三菱電機、3期連続最高益でも人員削減 過去の経営陣の「ツケ」一掃
業績好調の三菱電機が12月、希望退職募集に踏み切る。2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)は3400億円を予想し、3期連続での最高益を見込む同社。このタイミングで人員削減を決断したのはなぜか。 【関連画像】三菱電機の阿部恵成最高人事責任者は「最高益の今だからこそリストラを実施する」と意義を強調する 今回実施する「ネクストステージ支援制度特別措置」の募集対象は、53歳以上の正社員や定年後の再雇用者。三菱電機単体の従業員数は約4万2000人で、この4分の1に当たる約1万人が対象となる。より若い層を管理職に登用できるようにすることが今回の募集の目的というが、その背景について阿部恵成最高人事責任者(CHRO)は「かつての甘さが招いたことだ」と断じる。それはどういうことなのか。 ●危機を生き抜いてしまったことで生じた「甘え」 08年のリーマン・ショックで打撃を受けた電機業界では大規模なリストラが相次いだ。ソニー(現ソニーグループ)や日立製作所、NECなど各社が業績悪化を受けて人員削減を断行。業界全体では当時、毎年1万人を超えるペースで人員削減が進んだとされる。 そんな中、「電機の優等生」とされた三菱電機だけは違った。この間も黒字を維持し続け、早期・希望退職を募ることはなかった。阿部氏は「リーマン・ショック時にも黒字を維持して社会的に評価されていたことが、逆に甘えや油断につながった。やるべき時に事業や人材面でシビアな手を打てなかった」と、過去の経営陣に対して苦言を呈す。 三菱電機の新卒入社人数は約1000人で、この水準は約20年変わっていない。その一方で、定年後の再雇用や定年延長で65歳まで働く社員が増加し、社員構成におけるシニア比率は上昇し続けている。 その結果、管理職ポストがなかなか空かず、かつては30代半ばで課長級以上のマネジャーになれるケースも多かったが、現在は40歳前後と、登用のタイミングに遅れが出始めている。これでは若い人材の手によるスピード感を持った改革にも支障が出かねない。