歪みと歪みと6人のナース

4月初旬に流行病に感染してから6月も中旬に差し掛かる今日までずっと体調が芳しくない。
閉じ込め期間中に患った中耳炎もいまだなんだか不調だ。
右耳だけでなく左耳もなんだか芳しくない。
次から次へと不快だ。
不快な不調はまだまだ続くのである。
5月初旬はここ数年患っていた

「5月の2週間だけ右足首が痛くなる病」

で散々周囲からかけられていた

「痛風疑惑」

自分は絶対に痛風ではない!
足を引きずって歩いてる姿を見てケラケラ笑いながらバカにしやがって!
と散々否定してきた案件である。
例のごとく今年も5月に入りまた右足首が痛くなってきた為、色々ハッキリさせたいという数年の思いから意を決して病院に行く→レントゲンを撮る→骨に異常が無ければ内科に行く→痛風検査という流れに挑んだのだ。
散々否定してきたが内心「多分、痛風だろう」と覚悟は出来ていた。
その為、混雑してる外科でレントゲンを撮ってる事すら無駄な時間に感じていた。
何故なら痛風を患った人は最初あまりの痛みに外科に行くそうで、レントゲンを撮り異常ナシと診断されて内科に行く流れを私は知っていたからだ。
それならば痛風の私は(もうこの時点で完全に自分が痛風だと思い込んでいる)外科など行かないでいきなり内科に行けばいいと思っていた。
が、物事には順番があるらしく外科で異常ナシの診断を貰わないと次の内科に行けないそうな。
完全に痛風だと思っている為、腑に落ちないまま外科でレントゲンを撮り1時間以上待ち診察室に呼ばれる。
痛みで歩行困難な為、車椅子を借り診察室に入る。
レントゲンを見つめる医師の第一声が診察室に響き渡る。

「過去に右足首を骨折してるでしょ?」

確かに15年以上前に事故で右足首を骨折しているのは事実だ。
引き続き話を聞き進めていく

「足首の骨が歪んできちゃっているねぇ」

との事。。。
ん?痛風じゃないの?
骨が歪んでるって何?
などと疑問だらけで頭が混乱してきている私に向かって医師が畳み掛けるように続ける。

「この足首じゃあ外での激しい現場仕事なんて出来ない足だよ!
1日1万歩も歩いたらまた痛みが再発するレベルの歪み方だ!」

ん、んー、、、
そもそも激しい現場仕事をしていないし日頃から車orチャリで移動している生活スタイルの為(歩いて数分のコンビニですら車orチャリだ)
1万歩がどのくらいの規模なのか検討もつかない、、、、、、
更に医師が続ける

「この痛みは骨が歪んで炎症起こしている痛みで痛風とは無関係」

思わず車椅子から立ち上がってしまった。
拳を天に突き上げたのである。
そして何度も聞き返した。
それは何度も何度も。
狂喜乱舞である。
そう、私は痛風ではなかったのである。
痛風ではない安堵感からか後に続けた医師の言葉は一切耳に入ってこない。
「手術をして〜〜〜」や「日頃から〜〜〜」みたいな事は言っていたが聞く気すらなかった。
とにかく痛風じゃない事実がわかった事だけで満足だったのだ。
その後の医師の話は覚えていない。
結局の所、昔骨折した古傷が年々歪んできていて蓄積された痛みが毎年5月頃に爆発するらしい。
内科で診察する必要もなくなった。
やはり物事には順番があったのだ。
もうコイツとは一生付き合っていけば良い。
毎年5月はロキソニンと危険な程深い仲になれば良い。
そう覚悟を決めて勝利のイクラ丼を食べて帰宅した。

痛みが治まるまではライブも座って演らせてもらいながら処方されたロキソニンで2週間ちょっとで痛みも治まり普通に歩ける日々が戻ってきた。
あぁ、、普通に歩けるってなんて快適なんだ。。。
と、思ったのも束の間。
6月も中旬に差し掛かろうとする朝方、また右足首が痛いではないか。
これは一体どういう事なのであろうか。
年1回の恒例行事だったはずだ。。。。
毎月の行事になってくると話は変わってくる。
話が違うじゃないか!!
などなどと頭が混乱する。
まぁただ、この程度のハプニングで取り乱しても嘆いても仕方ないので再度病院に行って今度はちゃんと医師の話を聞こう。

実は最近思い出していたんだよね。
15年以上前に右足首骨折して入院してた時の事を。
そんな大袈裟な骨折じゃなかった(事故自体は結構大きな事故で当時色々な方に迷惑かけましたごめんなさい)し幸いにも他は元気だった為、暇でしょっちゅう病院内を車椅子か松葉杖でウロチョロしてたんだけども、入院してる部屋の廊下出てすぐ前の扉を開けると外の庭があってそこが喫煙所だった訳。
そこに行く時は面倒くさいから左足ケンケンで行ってたのね。ほんと数ケンケンで行ける距離だったから。
ある雨の日
(このワードだけで嫌な予感するでしょ?)
例のごとく喫煙所にケンケンで向かっていたら見事に滑ってまだ骨がくっ付いてない右足首を思いっきり地面にデン!!とついて着地してしまった訳。
最初はまだ事情を知らないナースさんが大勢で駆けつけてくれて手厚く介護してくれていたのだけど、正直に事情を話した瞬間に態度が急転。
そこから鬼の形相ナース6人に囲まれてこっぴどく叱られたのね。
(時間にして30分以上でナース6人は明確に覚えている)
6人全員が怒った口調で同時に総攻撃してくるからそれはそれは怖くて怯えていたし内容は一切わからなかったんだけど、一つだけハッキリ聞こえた言葉

「歪んで骨がくっ付いたらどうするの!!」




あれから15年以上経ってやっと理解出来ましたよナース、、、、
今まさに歪んでおります。
やっぱ歪んでくっ付いちゃったんですかね、、
その時のツケだと思って背負って生きていきますねナース、、、、

歪(ひず)んだり歪(ゆが)んだり飽きない人生送れてます。
ありがとう。
おはようございます。

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歪みと歪みと6人のナース|寺田敏也の一言二言
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