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少なくともロボット工学=Physical AIではないのと、「解集合の境界を攻める問題」と「解集合の内側を探索させる問題」は割と違います。 ハードウェアの性能限界を攻めるのは、当面は綿密な環境構造化とエキスパートのチューニングを必要とします。 Physical AI(というかAI)は基本的に後者で、解集合の中に所望の物があるが、複雑で見つけ方が分からないような場合に有効です。汎用ロボットは基本的にこちらの課題が遥かに大きいです。 どこかのポストで見ました(誰がいつ、かは失念してしまいました)が、「人間の教示やテレオペでできるタスクなのに、ロボットが自律的にできないのは知能やソフト側の問題。ハードウェアの機能は足りている」という発言が的を得ていると思います。 例えば洗濯物を畳むのは今も高難易度タスクですが、トルクが足りないわけでも、関節の自由度が足らないわけでもないんですよ。単にやり方を状況に応じて適応的に決めるのが劇的に難しいのです。 従来、制御やソフトはハードウェアの機能を最大限引き出すのが仕事だと考えられてきました。 しかし、複雑さがますにつれて、高次元の空間で、価値が高いのに無視されてきた、余裕でスペック内なのに使われてない便利な解が現れ始めて、それを我々が見つけられてないだけ、という状況が分かってきました。 今や、Physical AIはそのような空間に着目してロボットのソフトウェアや制御設計に革命を起こそうとしている、と私は理解しています。