クリティホロウ・古い地下鉄分岐駅
「あの上級エーテリアスの声はもう聞こえない」
「ふ-ふぅ...危うく走りすぎて油圧ロッドが折れるかと思ったぜ!」
『同感だ...俺の内部モーターがオーバーヒートするとこだったぞ...』
「プロキシ先生、ここは休憩を取る事を提案する...いい?」
アンビーがボンプ(リン)の方を見ながらそう言って、休憩を取る事を提案した
『見張りはやっておくから、先に休んでて!』
「ありがとう、プロキシ先生」
そう感謝を述べて座るアンビーに続いてビリーとV1も座り始めた
「...にしてもあの赤牙組のおっさんがエーテリアスになっちまうなんて、店長が連れ出してくれて助かったぜ」
『ねえビリー、アンビー...その青色の機械人は誰なの?』
リンは不思議そうにV1を眺めて問う、そしてアンビーが答える
「この人はV1、今訳あって私達と同行している」
「V1、コイツは伝説のプロキシ!“パエトーン” だ!」
V1は首を傾げてアンビーの聞く
『プロキシってなんだ?』
「プロキシって言うのはいわゆるこのホロウの案内人の事、一般的には裏稼業的なものだけどホロウの探索気は欠かせない職業よ」
「そして!そのプロキシの中でも超超超一流なのが!“パエトーン”って訳だ!」
そしてリンは照れくさそうに話す
『いやー、ここまで褒めてくれるなんて嬉しいな〜、もっと褒めたら値引きしてあげちゃおっかな!』
「本当?」
アンビーが目を少し輝かせたがビリーが方をポンと叩いて止めた
「アンビー...今のは社交辞令だと思うぞ?」
するとアンビーが思い出したかのようにある事を話す
「お金の話だったら...ニコの事だから自力で何とかすると思った、それがまさか高額で有名な“パエトーン”を探してくるなんてプロキシ先生が来なかったら脱出できなかったはず...ありがとう」
そう感謝の言葉を述べながらぺこりと礼をする...
「ところで最初に協力した時から聞きたかったんだけど、店長の店の設備ってボンプと
V1はビリーのある言葉にピクリと止まる
『
アンビーが言うにはプロキシのお店にある設備は特殊で、本来できないはずのボンプとの感覚同期化とリアルタイムで通信ができる...これはこの世界の表組織である治安局やホロウ調査協会...いわゆるホロウ専門組織よりもすごい事らしい
『...なるほど、えーと...なぁあんた、プロキシとパエトーン、どっちで呼べばいい?』
『どれでもいいけど...出来ればパエトーンよりプロキシの方がいいかも』
『そうか...じゃあプロキシ、質問してもいいか?』
V1はそうリンに聞いてリンも頷いた、そしてV1は続ける
『プロキシにはさっきビリーが言っていた感覚同期化などの機能が付いていてホロウ内部の活動がこの世界のどの組織よりも優れていると聞いた...じゃあ何でアンタはその協会や組織に加入しないんだ?』
V1のその言葉にビリーも肯定するように頷いて話す
「V1の言う通りだぜ店長、加入すれば今よりも贅沢な生活が出来るし、俺らみたいなホロウレイダーと働くとメリットよりリスクの方が高いだろ?」
2人の言葉にリンは黙り込んでしまい、V1が話しかけようとしたがその直後にエーテリアスの声が聞こえた
流石のビリーも横になろうとしていた時に『はやくね?』と驚いて、アンビーも警戒態勢を取っていた
「すぐに移動しないと...でも、ビリーが望むならここで永遠に眠るのもいいかもね。来年発売のスターライトナイトの変身ベルトを墓前に供えてあげるから」
そんな真顔のアンビーの笑えない冗談にビリーは『ヒエッ...』っと怯え、V1はそれを見かねて軽く頭をコンっと叩いた
『真顔の冗談はシャレにならないからやめとけ』
「ほ-本当だぜ!真顔で言われると一瞬本気か冗談か分からなくなるだろ!」
そんな漫才的な茶番を見たリンはクスッっと笑ってしまう
『ふふっ、一緒に働くたびに2人の漫才が見れて楽しいよ...あ、今は3人か』
「だから、ずっとニコのツケ払いを許してくれたの?」
「えっと...いまいち素直に喜べねえな...」
そうこうしているうちにエーテリアスが集まってきて、一体がリンが同期化しているボンプに向かって襲いかかるが...
ダンッ!!
そいつが襲いかかる直前に奴の頭を撃ち抜いた...そしてボンプを持ち上げる
『ひゃあ-!?』
『プロキシ、こっからは急ぎみたいだぞ...案内を頼む』
その光景を見たビリーとアンビーは少し驚いたように固まってキョトン顔をした
『?どうした、お前ら?』
V1は少し間を置いてリンとボンプの感覚同期のことを思い出したのかのか、焦り気味にボンプを下して体の隅々を確認する
『す-すまねえ!痛かったりしなかったか!?』
『え...あ-あー、大丈夫だから...ね?(は-初めてあんな大胆に持ち上げられた...)』
2人を横目にビリーとアンビーはヒソヒソと話す
「な-なあ...店長のあんな声、俺初めて聞いたぞ...!?」
「同感、私もプロキシ先生のあんな声は初めて...すごくいい声だったし録音して売ったら—」
「バカッ、そんな事したらもう1人の店長が黙ってねえぞ!」
「シッ!ビリー、声が大きい...」
「す-すまねえ...」
そんな茶番をするがエーテリアスがまたぞろぞろ集まって来る
「て-店長!V1!とりあえず早いトコ移動したほうが良さそうだ!」
『分かった、さっさと行こう...プロキシ、案内頼む』
『任せといて〜!』
そして4人は...というより、3人と一匹はその場から離れ、ホロウから抜け出すために駅の方へと向かっていった...
ビリーとアンビー、そしてV1は廃棄された列車の上を転々と飛び越えながら移動をする...
『しつけえヤツらだな...コレでも喰らってろ!』ダンッ!
V1はそう言いながらリボルバーでヤツの頭を撃ち抜く、そして近づいてショットガンや拳で殴り、その後高く上に跳んでグランドスラムで叩き潰す
チャリリンッ!ダンッ!
一方ビリーは先程V1から借りたmarksmanを使い、コインを数枚空中に投げてヤツらの注意を引き、コインを撃ち抜いてその反射した弾丸全てががエーテリアスのコアを撃ち抜いた
「くうううう!やっぱカッケエな!V1の
そうビリーは浮かれて背後から攻撃されるが、アンビーは瞬時に電撃のナタで切り裂き、V1の拳とショットガンによる追撃で消滅する
「油断しないで」
「わ-悪い...助かった...」
『どうって事ないさ、ミスは誰にでもある』
そうして列車の隙間からテクテクとボンプが歩いて来る
『終わったみたいだね』
「よお店長!次はどの方向に行けばいいんだ?」
『そこは全速力で直進!』
「了解!...って待てよ、全速力で直進だと!?」
それもそうだ...リンが指差した方向は明らかに壁がそびえ立っていて、とても直進出来るはずがなかった
「破れってか?この壁をブチ破れって事か!?今の火力じゃ流石にキツいと思うが...」
『コイツの言う通りだプロキシ、いくら俺がバカみたいに強いからってこの分厚さの鉄の壁を壊せる火力と馬力がない』
その時、突然ボンプからもう一つの男の声が聞こえた
『心配しないで、リンの言う通りにすれば大丈夫だから』
『!?...誰だ!?』
「お-落ち着けV1!この声はもう1人のパエトーンだ!...あー、兄妹なんだよ!」
『...取り乱した、悪い』
『僕は別に気にしていないから、謝らなくてもいいよ』
『びっくりしたぁ...お兄ちゃんったら、急に私のチャンネルで話さないでよ!』
リンは少し怒り気味に言うが彼女の兄、アキラはそれをなだめるように言った
『悪かったよ。でも、今の君はボンプに意識を宿してるからこんな形でしか連絡できないだろう?』
そしてアキラはそのまま続けて3人に指示する
『ビリー、アンビー、そして...V1だっけ?聞こえてるかい?』
「聞こえてるぜ、店長!」
「聞こえるわ」
『ああ、聞こえる。そして初めましてってトコか』
アキラはそのまま続ける
『話を戻そう。とりあえずリンの言った進路は間違っていない』
「けどよ店長。目の前にあるのは壁だぜ?」
『一応まだホロウの事をよく知らないV1に説明しておくと。ホロウの中は秩序のない混沌、つまり——』
「——生への道が死に見えたり、死への道が
『..............ッ!』
「アンビー、貴重な情報をシェアしてくれてありがとな...」
アンビーが割り込んでそう発言する...そしてアンビーの放った地獄という言葉は一般的にはスラング的な意味合いで使われるのだろうが...V1にとって地獄という言葉は...実際に行った場所であり、そしてこの世界とはかけ離れた常識が存在する場所である
『地獄...か』
「?...どうしたの、V1?」
『...いや、忘れてくれ。ただの独り言だ』
アンビーはその独り言に関心を持ったがあまり深追いはせず、そのままにしておいた
『とにかく、ここから先はちゃんとした正規ルートだし。出てからの脱出経路も準備してある。僕たちを信じてくれ...リンも感覚同期を解除してもいいよ』
『それじゃ切るね、またね〜』
「あ"ー!ちょっとま——」
ビリーの待ってくれの言葉に目もくれず通信と感覚同期が切れ、ボンプから2人の声ではなく、ボンプ特有のボンプ語と可愛らしい声しかでなかった
「ンナ!ンナナっ!」
「静かになった...」
「なんで肝心な時に“憑依”を解くんだよ!?」
『言語解析完了。...ンナ、ンナンナナ?』
「「!?!?」」
「ン-ンナァ!?」
『ンナ?ンナンナ?』
「えっと。V1?」
『ンナ?』
「ボンプは人の言葉がわかるから別にボンプ語を話さなくてもいいぞ?なんならほぼ共通言語みたいなものだから俺たちでも分かる」
『言語を戻します。そうだったのか』
そのまま何事もなかったように言語を戻して、V1は2人と一匹を背中に背負った
「ンナァ!?!?」
「うおっとっと!ぶ-V1!?」
「!?」
V1は突然左腕を赤色の腕、Knuckleblasterに切り替えて助走をつけてブチ破る準備をする
『やむを得ん。この壁をぶち壊し抜けるぞ!しっかり掴まってろよお前ら!』
そしてV1はそのまま走って拳を振るって突進した
「うわあああ!!ぶつかるぶつかるぶつかるぅぅ!」
『うおっ!?』
突然、奇妙な解放感と共に3人とボンプは壁をすり抜けて。V1は走りを何とか足でブレーキをかけて2人とボンプを下す
「エーテルの圧迫感が消えた」
「し-死ぬかと思ったけど。やっと...出て来れたんだな、俺たち!よっしゃ!」
ビリーが喜んだその後、横からバンがクラクションを鳴らした後に中からピンク色の髪をした女性が降りてきた
「時間も予想も、全部パエトーンの予想通りね。2人共ーって...誰?」
「ニコの親分!コイツは...」
『俺はV1。そして、アンタがニコだな...ビリーとアンビーから聞いた...』
「そ-そう...じゃあとりあえず。車に乗って!」
そうしてニコを含めて4人は車に乗ってパエトーンの居場所、『Random_Play』へと行くのだった
おまけ
ニコは車をフルスピードで運転していて、赤信号はもちろん無視していた
「ひゃっほー!さっすが親分。スピード最高だぜ!」
「当たり前よ!私を誰だと思ってるの?」
一方で、後部座席でV1は不満を立てていた...スピードが早すぎるから?...違う
『遅えな...』
「?...V1?」
アンビーが戸惑いながら彼を見つめるが、先にV1は運転真っ只中の車のドアを開けて飛び降りた
『悪いアンビー、ドア閉めてくれ』
「...わかった」
「ちょ-ちょっと!?V1!?」
「おいおい!危ねぇぞ!あとアンビーも了解じゃねえ!止めろぉ!」
アンビー以外の皆が止めようとするがV1は既に飛び降りて、ウィングを展開した直後に運転中の車に余裕で追いつけるスピードで走っていた
「ウッソだろアイツ!?」
「早いわね...私もあれくらい早くなれるようにトレーニングしなきゃ」
「冷静に考えてないで誰か止めてー!」
V1は腕を緑色のWhiplashに切り替えて街中をグラップリングで飛び交い、ニコの車をついていった
『...やっぱスピードはコレくらいないとな』
そしてV1は後にニュース速報で『リアルスパイ◯ーマン』と一時期騒がれるのであった...
後、書き方少し変えたんだけどこっちの方が見やすいかな?