妖艶!黒蜥蜴奇譚

多重な意味持つセリフ&美術…美輪ワールド全開! 美輪明宏「三島さんに口説かれて…3度目に引き受けた」

「三島さんに口説かれて2度断ったが3度目に引き受けた」という美輪の「黒蜥蜴」は舞台で大ヒット。68年には映画化もされた。映画の明智は木村功。サイケデリックな照明の中、裸体に近いダンサーが踊り狂い、暗がりでは男女が抱き合う秘密クラブ。ふと音楽が止み、暗闇から「黒蜥蜴の歌」を口ずさみながら現れた黒いドレスの丸山明宏! 彼女は思いつめた青年の前(河津佑介)に立ち「死にたいのね」と鼻をなでる。頬でも唇でもなく、鼻をなでられたらもう終わりですよ。ひえーっ、妖しすぎ!!

監督は美輪自身が推薦したという深作欣二。クライマックスには三島自身も肉体美を披露する。その後、美輪は天知茂、岡田真澄、高嶋政宏、木村彰吾らを相手役に舞台で上演を続けている。私も何度も見たが、「私は乱歩先生とも三島さんとも仲がよく、作品で何を表現したいか手にとるようにわかる」との美輪ならではの多重な意味を持つセリフや美術はここにしかない濃厚なもの。毎回、黒蜥蜴歴五十余年の貫禄に圧倒されている。(コラムニスト・ペリー荻野)

■美輪明宏(みわ・あきひろ) 歌手、俳優。1935年5月15日生まれ、84歳、長崎市出身。国立音大付属高校を中退し、16歳で東京・銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」で歌手デビュー。中性的な容姿が話題を呼ぶ。64年に「ヨイトマケの唄」が再び大ヒット。60年代後半からは寺山修司らと舞台にも進出。2012年から3年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場している。

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