小橋と極寒と横須賀
今日はちょいと思い出話でも。
先日、元メンバーの小橋主催のイベントが静岡の三島ゴリラハウスで行われBYE BYE NEGATIVESで出演した。
その元メンバーの小橋との出会いの話をしようと思う。
10数年前、当時やっていたバンドが上手くいかず崩壊し自暴自棄になっていた私は自堕落な毎日を送っていた。
(今も尚、自堕落な生活をしているじゃないか!とのツッコミは胸に閉まっていただきたい)
そんなある日、当時住んでいた横須賀にあるライブハウスかぼちゃ屋に遊びに行った。
ここはもう10代の頃から散々行った場所だ。
誰を観に行ったかは覚えていないのだが、いつも通り酒をぐりんぐりん呑みながら目当てのバンドを観に行ったのだ。
早い段階から相当な量を呑んでいた為、目当てのバンドが始まる頃には泥酔してしまいかぼちゃ屋前の通りで寝てしまったのである。
季節は真冬である。
寒さすら感じる事もなく熟睡してしまったのだ。
そう、凍死してしまう流れである。
その時はそんな事も考えず欲望のままに眠っていたのであろう。
どれくらいの時間が経ったかはわからないのだが
「大丈夫ですか?死んじゃいますよ!」
と、優しい声の男性に必死に起こされたのだ。
勿論、その時は寝た意識も無いので一体どういった事なのかわからずにいるとその男性は事の経緯を話し始めた。
私は横になりながら話を聞いた。
どうやらその男性も同じライブハウスに客として観に来ていたそうで何組かバンドが終わった時に私がふらふらと外に出て行く姿をたまたま見たそうだ。
その時点では面識も無い訳だし特に気にしていなかったそうだが、しばらく経って転換中にたまたま外に出たら道端で極寒の中今すぐにでも寝ようとしている私の姿を見つけたそうだ。
「あ!寝ちゃったよ!」
と思ったそうだ。
しかし目当てのバンドが始まる為、中に戻りライブ終了後に再び外に出ると先程と全く同じ体勢で動かない私を見て慌てて声をかけたそうだ。
無事生存確認が出来て安心する男性。
目当てのバンドが見れずしょぼくれる私。
体を起こし感謝の言葉を伝えつつなんとなくそのまま世間話などを交えていくとなんだか気が合うタイプだなと。
色々話していくうちに共通のバンド仲間が結構居たり好きな音楽も近かったりですっかり意気投合した我々は当時住んでいた横須賀のアパートに彼を連れて行き酒を呑み語り合ったのである。
すっかり打ち解けた2人はとことん音楽の話で盛り上がった。
好きな音楽の話や自分がやってきたバンドの話などを話していく中で彼がドラマーである事を知り彼が新しいバンドを始めたいという意志を知る。
私も新しいバンドを始めたくウズウズしていた気持ちを彼に伝える。
部屋内のボルテージはどんどん上がってきているのがわかる。
自分でも前のめりになって話す声もどんどん大きくなっている事がわかる。
こんな面白い出会い方をして今この場でこんな話が出来てるなんてもうこれは運命だ。
「バンドやろう!!」
この時点で部屋内のボルテージは極限まで上がりきっていた。
20代半ばの男2人が深夜に歓喜の声を上げて喜び合ったのだ。
飲みかけの缶チューハイがひっくり返った事なんて気にもせず、ただただ喜んだのである。
これは運命なのだと。
その後もひたすら語り合いそして朝を迎えた。
最寄りの駅まで送って行く道中で連絡先を交換する際に
「そーいやさ、名前なんていうの?」
「俺、小橋!よろしくね!」
そう、凍死寸前の私を発見し声をかけてくれた男性こそが小橋なのだ。
これが小橋との出会いでありBYE BYE NEGATIVESの始まりである。
その運命的な出会いから一緒に活動する事になるのだが2013年頃、彼はバンドを去る事となる。
やはり人と人との関係性は難しい。
最後の方はスタジオやライブの時もろくに話もしなかった程険悪だった。
正直顔も見たくない程であった。
あんな運命的な出会い方をしてもだ。
とはいえ一緒に活動してきた時のおもしろ話などはまだまだ沢山あるので
(小橋のみ和歌山に辿り着かない事件)
(打ち上げ中に急性アルコール中毒で運ばれたメンバーの救急車に小橋同乗事件)
(小橋にチョークスリーパー決められた事件)
などなど。
それはまた別の機会にでも。
あ、ハンバーガー事件は小橋がまだ在籍してた時の出来事です。
(*ハンバーガー事件については前回のnoteを参照してね)
そんな小橋は今、静岡で百姓一揆というバンドでベースを弾いている。
とても良いバンドなので稲毛にも呼びたいと思っている。
小橋がBYE BYE NEGATIVESを去ってから数年は会う事も連絡取る事も無かったのだが、何がきっかけか忘れたのだがここ数年はちょこちょこ会う。
ここ3年くらいは年1回は静岡呼んでくれて対バンしてるし我々が沼津行く時は遊び来てくれた事もあるしとても良好な関係である。
時間が解決してくれた良い例な姿かもしれない。
ただまぁ年1で会うくらいだとさ、どうしても打ち上げで昔の思い出話で盛り上がっちゃうからさ、もう少しだけ会う頻度を上げようかなと思っているよ。
小橋と酒を呑んでいると終始笑ってる事にこの前気づいたんだよね。
前はそんな事なかったからさ。
色々と時間が解決してくれた今だからこそ、アノ時出会えて本当に良かったなと。
かと言ってあんま会いすぎてまた仲悪くなっても嫌だから適度な距離感を保ちつつ。
なんだか今は出会った時の2人に戻れた気がしているよ。ありがとう。
ただ、1つだけ言わせて欲しい、、、、
なんで極寒の中で最初に寝ようとした時点で助けに来ねーんだよ!!!!
最初1回寝るの見てスルーしてんじゃねーよ!!!!
観たかったバンド観終わってから様子見にきて凍死してたらどーすんだよ!!!!
下手したら手遅れだったぞ!!!!
でも、ありがとう小橋。
そんなBYE BYE NEGATIVESですが、年内残りのライブがあまり本数がありません、
特に断ったりしてる訳ではないのですが。
なんかタイミング的な問題なのかなんなのかはわかりませんが。
個人的には別バンドやソロでそれなりにスケジュールはあるのですが。
需要無いのかな、、などと少し落ち込みもしましたが、溜まっている新曲が結構な数あるのでそいつらに息を吹き込む良い機会と捉えていこうかと思っています。
あとね
人は誰しも様々な事情を抱えて生きている。
1億人いたら1億通りの人生があって当然だ。
そんな事当たり前の事だ。
抱えている内容なんてそれはもう人それぞれ違う訳で仮に一緒でも結局は違うのだ。
1人1つのストーリーが必ずあるからだ。
良くも悪くも抱えながら日々を生きている訳だ。
まさに人生は映画である。
私の映画はハッピーエンドで終わるかはたまた最悪なバッドエンドな結末か。
あるいは制作途中で打ち切りか。
現時点では誰にもわからない事である。


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