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アメリカの格安ショップは売り場の表示価格がウソばかりで数百円の差が出ることが当たり前


日本の小売店では税別と税込の差こそあれど、売り場の表示価格とレジを通した後の価格はピッタリ同じになります。しかし、アメリカの「1ドルショップ」と呼ばれる格安小売店では売り場の表示価格とレジを通した後の価格が異なることが状態化しているとのこと。そんな1ドルショップのとんでもない状況について、大手日刊紙のThe Guardianが報じています。

How the dollar-store industry overcharges cash-strapped customers while promising low prices | US news | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/2025/dec/03/customers-pay-more-rising-dollar-store-costs


ある冬の日、ノースカロライナ州のウィンザーという町にある1ドルショップ「ファミリー・ダラー」の店舗に、州政府の検査官であるライアン・コフィールド氏が立ち入りました。コフィールド氏は300点もの商品について棚の値札をチェックし、実際にレジで会計した際の値段とどれほど違うのかを調査しました。

その結果、店頭価格が5ドル(約780円)だった冷凍ピザはレジを通すと7.65ドル(約1190円)に、店頭価格が10.99ドル(約1700円)だったペーパータオルは15.5ドル(約2400円)に、店頭価格が12.25ドル(約1900円)だった子犬用のペットフードは14.75ドル(約2300円)に値上がりしていることが判明。その他にもシリアルや冷凍ミートローフ、スプライト、ペプシコーラ、鎮痛薬のイブプロフェンなど、さまざまな商品が棚の値札より実際の価格が高いことがわかりました。


結局、合計300品目のうち69品目がレジで棚の値札より高い価格となり、エラー率は23%に達しました。これは、州が許容しているエラー率より10倍以上高い価格となっており、中には数カ月も値札が更新されていないものもあったそうです。

この店舗は以前にも基準値を超えるエラー率を繰り返し記録しており、コフィールド氏が所属するノースカロライナ州農業消費者サービス局は、過去2回の検査結果に基づいてファミリー・ダラーに罰金を科していました。しかし、ノースカロライナ州では検査1回あたりの罰金の上限が5000ドル(約78万円)と定められており、小売業者にとってエラー率を改善するインセンティブはほとんどありません。同局の計量・計測プログラムを運営するチャド・パーカー氏は、「罰金を支払った方が得策な場合もあります」と語っています。


ファミリー・ダラーやその競合他社であるダラー・ゼネラルを含む1ドルショップ業界は、生活必需品を低価格で販売するとうたっています。しかし、The Guardianの調査では、ノースカロライナ州だけでなく全米各地の1ドルショップで、棚に表示されている価格と実際の価格が違うことが常態化していることがわかりました。

たとえばダラー・ゼネラルの店舗は2022年1月以降、23州で4300件以上の価格精度検査で不合格となっています。また、ファミリー・ダラーも同時期に20州で2100件以上の価格検査で不合格となりました。中でもエラー率が高かった事例としては、2022年10月にオハイオ州ハミルトンのダラー・ゼネラルで76%のエラー率を記録した件が挙げられます。また、2023年2月にはニュージャージー州バウンドブルックのファミリー・ダラーで68%のエラー率が、2025年9月にはオハイオ州ロレインのファミリー・ダラーで58%のエラー率が記録されました。

州政府または地方自治体の検査で不合格となった店舗の多くは、繰り返し違反する傾向がみられました。たとえばユタ州プロボのファミリー・ダラーでは2024年5月に48%、2025年10月に12%のエラー率を記録しており、28回連続で価格検査に不合格となっています。

州政府もこの問題を認識しており、2025年5月にはアリゾナ州司法長官がファミリー・ダラーに対する消費者詐欺捜査を解決するため、総額60万ドル(約9300万円)で和解したことを発表しました。また、10月にはコロラド州の検査でダラー・ゼネラルの店舗が繰り返し不合格になったことを巡り、コロラド州司法長官が同社と40万ドル(約6200万円)で和解しています。それでも、1ドルショップにおける棚の値札と実際の価格が異なる問題は、依然として改善されていません。


アメリカ全土で生活費が高騰する中、1ドルショップ業界は多くの消費者から頼りにされています。全米に2万店舗以上を展開するダラー・ゼネラルは、2025年第2四半期の売上高が前年同期比で5%増加したと報告しています。ダラー・ゼネラルやファミリー・ダラーは、低所得者層の多い都市部やウィンザーのような地方で存在感を示しています。

たとえば、ノースカロライナ州の海岸平野に位置するウィンザーは人口約3400人の小さな町で、メインストリートは空き店舗だらけだとのこと。町外れにはスーパーマーケットが1店舗ありますが、服を買うには隣町まで行かなければならない人も多いそうです。そんなウィンザーでもダラー・ゼネラルは1店舗、ファミリー・ダラーは2店舗が営業しており、地域住民はここで買い物をせざるを得ない状況となっています。

1ドルショップの価格エラーによる負担を強いられているのは、最も経済的余裕がない消費者たちです。オハイオ州在住のリンダ・デイビスさん(64歳)は、2025年2月にファミリー・ダラーから帰宅する途中、購入した23品目のうち12品目の価格が棚の値札と異なっていることに気付き、州司法長官事務所に通報しました。

デイビスさんはThe Guardianに対し、「買い物をしながら頭の中で計算していたんですでも、計算がかなり間違っていて、それがなぜかわかりませんでした。『どこで計算を間違えたんだろう? 現金はそんなに持っていないのに』って思ったんです」と語っています。デイビスさんは社会保障で暮らしているため、余分なバス代を出して遠く離れた別の店に行く余裕はないとのこと。


The Guardianはファミリー・ダラーとダラー・ゼネラルにインタビューを要請しましたが、両社ともこれを断り、詳細な質問リストへの回答も拒否しました。その代わり、ファミリー・ダラーは「当社ではお客様の信頼を真剣に受け止め、全店舗において価格の正確性を確保することに尽力しています。現在、ご指摘いただいた点について検討し、潜在的な価格の差異についてより深く理解できるよう努めています」との声明文を送付。

ダラー・ゼネラルもThe Guardianへの声明で、「私たちはお客様が当店で購入された商品について、正確な価格を提供することを約束しています。この約束を果たせなかった時は、常に残念に思っています」と述べました。なお、ダラー・ゼネラルの弁護士はオハイオ州の裁判で、「小売業者がすべての商品について、棚の価格とスキャンされた価格を100%一致させることは事実上不可能です。この点において完璧であることは、法的に見ても現実的ではなく、期待もされていません」と主張しています。

業界に詳しい人や店舗の従業員、そして裁判文書などによると、棚の価格と実際の価格の違いは1ドルショップの労働慣行に起因する面も多いとのこと。企業側が商品価格を変更した場合、レジでバーコードをスキャンした際に表示される価格も自動的に更新されますが、棚の値札は従業員が手作業で貼り替える必要があります。しかし、1ドルショップでは慢性的に人員不足なことが多いため、値札の貼り替えが価格変更に追いつかないことがあるそうです。

The Guardianが、15州のダラー・ゼネラルに勤務する従業員や元従業員にアンケートしたところ、20人以上が棚の値札と実際の価格差は同社の雇用方針の副産物だと認めました。同じ勤務シフトに入っている従業員が1人か2人だけという場合も多く、イリノイ州の店舗の元アシスタントマネージャーは、「8時間から13時間のシフトのうち、2時間から4時間でも他の人と一緒に働けるなら幸運です」と語りました。


ニュージャージー州消費者問題局のエリザベス・ハリス局長代理は、「商品1点あたりのわずかな金額の過剰請求でも、非常に厳しい予算を圧迫する可能性があります。私のように子どもを連れて店舗に入ったことがある人なら、レジでは子どもたちが大混乱で、商品の価格にあまり注意を払っていないはずです」と指摘。

また、大企業の悪影響から地域社会を保護するための活動を行う非営利団体・Local Self-Relianceのケネディ・スミス研究員は、業界は何年も前から認識していた問題を修正しないことに決めたのだろうと指摘。「もし問題を指摘されたら、『ああ、私たちのミスでした』と言うでしょう。それを指摘されるまでは、スキャナーのミスで数百万ドル(数億円)もの損失が出るのを黙認しているのです」と述べました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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