大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

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【大河べらぼう】古川雄大さんの“艶二郎”つけ鼻製作秘話

べらぼう第29回、劇中劇で古川雄大さんが演じた『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』主人公の艶二郎(えんじろう)。そのビジュアルは「古川さんの良いところすべて消した」ものだそう。

特徴的な鼻の製作秘話を特殊メイク担当者に聞きました!

📺艶二郎を演じる古川雄大さんはこちらから見られます《8/10(日) 午後8:44 まで》※別タブで開きます

 

最初は元になる黄表紙のイラストがあるから楽だと思っていましたが、よく見ると艶二郎の顔は正面からしか描かれておらず、横顔などは描かれていないので、立体で完全再現するのはとても苦労しました。当初は一週間くらいで終わる見込みが、結果、鼻の製作だけで一か月かかってしまいました。

まずは、ベースになる既存の鼻のピースを18個用意。
中でも可能性のありそうな8・11・13・14・16・17を演出にプレゼンしました。

古川さん本人の顔を3Dスキャンしたものに、それぞれの鼻をつけてみます。  

8番↓

 

14番↓

この作業を繰り返し、8番と9番が最終候補となりました。
8番と9番の2つの形をベースに、粘土で試作を作っていきます。

①第一試作品

②ちょっとおおげさ

③もっとおおげさ

④豚鼻

③の「もっとおおげさ」バージョンをブラッシュアップしていくことになりました。

まず、黄表紙のイラストに近づけるため、小鼻を大きくします。
しかし大きくしすぎると、こんなふうに鼻の穴から本人の鼻が見えてしまう…。
そうならないギリギリを攻めていきます。

続いて、イラストをより忠実に再現するため、小鼻の上を盛ります。
盛りすぎると、お芝居するときに頬が動かしにくくなったり、しゃべったときにはがれてしまうため、こちらもギリギリをねらいます。

こうして8回ほどの手直しを繰り返し、最終決定した粘土の鼻を人工皮膚の形に作り替え、完成。
ふだんの収録と並行して行ったこともあり、全部で28日かかりました。

イラスト通りに再現することはもちろん、一番大変だったのは、古川さん本人の骨格になじむように鼻を作ること。
鼻が高くてシュッとしている骨格なので、低い団子鼻にするのは相当難しかったです。

また、メイクではつり上がり気味のクールな眉と目を、下がり眉と垂れ目にしたため、古川さんの良いところすべて消したのが艶二郎のビジュアルでした。扮装(ふんそう)を作ったスタッフたちですら、ふつうに廊下を歩いていると古川さんだと気づけなかったです(笑)。

扮装にかかる時間は、全部で3時間。ふだんのおよそ1.5倍です。
手をかけて作ったこともあり、スタッフの中で、古川さんの艶二郎は日に日に「ゆるキャラ」のように愛されるように。最後の撮影のときは、艶二郎との別れがとても寂しくなりました。
寂しさのあまり、「京伝のときも、あのメイクで作っちゃダメかな」とスタッフルームで話していたほどです。

私たち扮装部スタッフにとっても愛着のある艶二郎、ぜひ、視聴者の皆さんにも楽しんでいただけたらうれしいです。

 

☟【『江戸生艶気樺焼』全ページ紹介】を見る

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