謎の商人ロールプレイ 作:誰かさん
「おー一般人よ、オヌシは死んでしまった、みたいなー。あげぽよー?」
「さげぽよー」
「マジ? ぴえんだわー」
そんな非常に頭の悪い会話から始まった。
目の前にいるのは神だ。
彼は神など信じていない。別段疑っているわけでも否定しているわけでもなく、現代日本人らしく「まあいないだろうな」という感覚である。
そんな彼であっても、目の前であからさまなウェイ系の空気を醸している女が神である事は分かった。なんというか、空気で。これはもうそういうものだとしか言い様がない。威圧感とでも言えばいいのか、そういったものが『神』だと主張しているのだ。いや、本当によく分からないのだが。
目の前のロングヘアーを黒と金のツートンカラーにしている推定神。神々しさを感じさせながらも、いかにも人生(?)エンジョイしてますみたいな恰好をしている。これまたやはり矛盾した印象があった。
そんな状況で彼が考えていたのは、「神様って人の形しとるんやなー」とか「なんか俺って死んでたみたい。ウケる」とかそんな事だった。ぶっちゃけ、脳みその軽さでは同レベルである。
「とりま、キミ転生させるからよろー」
「おけまるー。でもそれどういうこと? 六道輪廻的なやつ?」
「えっ。流行のやつ。チート転生的な」
「すまんの、流行には疎いんじゃ。大体二周くらい遅れてマイブームが来るタイプなんで」
「えぇー。そんなんびびるし困るわ」
この反応は予想外だったのか、女神はややあざとい仕草で頭を抱え、うーんとうなった。
「特別な力をあげるから別の世界で生きてね、的な? 合ってる?」
「俺に聞かれても。でもまあ、だいたい理解した」
「わお! 理解力の塊じゃん! いいねー」
女神はするっと近寄ってくると、びすびす頬を突いてくる。やたらめったら楽しそうな笑顔つきで。
こいつ、人間だったら距離感が近くて男を勘違いさせまくるタイプだな、と彼は直感した。
「でも意外だわー。生き返らせてとか言われると思ってた」
「うーん、だって俺死んでるんでしょ? 逆に聞くけど、それって可能なの?」
「無理じゃね? 知らんけど。あたしも案内してきてーって言われてるだけだし」
「これはマジワロッチ」
「ワロッチっしょー? ワロリンヌっしょー?」
何か面白かったのか、女神はけたけたと笑い始めた。
「というわけで、割と凄い力あげちゃいまーす! ないとすぐ死んじゃうからね!」
「それはそう」
古今東西、取り柄もツテもない一個人が生きていられるほどぬるい世界はない。特別な何かがない根無し草は、どこへ行っても搾取されなければいけないのだ。いや、搾取されるだけの何かがあるなら、まだ幸運な方か。
そういった意味では、ずいぶんと有情な措置である。例えばこれ、訳が分かっていない人間をぽんと知らない場所へ放り出したところで、彼女らに文句を聞き届ける筋合いなどないのだ。世の中、弱い方が泣いて当然の構造なのだから。弱肉強食、世の真理である。
ともあれ、神らしき存在に、そういった人間の普遍的法則が通じ、あまつさえ酌量してくれる。これは幸運以外の何物でもない。
後はこの後、人が生きていけないような場所に通されて死んでも、まあ仕方ないかと思える自分の人間性。そこにもいくらか感謝している。やっぱり人生のコツは深く考えないことだ。気楽であればあるほど生きやすい。
「向こうに着けば、凄い力がどんなものか、どう使えばいいか分かるって。すごくね?」
「すごいね。ところで向こうってどこ?」
「知らねー! あーし案内任されただけだし!」
こちらの質問をばっさりと切り捨てる彼女に、まあそんなもんかと割り切って。
「ま、向こうでは好きにすればいいっしょ。最強無敵ウェーイ! ってやっておkおkだってさ。向こうの神にはナイショだけど!」
「そこは話通さなくてええんやろか」
そもそも向こうとやらに神がいるのも驚きだ。まあ、死後神に招かれる事があるのだから、それくらいは驚嘆に値しないのかもしれない。
「とりま頑張ってねー。これあーしの金言だけど、けっきょく人生って楽しんだもの勝ちよ? どんだけ成功したって、つまらなかったら無意味だかんね。いいこと言うっしょ?」
「超分かる。やっぱやりたいようにやってなんぼよね」
「ヒューッ。話分かるじゃーん。そんじゃバイバーイ、多分もう二度と会うことはないかんねー」
などというやりとりがあって。彼は別の世界へ行くこととなる。
女神は転生などと言っていたが、特に生まれ変わった訳ではなかった。現代日本で生きてきた肉体そのままに、服装まで私物のものだ。
彼が落とされたのは何の変哲も無い林である。とりあえずという事で、まずは状況と環境の把握に勤しんだ。
どうやらここは、現代で言うところの発展途上国くらいの感じだ。技術には乏しく、まだ化石燃料の有効活用方法も分からない、という所。割と平和で、少なくとも街中でしょっちゅう脳の奥まで麻薬に犯されたラリ公が刃物を振り回し、裏道に入れば人の死体が転がっているような濁世ではない。
だいたい前世の近代以前くらいかな、と思っていたのだが。いきなり無茶な現実を叩き付けられた。
まずこの世界には、
「なんで最強がどうとか、今日日小学生でも妄想しないような事言うのかと思ってたけど、これかぁ……」
現在における世界の中心はオラリオという都市であり、そこは暴力と神が支配している。レベルという概念があり、それにはファルナとかいう神から与えられる力が必須。そしてオラリオはモンスター発祥の地であり、今でもわらわら湧き出ているため、力がものを言うのだとか。
まあそりゃこんな世界なら、パワーオブジャスティスな原始時代的価値観にもなる。
「とりあえずオラリオに行った方がいいのかね」
ひとしきり世界の事を調べて、そんな風に思ったところで。彼は思った。
別に最強とかなりたいわけじゃないし、ちやほやされたい訳でもないし……。これってオラリオに行く意味なくね。
彼にとって、強さで社会的地位が変わる世界など野蛮極まるものであり、好んで飛び込みたいとは思わない。かといってある程度強さがないと、それはそれで生きづらい場所。控えめに言って面倒くさい。
あとは、どうもオラリオは民度がやばかった。
暴力がものをいう土地だからだろうか。普通に無法者がごろごろしているし、驚くことにそういった存在がある程度の社会的地位を得ている。レベルなるもので尊厳が上下する弊害だろう。それにつられて、民間でもろくでもない奴の割合が明らかに多い。しかも今は、ナントカというテロリスト集団が元気に活動しているし。
どう考えてもオラリオに定住するメリットがなかった。
決まってしまえば話は早い。オラリオは遠巻きに見て楽しむものであって、決して中に入り組み込まれる事を望むような場所ではないのだ。そういうのは断固とした意思と覚悟を持っている人間が、勝手にやればいい。
というわけで彼は、早々に住居の候補からオラリオを外した。むべなるかな。
「まあまずは住居だよな」
ここ数年、世界中を見て回ったが、さすがに飽きた。貰った能力を応用したおかげで、移動はほぼノータイム。だからこそたった数年で世界中を見ることができた。
最初、住居をダーツで決めようかと思ったものの。さすがに自重する。これでオラリオとかエルフの森なんかに当たったら目も当てられない。あそこらへんはほんと、現代出身の人間が住むところではないのだ。せっかく選べるのだから避けるべきである。
いろいろ悩んだ結果、選んだのはダークエルフの領域からギリギリ外れた地点。
ダークエルフはいい。エルフのように行きすぎた選民思想を持っていないし、ほどほどに排他的ならぬ排世的。特に危害を加えなければ普通に交流もできる。
つまり隣人として住む分には東京の賃貸マンション感覚で、近すぎず遠すぎず、とても心地いいのだ。これが下手な国のそこそこ都市であったら、ごちゃごちゃと干渉される所である。
とはいえ、こちらもよき隣人である努力を放棄してはいけない。
挨拶などはできなかった(面倒だとかそういうのを抜いても、領土外ぎりぎりにというのが微妙な関係過ぎて説明できない)。なので、ダークエルフに大きな利益がある形にしつつ、なあなあで容認されるような形に決める。
ここで、神から貰った能力が役立った。
彼が貰った、神様が言うところの『特別な力』は、『思い描いた物質をだいたい何でも形にできる』という能力だ。
イメージ如何によって大抵のことを実現できる便利な力である。ただし、物体というワンクッションを置くことで、即応性にはやや難があるものだ。ただこれは、即応しなければならないような環境に身を置かなければ、存在しないリスクではある。
力についてはさておき。
ダークエルフに提供でき、さらに詮索されないメリットはわかりやすかった。精霊である。
作ったのは縦に馬鹿でかい居住区だ。窓のない高層ビルと言ってもいい。さすがに
さて、このビルだが。下の階層には仕掛けが施してある。精霊がとても心地よい空間であり、同時にエネルギーを供給してくれる装置を置いているのだ。さらに下級精霊(この場合は大精霊以外だ)を可視化もできるというもの。
狙い通りに中級精霊までが集まり、世界でもっとも精霊が集まり、かつ力をつける土地となった。これにはダークエルフさんもにっこりである。たぶん。精霊の聖地みたいな扱いをしているのは、ちょっと予想外だったが。
ある程度状況が安定したところで、しかし彼は思う。
「クッソ暇だわ」
家の中は快適だ。上層へ入るには転移装置が必要で、精霊が入れないようにも処置を施してある。完全なプライベートの空間。
生活水準も現代日本にいた頃と遜色ない。異世界のネットに繋がる装置も作って、環境も万全だ。幸いにも口座は生きており、これによって多少ではあるが稼ぐこともできる。まあ、月に4~5万程度でも、娯楽に使うだけなら十分だ。
ただ、安定を得てしまったが故に先が思い浮かばない。
生きるために自転車操業じみて仕事をしなくて済むというのは気楽であったし、実際快適だ。多分、このようなのんべんだらりとした生活に焦燥感を感じるのは今だけで、慣れればこれが日常になる。
彼は仕事人間ではない。だから、労働は尊いとか、働いてなければ人間は駄目になるなど言うつもりはなかった。ただここでは、現代日本にいた頃のように、食べ歩きなどができないだけで。
というわけで、ちょっとだけ他者へ干渉してみることにした。
「なーにーにーしーよーうーかーなー」
と、タブレットの中にある読書アプリをぺらぺらめくる。いろいろ悩んだ結果、最終的に『ONE PIECE』と決めた。
彼は考えなしかつ勢いで生きているが、かといって他人の迷惑を考慮しない訳ではない。作ったものを求めて殺し合いなど行われるのは、さすがに後味が悪かった。
とりあえずという形で、焦点はオラリオへ。この中で冒険者と称される者へランダムに悪魔の実を配ることにした。まーこれならさすがに使う相手はモンスターじゃろ、というかなりいい加減な判断基準で。テロリストにだけ渡さないように気をつければいいし。
ちなみに、彼はそこまでオラリオの冒険者に徹底しておらず、少なからずオラリオ外の人間(冒険者に限らず)へと悪魔の実を食わせている。
さすがに
「こういうこともあるんだなぁ」
文化の違いって難しい。彼は改めてそう感じた。
もう少し慎重になるべきだったかと思うが、すでに動き出してしまった以上、ここで止まるのは新たな選民思想を作ってしまう。やっぱ俺程度の頭で考えてもさしたる対策になんねーな、と再認識した。
ちなみに、彼にワンピースを布教しようという気は一切無い。
全巻読む程度には好きだが、別に信者という程ではないのだ。ついでに言えば、彼は娯楽を誰かと共有したいという気持ちが一切無い。どんな楽しみ方であっても一人で完結するタイプの人間だ。故にワンピースを広めたのは、あくまで「これが元ネタですよ」と宣言するため。悪魔の実という発想を、あたかも自分が考えたみたいに振る舞うのは、さすがに卑しすぎてやる気にもならない。
それに、漫画を広めたところで誰が損する訳でもないのだ。どのみち世界が違うのだから印税なり何なりで還元できる訳でもなし。いーじゃんいーじゃんのノリである。
こうして、彼の日々はそれなりに忙しいものになっていた。
基本的には部屋でまったりし、悪魔の実を作ってそれを渡しに行く。以前はどこでもほとんど受け入れて貰えなかったが、最近はオラリオばかりに行っている。なぜかいつの間にか、ほぼ100%の確率で食べて貰えるようになったのだ。
追いかけ回される事もあったが、こちらも逃走能力には自信がある。逃げ切った後にファミリアとやらの構成を調べて、そこへは二度と近寄らないようにするという対策を取っていた。
試してみては失敗し、対策を取ってまた試し。たまに精霊と戯れたり、観光客を装ってオラリオの様子を見に行ったり。
のんびりとしていたが、彼の異世界生活は概ね穏やかに充実していた。
現在、ダークエルフの里には神聖不可侵の領域がある。それは『白い牙』あるいは『精霊の塔』であり、その周囲だ。
この名称は、実は正式なものではなかった。我々如きが命名するなど恐れ多いという事で、あくまで通称である。
ともあれ『白い牙』は、数年前に何の予兆もなく唐突に現れた。見た目は真っ白で凹凸のない円錐で、高さはだいたい300メドルはあろうかというもの。
最初は戸惑いが大きく、里では何度も議論が交わされた。
いくら不審な建造物と言えど、強硬手段に出て排除する理由もない。それに、位置が問題だった。このあたりは国境線が曖昧になりがちで、つまり明確な害もないのに、隣国を刺激してまで武力行使に出たくない。下手をすれば攻め込む理由にもされかねなかった。戦力を向かわせるには、慎重な協議が必要だった。いくら相手側が、ほとんど放棄している土地と言えどもである。
そうして申し訳程度の調査隊を派遣しているうちに、変化があった。なんと精霊が集まっているのだ。
中小の精霊ばかりではあるものの、その数は膨大。しかも、通常見えないはずの精霊が、なんと可視化してお声を賜る事すらできた。
事ここに至って、ダークエルフは悟る。『白い牙』は精霊に対しての福音であり、ここは聖地なのだと。
そこからの動きは早かった。ダークエルフは超速で『白い牙』の状況を発表すると同時に、そこの守護を表明。これは世界中から驚嘆の声が上がり、また肯定的に捉えられる。
ちなみにこの時、精霊はダークエルフを選んだとして、エルフを死ぬほど煽った。エルフ達は血管がぶち切れそうなほど悔しがっていた。
また、精霊は特に人との接触を忌避しているわけではなく。むしろ積極的に交流しようとしていた。それをいいことに、連日多数のダークエルフが詰めかけていたりする。最近では、『白い牙』近くに新しく里を作る計画まで立てられている程だ。
「精霊様、こちらにおいで下さい」
「わーい」
「お召し物を作ってきたのです。どうか着ていただけませんか?」
「ウォフ!」
精霊はいろいろな姿をしていた。動物のようだったり、空を泳ぐ魚だったり、人型だったり。ただしどれも子供くらいの大きさであり、また天真爛漫だった。
まあつまるところ、ダークエルフが精霊を信仰する種族だというのを抜いても、めちゃくちゃ可愛いので甘やかしたのである。全部愛らしい姿と性質が悪い。
そうして交流をしていると、ダークエルフ側にも変化が現れた。魔法の発現だ。
これらは便宜上、契約魔法、ないしは精霊魔法と呼ばれている。まだ正式な名称は決まっていない。
契約魔法は、心を交わした精霊との絆でできあがった魔法だ……とされている。精神力を術者本人が加工するのではなく、精霊に通して属性を精霊色に染めて扱う。そのため、既存の魔法に比べて自由度が比べものにならないほど高く、またそのほとんどが超短文詠唱。中には無詠唱魔法まであるほどだった。しかも、性能だって決して低くはなく、長文詠唱と同等以上である。
この事実が発覚した時、ダークエルフは我が世の春を超えて全盛期を迎えたと言っていい。
だが、栄光は続けども平穏は続かなかった。
実体化精霊との接触による魔法の発現――それも極めて強力な魔法ばかり――という事実に、隣国が動いた。ダークエルフが『白い牙』の周囲を不当に制圧、私物化していると声明を出し、軍事行動を開始したのだ。
当然、ダークエルフは激怒する。『白い牙』を独占した覚えはなく、ヒューマンが来なかったのも相手の事情と言うしかない。情報は全て開示していたし、邪魔立てする気も一切無かった(まあ歓迎もしないが)。
これが、最初に話し合いの姿勢ありきだったなら、全然違う結末になっていたかもしれない。しかし、双方が強硬手段にして最終手段を決意してしまう。激突はすぐだった。
ダークエルフは『白い牙』および精霊に累が及ばないよう、敵国のかなり深くまで侵入して決戦を挑む。それは、地の利を生かして戦いたい国家側と、奇しくも利害が一致する形となった。
状況は国家側の圧倒的有利。ただ、彼らは理解していなかった。精霊と縁を結んだ魔法がどれほど強力かを。
結果から言うと、ダークエルフの圧勝だった。それはもうけちょんけちょんのぐちょんぐちょんのギッタンギッタンに叩きのめし、ついでとばかりに国家側の領土を切り取る。
これにはダークエルフ軍のほぼ全てが魔法使いに変じていたという事もあるが、それ以上に、ダークエルフとは
太古の昔、ダークエルフは『災厄』に抗い続けた。他の種族が逃げ惑う中、それはもうダークエルフが滅亡するのではないかという勢いで。その血脈は今も受け継がれており、つまり自分たちに何かがあった場合は総動員で戦う姿勢のある種族なのだ。こんなのがとんでもない力を手に入れて本気で攻撃したのである。そりゃあもう多少の有利不利など関係なくなろうというもの。
こうしてダークエルフは勝利し、『白い牙』を中心として大きな領土を得る。
彼らはそれから、『白い牙』近辺の開発に注力した。といってもこれは、新たな里を作ると言った方面ではない。端的に、『白い牙』の周囲は荒れ地なのだ。
草木を植え、花畑を作り、とにかく精霊が心地よい空間にしていく。
里を新設するのも交流を深めるのも重要だが、やはり一番は精霊。まずは精霊のために、それがエルフ全般に通ずる常識なのだ。
こうして少しずつ、しかしダークエルフの里は着実に安定していった。
「精霊様、こちらはどうですか? 私の妻が作ったクッキーです。きっとおいしいですよ」
「たべゆ」
「ちょうらい」
「おいしちょう」
空をふわふわと漂っていた、年齢にして3歳くらいの人型精霊。それらが一人のダークエルフに応え、わらわらとよっていった。ある者は膝の上に座り、ある者は肩の上に乗り、ある者は指をくわえてクッキーが入った袋を見る。
控えめに言ってむちゃくちゃ楽しい。ここは楽園かと見間違う程に。
「ははは、慌てなくてもたくさんありますよ」
膝に乗った精霊の頭を撫でながら、そう呟く。
ダークエルフという種族は、今が絶頂期である。そして、なおも絶頂期を更新し続けている。