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検索キーワード分析の入門
第6回:「検索サービス」がもたらすデータ特性を学ぶ

ナレッジ 検索データ
今回は、「検索サービス」がもたらすデータ特性について学んでいきましょう。
ここまで皆さんが学んできた内容は、おおむね一般的なデータ分析の知識としても通用するものが多く含まれていました。ですので、もともとデータ分析が得意な方であれば、すでにご存じ、あるいは実践の中で意識して取り組んでおられた方もいらっしゃると思われます。
しかし、今日学ぶ内容は、一般的なデータ分析の知識やノウハウだけではなかなか考慮しづらい、サービスの仕組みによるデータへの影響についてです。具体的には、検索サービスの「仕様」などがデータにどう影響を与えるかを、いっしょに考えていきましょう。

・ある日、突然検索数がなくなった!?
では、実際に具体的な例を交えて見ていきましょう。検索キーワードの分析をしていると、次のような推移グラフに出会うことがあります。DS.INSIGHT をご利用中の皆さんであれば、目にされたことがあるのではないでしょうか?

ある検索キーワードの週次推移
このような推移グラフに出会ったとき、皆さんはどのように考察しますか?
「ある日を境に、急に関心が持たれなくなったのだろうか?」と推測する人もいるかもしれません。しかし、それまで多くの人が関心を寄せていたモノやコトが、ある日を境に突然まったく注目されなくなる――というのは、少し不自然で、どこか不可解な現象に感じられます。
私がこのようなグラフを見たときに、まず疑うのは 「キーワード入力補助機能」の影響です。

キーワード入力補助機能

キーワード入力補助機能
この機能は、検索語入力欄にキーワードの一部を入力すると、検索キーワードの候補が自動的に表示されるものです。
たとえば、皆さんが検索窓に「あ」と入力した時点で、「アマゾン」や「アイフォン」といった候補が表示されるのを見たことがあると思います。これが、いわゆるキーワード入力補助機能です。

実はこの機能、検索キーワード分析を行ううえで 必ず意識しておくべき要素 なのです。というのも、多くの人がこのキーワード入力補助機能を利用しており、そのため検索キーワードのデータは、入力補助に表示される候補ワードほど集まりやすい傾向があります。
さらにもう一つ重要なのは、ここに表示される候補ワードが 常に固定されているわけではない という点です。候補ワードは、その時々のニーズや話題性に応じて優先的に表示されるようになっており、日々変化する可能性があります。つまり、ある日を境に候補から消えてしまった場合、そのキーワードの検索数が 一気に減少してしまう ことがあるのです。

ただし、実際には「その検索キーワードを調べたい」というニーズ自体が消えたわけではないことがほとんどです。言い換えれば、関心の対象が別の検索キーワードに移動したと考えるのが妥当です。
では、先ほどの推移グラフの検索キーワードを「A」として、次のグラフを見てみましょう。

ある検索キーワードの週次推移 AとB
ある日、「A」という検索キーワードの検索数が急減しています。しかし同時に、「B」の検索数が呼応するように急増し、前日までの「A」とほぼ同じ水準になっています。これは、ある日を境に キーワード入力補助の候補が「A」から「B」へと切り替わった ために起こった現象です。

このように、ある日突然検索数が大幅に減ったキーワードを見つけた場合でも、「検索されなくなった」わけではなく、検索サービス特有の仕様によって別のキーワードへ検索行為が移動した可能性を考えられるようになると、検索キーワード分析の質は一段と向上します。

・ある日突然検索数が減った時の対処方法
では、そのような場面に遭遇した場合、どのように「移動先」の検索キーワードを探せばよいのでしょうか。いくつかの方法を紹介します。

まず一つは、実際に候補キーワードを確認してみることです。
対象のキーワードの最初の文字を検索窓に入力し、候補ワードが以前と変わっていないかをチェックしてみましょう。よくある例としては、もともとカタカナ表記だった候補が英語やひらがな表記に変わっているケースです。また、「第二ワード」などが組み合わされた複合キーワードに変化していることもあります。
このように、表記や組み合わせの変化 が起きていないかを丁寧に確認してみましょう。

もう一つの方法は、「DS.INSIGHT」などのツールを利用されている方におすすめです。「時系列キーワード」機能でキーワードを入力し、「ランキング」タブを開いて「特徴度」をクリックし、降順に並べてみてください。

時系列キーワード「特徴度」
すると、上位には「入力したキーワードをよく検索する人が、ほかに検索しているキーワード」が一覧で表示されます。このリストには、もともとの言葉に近い「ゆらぎワード」が多く含まれており、その中に検索数が移動したと考えられるキーワードが見つかる場合があります。

これらの方法を組み合わせることで、検索関心の移動先を推定し、データの背景にあるユーザー行動をより深く読み解く ことができるでしょう。

・疑問を持つことが質向上の第一歩
今回紹介したようなデータの動きは、検索サービスの機能的な特徴を理解していなければ、なかなか正しい原因にたどり着けません。また、ここで紹介した以外にも、検索サービス特有の仕組みによって検索数の推移が影響を受けるケースは数多く存在します。もちろん、検索サービスを実際に運営していない限り、それらをすべて把握するのは現実的ではありません。しかし、分析の結果に違和感を覚えたときに「もしかしたら、自分の想定以外の要因があるのかもしれない」と一歩立ち止まって考えられるかどうか―そこがとても重要なポイントです。

この考え方は、何も検索キーワード分析に限った話ではありません。世の中のあらゆるデータや分析結果にも同じことが言えます。データには、集計ルールや収集方法、タイミングなど、設計者にしか分からない条件が多く潜んでいます。アンケートであれば「どのような聞き方をしたのか」といった設問設計一つでも、結果が大きく変わることがあります。つまり、分析者の目に見えない要素がデータの背後に存在することは珍しくありません。そのため、私はデータ分析を教える際に、必ず「どんなデータや結果であっても、一度は疑ってみましょう」と伝えています。
検索キーワード分析も同様で、自分の解釈が必ずしも正しいとは限りません。少しでも違和感を覚えたら、無理に理由づけをするのではなく、「もしかすると、自分の知らない何かが影響しているのかもしれない」と考えられる意識を持つことが、より良い分析につながります。

それでは次回は、これまでに学んできた知識を踏まえ、検索数推移グラフの具体的な読み解き方 をあらためて学んでいきましょう。
※本記事の内容は公開日時点の情報です。
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