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Conversation

私が生産技術視点で見ている一方で、ときさんはエンジニア視点で捉えているのだと感じました。 視点が違ったまま、お互いの主張が同時に存在して矛盾しないところに、素直に尊敬できました🫡 製造業において生技は、AI運用の失敗と成功を、身をもって最も繰り返してきた部門でもあるといえます。 そのうえで、私のいう違和感の一つが、 「結局のところ、AIが仮に適用領域を拡大できたとして、それは従来の暗黙知と何が違うのか?」 という点です。 要は、『暗黙知を学習で再現しているように見える』段階の先として、 『暗黙知を工学モデルとして“再定義できた”段階』に移行する議論を放り投げていないか?という疑問です。 例えばAMRは、 『暗黙知の工業製品化』に成功した良い例だと思います。 ・自己位置推定 ・動的障害物回避 ・経路の再生成 ・交通ルール的な振る舞い といった機能は、フィジカルAIの完成形の一つと言っても過言ではありません。 一方で、AMRが工程として差別化技術かというと、そうではないです。 むしろ、要求レベルに対する前提条件となっただけ、というのが私の認識です。 嫌な言い方をすると、 AMRは「人が現場でやっていた判断を、ブラックボックスのまま再現性だけを上げて製品に封じ込めた、成功後に差別化を失った技術」 でもあると思っています。 では、競争力をどう強化するのか。 私は、 「拡張された領域を“標準”として、フィードフォワード制御のように設計に組み込めるか」 が技術としての価値となると思っています。 そうしないと、いつまで経っても差別化はできません。 “賢い暗黙知が装置に乗った”段階に、ずっと留まり続けるだけです。 ロボットの軌跡最適化や接触操作の学習結果も、 ・設計値 ・標準条件 ・公差設計 ・工程能力 にまで焼き直せて初めて、量産技術としての差別化になります。 そういう意味では、現在語られているフィジカルAIによって 「適用できる状態空間が広がる」ことと、 「それが産業の標準として定着した競争力の土台になる」ことの間には大きな溝があり、横並びで比較する手段に留まっているという考えです。
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とき@engineer
@toki_engineer
フィジカルAIがまるで「従来ロボット工学を置き換える主役」のように語られる、という意見には共感します。 ロボットの基礎性能を決めているのは、今も完全にメカ設計・電気設計・制御工学であり、AIがその物理限界を魔法のように上書きできるわけではありません。 x.com/pokamaru3/stat…
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