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177.シグルイ

■南條範夫原作・山口貴由作

■秋田書店

■『チャンピオンRED』

『シグルイ』は、南條範夫原作・山口貴由作の時代劇漫画である。

秋田書店の月刊漫画雑誌「チャンピオンRED」に、2003年8月号より連載されている。

単行本はチャンピオンREDコミックスより刊行。

題名の「シグルイ」は、武士道を体現したと言われる書物『葉隠』の一節、「武士道は死狂ひなり。一人の殺害を数十人して仕かぬるもの。」(武士道は死に狂いである。一人を殺すのに数十人がかりでかなわないこともある。)に由来する。

アニメ化もされ、WOWOWスクランブル枠で放送された。


本作は、南條範夫の時代小説『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を中心に展開されているが、山口貴由による奔放な脚色がなされており(例:岩本虎眼 の指が一本多く、曖昧な状態に陥っていたり、伊良子の復讐が大幅に改編されているなど)、ほとんど別物に近い作品となっている(「無明逆流れ」は、徳間文 庫版では35ページほどの短編である)。

南條の『駿河城御前試合』は、駿河大納言・徳川忠長の御前で催された十一番勝負を描いた連作短編であり、1963 年には「無明逆流れ」が『対決』の題名で映画化された(作品情報 対決(1963))。

第五十四景(2008年3月号)で「無明逆流れ」の物語はいったん中断され、原作第四話「がま剣法」にあたる物語が第五十五景 (2008年4月号)から第五十八景(2008年7月号)まで掲載された。

その後第五十九景(2008年8月号)から、再び「無明逆流れ」の物語に戻って いる。

原作小説の漫画版は、平田弘史が 1966年に小説のエピソードを抜粋した『駿府凄絶大仕合』(芸文コミックス、後にレジェンドコミックシリーズより復刊)を手がけている。

ただし平田版で は「無明逆流れ」の話は収録されていない。

「無明逆流れ」の漫画版としては、『シグルイ』以外にも、平田の弟である臣新蔵(現とみ新蔵)が、南條範夫原作 の「戦国無惨伝シリーズ」の中で漫画化している(無明逆流れを参照)。

なお、原作『駿河城御前試合』は長く絶版となっており、古書市場では数千円から一万円のプレミア価格がついていたが、『シグルイ』の発表後、復刊ドットコ ムでの復刊リクエスト投票が成って、2005年10月6日に徳間文庫から復刊された。

表紙絵は『シグルイ』作中の見開き画から採られている。



マンガ読みある記-シグルイ


■こんにちは、廣瀬淳です。


本日の一冊は、出場剣士十一組二十二名 敗北による死者八名


相打ちによる死者六名 射殺二名 生還六名中二名重傷

シグルイとは”死狂い”なり



寛永6年9月24日、駿府城内で御前試合が行われることとなった。

御前試合は、慣例として木剣を使用することになっているが、周囲の諌めにもかかわらず、駿河大納言・徳川忠長の一意により、今回は真剣を用いる事が決定され、剣士達による凄惨な殺し合いが幕を開ける。

御前試合当日、隻腕の剣士・藤木源之助の前に現れた相手は、盲目・跛足の剣士、伊良子清玄だった。

まともな試合ができるかどうか危ぶむ周囲の心配をよそに、伊良子は奇妙な構えを取る。

刀を杖のように地面に突き刺して足の指で挟み、体を横に大きくのけ反らせるように捻るという、通常では無い構え方をした。

両剣士には浅からぬ因縁があった。

七年前のある夏の日、「濃尾無双」と謳われた岩本虎眼が、掛川に開いた虎眼流の道場に、伊良子が道場破りとして訪れる。

伊良子は相手を務めた藤木を骨子術によって破るが、次に相対した師範の牛股権左衛門に追い詰められ、降参し入門を希望する。

入門の儀のため、引き立てられた伊良子の前に「曖昧」な様子を見せる岩本虎眼が現れる。

入門希望の声を聞き、一度太刀を手にするや、伊良子の額に貼り付けられた小豆一粒を狂いもなく両断し、伊良子の入門を許可する。

以降、牛股・藤木・伊良子ら三人の弟子は虎眼流の「一虎双龍」と呼ばれることになる。

一年後、腕を上げた伊良子は道場随一の剣士となり、虎眼流の後継者と目されていた。虎眼には娘がいるのみで、いずれ婿を取らせて家を継がせねばならなかったからである。

強い男に跡目を、と考える虎眼は、藤木と伊良子に、因縁のあった舟木一伝斎の息子兄弟を討ち取るよう命じ、為し遂げた方を婿として迎えるとした。

藤木は虎眼流「流れ」を用いて兄を討ち、伊良子も、兄が討たれたことで異変が生じた弟を討つ。

年の瀬、虎眼は「流れ」すら体得した伊良子を婿に決定する。

虎眼流を足がかりに、高い地位を得ようと野心を燃やす伊良子だが、虎眼は、伊良子と自らの情婦であるいくとの密通に気づき、仕置きの後、奥義「流れ星」によって両目を斬り、いくと共に掛川から追放する。

三年後。

隆盛を極めていた虎眼流であったが、門弟が闇討ちされ、道場に首を晒されるという事件が発生する。

高弟たちは犯人の捜索するが、その中で高弟たちも同じ手口で殺害される。

死体に添えられていた品から、犯人が伊良子と推測した藤木は、興津が賎機検校に、高弟の情報を売っていたことを突き止め制裁するが、虎眼流の面々は当の賎機検校から屋敷への招きを受けた。

招きに応じた虎眼たちは西洋剣術を使う剣士・夕雲と立会い、虎眼はこれを容易く打ち破るが、その時虎眼たちが見たものは、伊良子の姿であった。

数日後、策により分断された虎眼流の面々は、刺客の襲撃を受ける。

藤木と牛股は刺客を返り討ちにするが、虎眼は秘剣「無明逆流れ」を編み出した伊良子に斬られ、濃尾無双の伝説がそこで幕を閉じた。



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