30分で容体急変か 茨城・老健施設入所者殺害事件、検察が経緯説明

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原田悠自 後藤隆之
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 「私は殺害していません」。茨城県古河市介護老人保健施設で点滴に空気を注入して入所者2人を殺害した罪などに問われた元施設職員赤間恵美被告(39)は、10日に水戸地裁であった裁判員裁判で殺人罪を否認した。一方の検察側は、被告が殺害したとされる入所者のうち1人に対する事件当日の経緯を詳細に説明。約30分の間に容体が急変した内幕を明かした。

 この日、被告は上下黒のスーツ姿で入廷。髪は胸のあたりまで伸びていた。弁護士側の席に座る関係者から「緊張していますか? 深呼吸して」と促され、「はい」と小さくうなずき、法廷を見回すような様子もあった。

 起訴内容は、看護師などとして勤務していた被告が、同市の「けやきの舎(いえ)」で2020年5月30日、鈴木喜作さん(当時84)の点滴チューブに空気を注入し、血液が循環しない状態にして殺害。同年7月6日には同じ手口で吉田節次さん(当時76)を殺害した、などというもの。

 検察側は冒頭陳述で、鈴木さんが死亡した20年5月30日の出来事を時系列で説明した。

 午前11時ごろ、持病の影響…

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この記事を書いた人
原田悠自
水戸総局|キャップ
専門・関心分野
調査報道、社会問題、事件・事故・裁判