おうちで中華 - 手抓羊肉(手づかみ茹で羊肉)
四十も半ばを過ぎた今、巨大なサーロインステーキのようなものには、それほど心が動かされなくなってきた。けれど、不思議なことに、羊肉だけは歳を重ねるほど好きになっている。
大皿にどんと盛られた手抓羊肉(手づかみ茹で羊肉)から湯気がもくもくと立ち昇る光景を見ると、「ウヒョー、肉だ!」と、若かりし頃の食欲がよみがえってくる。
今年の夏、寧夏回族自治区を旅したときは、羊肉の旨さにどっぷり浸った。ふと、「そうだ、寧夏の羊肉を買えば、家でも同じものを作れるじゃないか」と思い立ち、早速実行。
簡単で、すこぶる美味しかったので、ここでご報告しておく。
手抓羊肉
shǒuzhuā yángròu
どうです、この山盛りの肉が放つ圧倒的な幸福感は。骨を持ち上げただけで肉が外れるほど柔らかく、肉も脂もとろけるほど甘い。
中国西北地区で広く食べられている料理なので、茹でる際の香辛料や羊肉に添えるタレ(蘸料)には地域ごとにいくつもの流儀がある。今回は最小限の構成にして、肉の旨味を真正面から味わうご馳走に仕立てた。
「おいしい!!」
「これが家で食べられるのは最高だね!」
家族からも賛辞が相次ぎ、1キロのラム肉はあっという間に姿を消した。
ところで、羊肉が牛肉より軽く感じるのは、どうやら気のせいではないらしい。いろいろ調べたところ、こうした理由があるという。
・脂の融点が低く、口溶けが軽い
・羊特有の香りが脂の重さを相殺してくれる
・赤身と水分が多く、繊維が細い
・放牧中心の飼育で脂の質が軽い
どうりで、いくらでも食べられてしまうわけだ。
通販で骨付き羊肉が手軽に買える時代だ。寒さの深まる季節、家でのんびりする週末にでも、大皿いっぱいの羊肉をゆっくり味わってみてほしい。きっと心も身体も、ぽかぽかと温まるはずだ。
用料(材料)
・骨付き羊肉…1kg
・塩…小さじ1と1/2
薬 味:干姜…2~3片(薄切り生姜で代用可)
花椒…10~15粒
蘸 料:塩…小さじ1
辣椒粉…小さじ1
孜然粉(クミンパウダー)…小さじ1/2
お 供(お好みで):
大蒜(にんにく)…適量(皮をむく)
赤玉葱…適量(ひと口大に切る)
做法(手順)
1)下準備をする
・羊肉をたっぷりの水に1~2時間浸けて、血と汚れを出す。
途中、2~3回水を換える。
(長く浸けすぎると旨味も抜けるので、2時間を上限に)
2)茹でる
・鍋にたっぷりの水と羊肉を入れ、強火にかける。
・沸騰したら中火にして、浮いてくるアクを丁寧にすくう。
・湯が澄んできたら弱火にし、干姜と花椒を加え、蓋をして60分煮込む。
・塩を加え、再び蓋をして20~30分煮込む(合計80~90分を目安に)。
3)仕上げる
・塩・辣椒粉・孜然粉を小皿に入れてよく混ぜ、蘸料をつくる。
・大蒜や赤玉ねぎを、それぞれ別皿に盛る。
・羊肉を大皿に盛り、蘸料とお供を添える。
温馨提示(アドバイス)
・薬味はお好みで
地域差が激しい世界で、互いに「あの組み合わせはダメ」と言い合ってるのをよく見かける(笑)。内蒙古では薬味ゼロも珍しくない。今回は、ミニマムな構成にしてみた(花椒を否定する人もいるけれど。笑)。
・蘸料もお好みで
これも地域差が激しい。個人的には、なにもつけずに食べても十分旨いと思っているので、最も簡単なものにした。
・お供もお好みで
生のにんにくと赤玉葱は、寧夏でよく見た食べ方。なくてもよいが、合間にかじると、いいアクセントになる(撮影時は赤玉葱を買い忘れた。笑)。
大功告成(できあがり)!
手でつかんで、骨の周りの肉を噛みちぎる。
手抓羊肉は、その食べ方自体もご馳走になる。ぜひ出来たて熱々を。
<2025年12月>
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