から嫌いじゃないが、生理中はどうしても身体が怠くなるし何よりピッタリ仕様にしてしまったヒーロースーツのせいで集中できない。個性を使う前から頭痛も出てきて頭も回らない。
演習休んだら、と声をかけてもらったこともあるがプロヒーローになった時に生理で毎月休む訳にもいかない。むしろ訓練になるからとあの手この手で和らげる方法を試しながら無理くり参加している。
もう少しで20分位前に飲んだ薬も効いてくる筈だ。
今日の演習は2チームに分かれてお互い半数以上拘束すれば勝ちというゲーム形式だ。
今日の私のチームは緑谷・上鳴・峰田・飯田・瀬呂・峰田・蛙吹・葉隠・耳郎とだ。
「なぁ、〇〇。大丈夫か?」
作戦会議もそこそこに、準備をしていると後ろから上鳴から声を掛けられる。
「ん?」
「いや、なんか体調悪そうだなって」
「あー寝不足だからかも」
「インターンで最近居ないもんなぁ。無理すんなよ」
そう言うと、上鳴は立ち位置に向かっていった。
その数秒後、無機質な警告音が開始を教える。
あちらののチームの待機場所に向かいつつ、周りを警戒する。
下腹部の痛みが消えない。動く度に頭にズキズキとした痛みが走る。走り始めた時にあの嫌な感覚もあって早くトイレに行きたい気持ちばかりがぐるぐる回る。
刹那、空気が冷たくなったと感じた。まずい、と思った時には既に氷壁に閉じ込められた。いつもより動きが悪かったせいかもろに閉じ込められてしまった。
「悪ぃ。大丈夫か」
「私こそごめん、ぼんやりしてた」
少し離れた所から小走りでこちらに向かう轟が見える。胸から下をがっつり閉じ込められている。普段の私ならきっと避けられていたんだろう、仕掛けた轟の方が驚いている。
「〇〇、悪い。急いで溶かしてるからもう少し待ってくれ」
「え、あ、いいよ、」
「良くねぇ。顔真っ青だぞ。身体冷えすぎたか」
確かに、身体が冷えてるからなのか下腹部の痛みが強くなってきてはいる。本当ならうずくまりたい所だがまだ氷が溶けていないので動かせない。
さらに溶かした時濡れるから違う意味で心配になってくる。
溶かしてくれている間に、6発音が鳴った。私のチームの煙が見えるので私たちのチームが6人捕まったことになる。こちらの負けだ。いつもなら負けて悔しいと思うのに今日に限っては少しホッとしている自分がいた。
「おっ、危ねぇ。大丈夫か?」
「…ごめん、大丈夫」
「大丈夫じゃねぇだろ、おぶってく」
「いや、いい大丈夫!ただ、ちょっとしばらく動けないから先生にそのこと伝えてもらっていい?多分今みんな集合してると思うから。」
ある程度溶かしてもらった時、早くうずくまりたくてすぐしゃがもうとすれば轟の反射神経の良さでガシッと身体を掴まれた。
今どう言う状態かわからないのにおんぶしてもらうのも怖いし、体調悪いのをみんなに見られるのも嫌だ。
身体が冷えたから痛みが強くなっただけだから先に戻るよう伝えても抱き抱えられた腕は力を抜いてくれない。
「とりあえず身体あっためた方がいいよな。こっち掴むといいぞ」
ゆっくりと一緒に座り込み左腕に私の腕を絡ませて、もたれかかれるようにしてくれる。じわじわ温かい温度が伝わってきて少しずつ良くなってくる痛みに抗えずそのまま身を委ねる。
「ごめん、講評間に合わないね」
「そんなの気にすんな。多分先生達もモニターで見てるだろうしすぐ誰か来る」
そんな話をしていれば近くの茂みに何かがドサっと落ちる音がした。
「爆豪。」
「何してんだ。ここで」
「〇〇が身体冷えて動けねぇから動けるまで温めてんだ。」
「あぁ?てめぇなにした。つーか手離せ」
「違う、違うから」
ズカズカ近付いてくる爆豪と腕を離さない轟に生理だと言うのが恥ずかしくて言い淀む。
近付いてきた爆豪に肩を掴まれると思ったら何故か持っていたジャージを投げつけられる。
「〇〇保健室連れてくっからてめぇはそれ伝えてこい」
「俺のせいで動けねぇから俺が連れてく」
「お前しか状況伝えられねぇからてめぇが行けっつっとんだ。」
轟と爆豪がしばらく睨み合いをしていたが、諦めたのか轟が先にため息をついた。
「〇〇。先生に報告してからそっち行くから。」
「いや、いいよ。って行っちゃったし」
私の返事を聞くより早く、先生の所に報告に行ってしまった。背中を見守っていると腕に持っていた爆豪のジャージを強引に剥ぎ取られる。
「立てっか?」
「あぁ、うん。…ってちょっと!」
轟が温めてくれたおかげでさっきよりは全然マシになった。とりあえず早く着替えたい。こんな姿を幼馴染だとしても見られたくない。
元気を見せるかの様に立ってみると腰にジャージを巻かれる。これではジャージに血が付いてしまう。
慌てて外そうとすると腕を回し引っ張られて爆豪の背中にくっついてしまう。
「急いで行くからちゃんと捕まっとけよ」
そう言うより早く背中におぶられ爆破で勢いよく空へ飛んだ。
爆豪は保健室に行く前にロッカールームへ連れていってくれ、私の制服を取りに行く時間をくれた。
ここで着替えてしまおうかと思ったが、女子更衣室の前で待つ爆豪は気まずいだろうと思い荷物を持って外へ出る。
爆豪は何も言わずに荷物を持って先ほどと変わらずにおぶって保健室まで連れていってくれた。
リカバリーガールはB組の演習に顔を出しているらしく居なかった。
保健室横のトイレに入って着替えを諸々済ませて保健室に入って椅子に座ってテーブルに頭を突っ伏す。
幸い借りたジャージに血がついていなくて一安心する。
この後の座学に戻らなきゃと思いながらも今更薬の副作用が出てきたのか眠気も出てきた。
気付いたら机に突っ伏していたはずの身体が、ベッドに寝かされていた。
同時に下腹部の痛みも眠りから覚めてズキズキと身体を攻撃してくる。
ゆっくりと起き上がってカーテンを開ければリカバリーガールが「起きたかい」と声をかけてくれる。
「爆豪が説明してくれたから事情は分かってるよ。あんた毎月こんな感じなのかい?」
「今回は演習中に身体を冷やしたのもあって…でも割と毎月厳しいですね。薬は飲んでるんですけど」
「一回、婦人科で診てもらいな。単なる生理痛だけじゃない可能性もあるからね。」
「…はい、すみません。」
リカバリーガールでも生理痛に関しては何もできない。
時刻を見たらもう今日の授業が終わる30分前と言った所だ。
出席するか悩んだが、身体は横になりたいと必死に訴える様にまた更にズキズキ痛み始めたので諦めて横になる。
目を閉じれば、すぐに意識が飛んだ。