INFJの同僚の話
レアだと言われているINFJ。私もこれまでに1人しか会ったことがない。
そして、私のINFJ感は、このたった1人からすごく影響を受けている。INFJが実際はどんな人なのか忘れないようにメモしとく。
彼女は変わった人だった。何が変わってるか明言するのは難しいが、周りもみんな変わってると言っていたのでやはり変わっていたのだろう。
私にとって彼女は長らく会社の後輩だった。あまり一緒に仕事をしたことのない時期の彼女は、私から見て天使のような人だった。非常にふわふわしていて、所作が柔らかく、乱暴に触ると壊れそうな子であった。
実際天使だった。職場に虫が出て、女性社員がヒャーヒャー騒ぐ中、彼女はそっと捕まえて外に逃がしてあげていた。
やや印象が変わったのは、一緒に業務をするようになってから。彼女の業務を私が覚えることになったので、彼女は私を指導する立場になった。
ここで、私は彼女の「熱さ」を初めて見た。
彼女は私に一から十まで丁寧に教えてくれた。本当に一から十までだった。なんというか手を抜くことが全くないのである。
私達の業務は対人業務のため、彼女は私に突きっきりだった。逐一やり方に加えて何故そうしなきゃいけないかを丁寧に教えてくれた。対人業務はスピード感も重要なので、やりながら教えるとやや端折ったりして雑になりがちなのだが、彼女は端折らない人だった。また、彼女がいないところで、業務対応した場合は、その報告を速やかに日報にし、彼女からの返信を待つことになっていた。この返信について他の人は手隙になってから対応してるので大体遅いのだが、彼女は素早くなおかつ丁寧だった。
私はSi持ちなので、ここまできめ細かく指導してもらえればすぐ覚えられる。おかげ様で私の業務の独り立ちは早かった。
そんな彼女だが、業務上苦手なことは2つあった。というか、本当はもっとあるのだろうが、目立つのは2つだった。
苦手なことの1つ目は新規業務を覚えること。
同僚から言わせると、今でこそ頼りになる彼女だが、来たばかりのときは他の人とは比べ物にならないくらい大変だったとのこと。今でも伝説らしい。
彼女は、すごい細かいことまで理解しないと前に進めない人だった。要はとりあえず見様見真似でやってみることができないのだ。このような人物は教える側は大変である。おそらくISFJだったら、こうはならない。Si持ちは見様見真似でやるのが得意だからだ。
また、彼女はキャパが大きくなく、理解できないとすぐパンクして怒りながら泣いていたらしい。当時彼女を指導していた同僚は、その様子を見て「この子はすごく丁寧に扱ってあげなくては」と感じたそうだ。逆に適当だったり、やる気がなかったり、反抗的だったら、見限ることができたのだが、彼女は真面目で誠実だったので、それもできなかったという。彼女が独り立ちしたときは、同僚曰く「私も彼女もよく頑張った」と達成感でいっぱいだったとこのと。
苦手なこと二つ目は対人調整。交渉することや注意することが苦手だった。彼女は決して揉めたいと思ってないし、むしろ揉めるのは苦手だったのだが、度々揉めていた。その原因は彼女の誠実さと生真面目さにあった。
交渉においては、納得いかずとも時には引くことも大事なのだが、誠実故に引きどころを見誤っていることがよくあった。また、真面目故に言い方がややキツく聞こえるのだ。彼女は綺麗な言葉遣いをしていたし、雰囲気も柔らかいのだが、生真面目な言葉遣いというのはどうしても彼女の柔らかさを固くさせる。
これがENFPやESFPなら「ごっめーん⭐︎」みたいな感じの緩い雰囲気で話しかける。上下関係が明確な場所でこれをやると怒られるが(事実ENFPはよく怒られてた)、同レベルの同僚間ではこういう雰囲気の方が断然話しやすい。
IXXJ型はこの緩い、ある意味ふざけた雰囲気を出すのが苦手だ。
ちなみに、同じIXXJ型でも、ISFJは揉める空気を察すると「一旦持ち帰ります」とか言って下がるか、「わかりました。私がやります。」とか言って自分で抱える。ISFJは誠実さより、目の前の平和を優先しがちだ。
とはいえ、INFJが揉めても火の粉はENFPとかが振り払っていたので大事になったことは1回もない。みんなもINFJが悪い子ではないのはわかっていた。ただ、やや融通の利かない子なのである。
今考えると、INFJのこの融通の利かなさは全て
「熱さ」から来ている。本当に穏やかな水面の下にグツグツ煮えたマグマを抱えているという表現がふさわしい人だった。
ちなみに似たような人種でINFPはどんな感じだったかと言うと、彼らからは「熱さ」を感じなかった。というか、ウチの業務は事務なので、INFPにとっては楽だけどつまらない仕事だったんだと思う。
INFPは山程いたのだが、逆に彼らはわからない時にあまり聞いてきてくれなかった。多分同僚が忙しそうにしてるので聞くタイミングがわからなかったんだろうというのと、こんな簡単なことを質問してもいいのかという恐れがあったんだと思う。でも、肝心なとこで質問できない人は大体ミスするので、彼らは総じてミスばかりだった。というか、正確性が求められる自由度の低い仕事はINFPには合わないんだと思う(ということにINFP自身が気づいてないことが多い。多分企画・交渉の方が得意な気がする。)。
INFJは絶対ミスをしなかったので、大きな違いだった。
INFJとは2年位一緒に仕事していたが、最後まで距離感が縮まらなかった。彼女と4年一緒に仕事していたENFPやESFPも同じ感想を持ったとのことだ。INFJは自己開示が苦手だった。
彼女が自己開示するには、私達は不真面目すぎたのだろうか。雑談もたくさんしたのだが、最後まで彼女が働きやすい環境を作ってあげられなかった気がする。
彼女見てるとINFJが生きづらいのもわかる気がした。



コメント