高市早苗首相の台湾有事と「存立危機事態」を巡る国会答弁の撤回を求める「官邸前緊急行動」が25日夜、首相官邸前で行われ、約500人(主催者発表)が「高市発言、今すぐ撤回」「台湾有事扇動するな」と声を上げた。駆け付けた国会議員は「勇ましいことを言うのが愛国ではない」(社民党のラサール石井参院議員)などと訴えた一方、今回「存立危機事態」となり得る前提の一つとされた中国による台湾の武力攻撃に反対する声は目立たなかった。
「大政翼賛会始まった」
「憲法9条を壊すな!実行委員会」が呼びかけた。
ラサール氏は首相の答弁について「愛国は冷静に話して戦争が起こらないようにし、日本も相手の国も血が一滴も流れないよう頑張るのが愛国だ」と強調した。
首相答弁を巡る報道のあり方にも苦言を呈し「『政府にあまりひどいことを言うな』『批判するな』『お前たちは日本人なのか』という奴がいる」と述べ、「『大政翼賛会』が始まっている。戦前が来ている」との見方を示した。
高市首相を巡っては、7日の衆院予算委員会で、中国軍が台湾を海上封鎖し、来援した米軍に対する武力行使があった場合、集団的自衛権を行使し自衛隊に防衛出動を命じることができる「存立危機事態」に「なり得る」と答弁している。