ホロウの中、V1達はプロキシのもとに何があったのかを1から全て聞きながら進む
『なるほどな。要はあのメモリディスクには確かにデータがあったが、同時にマルウェアが潜んでてハックされたと... 』
「どおりでさっき挙動不審になったり、ワザとエーテリアスの群れの中に歩くように案内したんだな」
「てっきりニコが依頼料をケチったことに怒ってた訳じゃないんだ」
『そうそ——ちょっと待って。もっと払えたの?ニコ?』
「アンビー!余計なこと言わないで!」
そう言いながらニコがイラつく... それを横目にV1は話を続ける
『プロキシの話から察するに、あのペンダントのメモリディスクにはそのハッカーがあらかじめ細工を施していた。そしてまんまと引っ掛かっちまった訳だ...』
『H.D.Dの脆弱性診断を行ったけど、その可能性が一番高い』
「てことは...赤牙組の連中も誰かに依頼されて金庫を奪ったってことになるわね...」
「それって、俺たちと一緒だな!」
「プロキシ先生の介入がなかったら、私達は正体不明の黒幕と対峙することになっていたはず」
『もしそうなってたなら、俺達はデュラハンにやられるより先にやられてるかもな... アンビーの言う通り、プロキシには助けられた気がするぜ』
ビリーが目を輝かせながらプロキシに向かって発言する
「さすが、店長は頼りになるぜ!まるでスターライトナイトの相棒犬、メテオマットみてぇだな!」
『えっと... ありがとう?』
それは遠回しに犬って呼ばれてないか...?と心の中でV1が呟きながらさらに先へ進む
「はぁ... あの時は多額の報酬に目がくらんだけど、
『...
「うっさいわねV1!——とにかく帰ったらこの火の粉を振り払って、仲介業者から2倍の依頼報酬を請求するっての!」
そう燃えてるニコにV1とプロキシは呆れながら歩く...そして横からアンビーがひょこっと現れる
「ニコ、ホロウの探索を急ぐ必要がある。もう私達の滞在時間がエーテル適応体質の限界まで迫ってる... そうなれば侵蝕が身体に影響を出して任務に支障を招かねない...最悪私たちは——」
「こ-怖い事言わないでよ!」
『だがアンビーの言う通りだ、正直侵蝕されて死ぬのは一番ゴメンだからな』
そう言いながらV1は無意識のうちにアンビーの頭を撫でる...「?」を頭に浮かべながらアンビーが問う
「?...なんで撫でたの?」
『?......さぁ、なんでだろうな?』ナデナデ
「そう...でも落ち着くね、機械なのに」
『一言余計だな... まあいい。————どうした、お前ら?』
一部始終を見ていた4人は何も聞かずに黙る、そしてニコが口を開く
「な-何でもないわ。とにかく急ぎましょう!ビリーとアンビーが言っていた上級エーテリアスも探し回ってるだろうし。早くナビを続けて、プロキシ!」
しばらくした後、V1達はやっと駅のホーム場所へ到着した... 金庫が見つかり上級エーテリアスのデュラハンやそれらしき怪しい影は見当たらなかった
『やっと着いたな...』
「見て、金庫がある」
「今日はツイてるぜ!」
「やったー!アタシの金庫〜!」
そうして何もなかったことに安堵するV1とアンビー、2人の後に続こうと一歩踏み出すと殺気を感じた
『ニコッ!!』
「え——?」
V1が先にニコの前に踏み出して、突然飛んできた黄色いプレート配色をした剣が飛んで来る
パキィンッ‼︎
V1が左手でパリィをして投げられた方向に返す...そしてその剣の持ち主がまるで
「V1!平気!?」
『平気だ...だが————』
————なんでテメエが生きてる...
その大きな影はゆっくりと起き上がって姿を現す...身長は3メートル程大きく、黄色のプレート配色をしていて、左手に同じカラーをした剣を持っている...右手はショットガンのアームで出来ている巨大な機械が立っていた
そしてそいつはV1とその他のメンバーに愉快な声で話しかける
言語検出完了!『やあやあ、久しいね!僕の
『誰がいつお前とライバルになった!?...ったく、
「V1、この機械は?」
ソードマシンはアンビーの問い掛けにぬるりと振り向いて、かがんでサイズを合わせながら話しかける
『あぁ!自己紹介がまだだったね!僕は「高性能剣術戦闘機械 I号」。通称「ソードマシン」!よろしくね!』
手を差し出してアンビーと握手しようとするがV1が遠ざけるように払いのける
『茶番はいい、なんでテメエが生きてる?俺は確かにお前を破壊したはずだ』
『V1...「破壊した」っていうのはどういう...』
『地獄で俺はコイツと殺し合ったんだ...互いの
それを聞いた一同が驚きで目を見開きソードマシンがひょこっと割り込む
『そーそー!コイツめっちゃ強いんだよー、手強すぎて壊されちゃった!』
『話を戻すぞ、なんでテメエが生きて、どうやってこの世界に来た?』
『それがね、僕も分かんないんだよ。真っ暗だった視界がなんでか急に生き返ってて気づけばこの世界に来てたんだ...それに僕らは機械と言っても
一瞬何かを言いかけたソードマシンにV1はピクリと動くが、ソードマシンが気を使ったのか言うのをやめてV1も肩を下ろした
「あー、V1?それでコイツは味方なのか?敵なのか?」
『分からんが多分味方だ、コイツから色々話も聞けるかもしれねえ』
『そうだねー!それに————』
————
「——ッッ!!」
「「「ヒィッ——!?」」」
ソードマシンの青色のレンズが光ってニコ達の方へ剣を向けながらギラリと見つめる... アンビーは構えているがビリー、ニコ、そしてプロキシが怖がりながら抱き合う
そしてV1が近づいて銃を奴の頭に向ける...
『そいつらに指一本でも触れてみろ... テメエの頭が木っ端微塵になるぜ?』
黄色のレンズが光ってヤツに怒りを向ける... ソードマシンは笑いながら答える
『わぁ...冷酷で残酷でもあったキミがこの世界の見知らぬヒューマン達を燃料として見ていないなんて... 同じ機械として信じられないなぁ』
そう言って剣を下ろして陽気な声でまた話す
『それに、さっきのはほんのジョークさ!後ろの2人と一匹の反応最ッ高!HAHAHAHA!』
「え-えぇ...」
V1とみんなが予想外の反応に驚いて武器を下す、ニコ、ビリー、プロキシは安堵した表情で落ち着いた後に金庫を見る
「さぁて!金庫を回収するわよ〜!」
『それにしても、ソレはなんだい?かなり貴重な金庫ってことはわかるけど...』
「これは——」
そうアンビーが一歩を踏み出した瞬間、背後からデュラハンの剣が放たれ、アンビーはかろうじて受け止めているがデュラハンの馬鹿力で押される
「くっ...!」
「GRAAAAAAHHHHHH——!!」
『テメエはこれでも喰らってろッ!!』ドゴォ!!
横からV1がKnuckleblasterで吹き飛ばして、吹き飛ばした先にソードマシンが剣で3連撃を当て、右手のショットガンアームを命中させる
『アンビー、平気か!?』
「うん、問題ない」
「ったく、今日はツイてるぜ...色々とな」
「あれがデュラハン...それはアタシの金庫よ!!」
ソードマシンが先程当てた剣を腕で研ぐ...どうやら先程の剣はあまりの硬さに刃こぼれしたようだ...そうしてまた剣を向ける...
『硬ったぁ...僕の剣が刃こぼれしちゃうよ...キミさぁ〜会話の途中にソレはダメじゃないか〜、な〜に考えてるの?』
『コイツに理性と思考が残ってると思うか?』
『無いねー』
『じゃあ————』
『『叩き潰すッ!!』』
元々敵同士だったのにも関わらず2人はえげつないコンビネーションでエーテリアスを攻撃する...エーテリアスは反撃しようとするが邪兎屋の支援もある
「GRRRRRRR!?」
「俺らも忘れんなよなッ!!」
「アタシのモノ...絶対に渡さないんだからぁー!!」
「攻撃を開始する!」
「GRRRR...RAAAAAAGHHHH!!!」
デュラハンが凶暴化して更に攻撃的になり、激しい攻撃を繰り出し始める
盾を使って振り上げて、下し、下ろした地面からはエーテルの結晶が飛び出してV1に当たりそうになる
『しまっ————!』
だがソレよりも先に察知したソードマシンが駆け出して剣を使って攻撃を防ぎ、V1を庇う
ソードマシンが振り向いてニッコリ笑うような声で話しかける
『ハハッ、これで借り一つねー?V1』
V1はソードマシンのその言葉にイラつき、アトラクターでデュラハンに磁石の釘を関節部分打ち付けた後に磁気追跡型の弾丸を連続で撃ち込む
『動きは封じた。コレで貸し借りはナシだ、いいな?』
『もお〜、素直じゃないんだから〜』
「けど助かったぜV1!さぁて、こっからが本番... だっ!!」ズドドドドッ!!
「ターゲットを排除するッ!」ビリビリッ!ザシュゥッ
「逃げようったって無駄よ!」キュイイン、ダァンッ!!
「GRRRR...GRAAAAAAAAAAGHHHHH!!!」
デュラハンが雄叫びを上げて周りの空気をさらにエーテルで侵食して、また修復しようとする... だがソードマシンが素早く駆け出して奴の胴体に剣を突き刺して頭のコアに目掛けて斬り上げる... デュラハンは耐えきれずに倒れ込む
「GYAAAAAAAHHHH-!?」
『バカだねぇ、そう簡単に回復させるわけないじゃ〜ん』
剣でまたデュラハンを再度突き刺し、右手のショットガンアームで何度もコアを撃つ
ズドンッ!ズドンッ!ズドンッ!!
「A-ARRR...WRRRRRGH...」
『んー?聞こえなくなっちゃったね。どうしたー?
そうして剣でまた斬りつけようとした時にV1が腕を掴んで止めに入る
『おい、よく見ろ... コアはもう消えちまってる、そろそろ体が消え始める... もう死んだんだよ』
『え、そう〜?呆気ないなぁ...』
ソードマシンは剣を担ぎ直して、つまらなさそうな声を上げながら壁にもたれる
そうして、ニコが身震いをしながら笑い始める
「ははっ、はははははは!!...やっと——」
手を上げてハイタッチをすると思い、ビリーとアンビーが手を向けようとするが、ニコがスルーして金庫の方へ向かう
「みぃ〜つけた!!」
『ねえV1、あのヒューマンっていつもあんな感じなの...?』
『多分な...俺も来たばかりだからなぁ』
2人は呆れながらその様子を見る... そうして金庫に抱きつこうとしたニコよりも先にプロキシが金庫の上に乗る
『水を差すようで悪いんだけど。ニコ、落ち着いて聞いてね?実は私達があった悪玉ハッカーのせいで脱出用のデータが全部削除されちゃったの』
「え-えぇぇっ!?ここから出られない!?」
それを聞いたV1とソードマシンが近づく
『それってつまり、キミの用意したデータが無いとここから出られないってこと?』
『そういや、お前にはまだ言ってなかったなソードマシン。ホロウの中で長時間行動、探索をすると侵蝕が始まってあの化け物みたいになる』
『えぇっ!?マジ!?あんな化け物みたいになるなら、キミに殺される方が万倍マシだよぉ!』
ニコがシナシナになって涙を流しながらヘタレ込む
「そんなぁ...苦労して金庫を手に入れたのに、ここで終わりだなんて...」
「くっそぉ、モニカ様とデートした事もねえってのに。けど...悪くない人生だった」
「落ち着いてみんな、他に手がないか考えてみる」
そう皆が落ち込む中、プロキシが口を開いてこう告げる
『落ち込まないで、とっておきの切り札があるんだ!ニコの同意が必要なんだけど——』
「——同意するっ!」
ニコは説明を聞く暇もなく目を輝かせながらピシッと立ち上がって手を挙げる。それを見たV1とソードマシンはその決断の早さに驚いた表情をして眺めていた
『決断早くない!?——まあそれはそれとして。悪玉ハッカーが言ってたの、金庫の中身にはあの「ロゼッタデータ」並の価値のあるものが入ってて。それがあればホロウを自由に出入りできるみたい』
『まさに今僕たちが必要としているものじゃ〜ん!』
『そう!もしその話が本当なら、それを使ってホロウから脱出出来るはずだよ!ニコがコレを開けることに同意してくれれば...』
「だーかーらー!同意するって言ってるでしょ!」
ニコの素早い決断プロキシは驚きを隠せずにまた問う
『やっぱり早くない?そんなあっさりで依頼人の方はどうするの?』
「ここで死んで金庫渡せなかったら元も子もないでしょ?生きるか死ぬかの瀬戸際なんだから開けちゃっていいわ!」
『そうと決まりゃ、暗証番号はもちろん分かってるよなプロキシ?』
『うん!』
そうしてプロキシが金庫の暗証番号を解いて中にある謎のデータチップを取り出す
『でも正直、このデータの中に何が保存されてるか分からないんだ。強制的に読み取った結果...何が起こるか』
「プロキシ先生、質問があるんだけど...あなたの本体はホロウの外にあるでしょう?そのまま立ち去って私たちを置いていけたのに、なんで危険を犯してまで私たちを助けに来たの?」
「アンビー!変なコト言わないで——」
『変な質問だね、アンビー!私はあんた達のプロキシだよ?連れて行くって約束したから、何がなんでも連れ出して見せる!』
『流石パエトーン、プロキシの鏡だな...そこまで言われちまったなら。信じなくてどうする?』
『後...あんまり考えたくないけど...私が失敗したらH.D.Dシステムがインターノットで救助依頼を出してくれることになってる...その時は——』
「安心して!ここを脱出できたら何がなんでも店まで助けに行くから!」
『ふふっ、そんなこと言っても依頼料はチャラにしないからね?』
『...なあソードマシン、お前はどうする?』
ソードマシンは剣を担ぎながら言う
『もちろん着いてくよ。まだ君とのリベンジも残ってるし、それにこの世界にはまだ知らない事が多すぎるからねぇ』
『決まりだな』
『うん!それじゃ、行くよ』
そうしてプロキシがボンプの頭部ユニットにチップを差し込む、そして読み込むとボンプが震え始める
「ね-ねえ、コレって本当に大丈夫なの?」
「なあ店ちょ-おぉっ!?」
『ンナナーー!!』
ボンプが突然跳ね上がって体が輝き始める
『レンズがァ!レンズがァァァッ!!』
『お前もう黙ってろ!』
「「「店長ォ/プロキシ/プロキシ先生!!」」」
そうしてボンプの輝きが消えて地面に降りると、ボンプがまた動き出してどこかへ向かう
「ちょっとプロキシ!?どこ行くのよ!」
『ニコ、先を急ごう。多分だが出口に案内してるはずだ』
その言葉にアンビーが割って入る
「V1の言うとおりかもしれない...急ごう、ニコ」
「あぁ、もうっ!分かったから先に行かないでよ!」
そうして5人はボンプへと着いていき、ホロウを脱出することに成功した...そして到着した途端にボンプが痙攣し始める
『——ッ、おい、しっかりしろ!』
「プロキシ!?どうしたの!?」
「...店の方で何かあったのかも...急ごう!」
そうしてニコ達はボンプを抱えて先に行くが、V1は走って着いて行こうとするソードマシンをまず先に止める
『?...どうしたんだい?』
『こんな時に言うのもあれなんだが...お前の体と剣の存在感がデカすぎて目立つ...どうにか出来ないか?』
ソードマシンは考え込むが、すぐに何かを思いついたような仕草をする
『それならちょっと待ってて!...よっこら——』
突然ソードマシンの装甲パーツ、手足、そして剣がが分解されて、胴体のワイヤーパーツだけが残って、パーツが再び合体すると、そこには45センチ並みで、手足と胴体がボンプみたく短くなってしまったソードマシンの姿がいた
『実際に使うのは初めてだけど、なんとかなるもんだなぁ。——どうしたのV1?』
その姿にV1はただただ絶句していたが、すぐに我を取り戻して店の方へ走り出す
『何でもねえ、行くぞ!』
『わわっ!そんな急がないでー、待ってよー!』
そうしてV1達が到着してリンの状態を見るが、それ以前にみんなはソードマシンの姿に絶句していた... なおアンビーやRandom_Playのボンプ達は可愛がったり遊んでいたりした...