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緊迫度増す南西の空と海

中国レーダー照射、何が起きたのか

(注)防衛省やロイター通信の過去配信画像で作成したイメージ

2025年12月10日 11:00

中国軍機による6日の自衛隊機へのレーダー照射は南西諸島の安全保障上の緊張を象徴している。どのような経緯で起き、自衛隊にとって何が脅威となったのか。これまでに明らかになった情報をもとにいま起きている状況を読み解く。

沖縄本島を回り込んだ空母「遼寧」

防衛省・自衛隊はレーダー照射に先立つ5日午後2時ごろ、東シナ海で中国の空母「遼寧」を確認した。場所は沖縄県尖閣諸島の久場島から北420キロメートル付近で、遼寧はミサイル駆逐艦3隻を伴って南西諸島方面に向かった。

翌6日午前7時ごろ、空母やミサイル駆逐艦は沖縄本島と宮古島の間を南東に進んで太平洋側に進出した。

その後、沖大東島の西270キロメートルの海域で、空母から艦載機のJ15戦闘機を発着艦させる訓練を始めた。発着艦は6日だけでおよそ50回に及んだ。

航空自衛隊がF15戦闘機を那覇基地から緊急発進(スクランブル)させる。

中国軍機が空自機にレーダー照射

6日午後4時32分〜35分ごろ、空自のF15戦闘機が沖縄本島の南方で中国軍機から断続的にレーダー照射を受けた。さらに午後6時37分〜同7時8分、30分間ほどにわたり断続的に照射された。

中国軍が空母の発着艦を繰り返した場所は公海で航行は自由なものの、周辺に沖縄県の島々が散在する海域だ。日本の領土と領海、領空に囲まれている。戦闘機を発艦させて周辺を飛行すれば領空に近づくことになる。

自衛隊は他国軍機が領空侵犯する恐れがある場合に戦闘機を緊急発進(スクランブル)させて対処する。今回も同様の判断があったもようだ。

中国軍の空母は7日にかけ沖縄本島を回り込むように北東に向きを変えた。沖縄本島と南大東島の間を通過し、鹿児島県喜界島の東190キロメートルの海域に達した。7日も艦載機をおよそ50回飛ばした。

さらに沖縄本島の東にある大東諸島を回り込むように東向き、次いで南向きに航行した。9日には北大東島の東250キロメートルの海域に達した。

過去にも中国の空母が沖縄周辺海域を通って太平洋方向に通過する例はあった。しかし今回のように中国軍の空母が沖縄本島を回り込むように航行したのは初めてとみられる。沖縄の島々に囲まれた海域で発着艦を繰り返すのも異例だ。

視角外から「ロックオン」の脅威

レーダーの照射はなぜ危険な行為だと言えるのだろうか。

レーダーは相手に当て跳ね返ってきた電波を捉えて位置を把握する装備だ。①広範囲に飛ばして脅威となる戦闘機などをみつける「捜索」、②攻撃をする際の狙いを定めるために相手の位置をつかむ「火器管制」――の2つの用途がある。

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