北千住で10年 飽きさせない店と格安価格の秘訣はメニューの4割が日替わり
北千住で10年続く立ち飲み屋。午後4時には行列ができる
人気アーティストのLE SSERAFIM(ルセラフィム)が出演する求人サイト、インディードのCMに「東京って飲食店の数、19万軒以上あるんだって」というセリフがある。都内の店舗数には諸説あるものの、多くの店が存在する一方で、開業から10年続く店はわずか1割とされている。 【関連画像】入店時の案内を担う司令塔的存在のスタッフ・ももさん(左)。カウンター席の立ち位置の変更依頼など、テキパキとした仕事ぶり。キンミヤボトルの提供や注文のヒアリングを担当する新人スタッフ・みちかさんは、柔らかな雰囲気でお客様を和ませている(右) 参入しやすいが、継続は難しいと言われる飲食業界で、北千住の立ち飲み店「立ち呑 ざわさん(以下、ざわさん)」は今年で10周年を迎えた。「おいしくてリーズナブル」という基本方針を貫き、地元客から「超常連」と呼ばれる熱心なファンを生み出している。 土曜の午後4時前、北千住・ときわ通り(通称「飲み横」)には、開店を待つ人の列ができる。中でも目を引くのが、飲み横の入り口近くにある串カツ「天七 本店(北千住で昭和の雰囲気に浸る 創業半世紀の老舗立ち食い串カツ店)」と、出口付近のざわさんだ。同じ時間帯に2店それぞれに長い行列ができる光景は、このエリアを象徴するものとして印象的だ。 ざわさんは飲み横の通り沿いに位置し、2軒隣に千代田線・日比谷線・東武スカイツリーライン・JR常磐線快速に接続する北千住駅の出入り口1がある。乗車する列車のホームまでの移動時間を計算しておけば、自分の終電ギリギリまで飲めるのも人気の理由だ。 店内の広さは10坪ほど。ロングカウンターの立ち13席のほか、予約可能な4人掛けテーブルとミニカウンターがあり、最大19人まで入れる。広くはないが一体感のある雰囲気だ。
ドリンクは生ビール「ザ・プレミアム・モルツ 香るエール」(500円、以下すべて税込み)をはじめ、「アサヒスーパードライ」(中瓶500ml、550円)などに加え、日本酒は青森県の超辛純米の「男山」(600円)や広島県の辛口純米「亀齢(きれい)」(550円)など7〜8種がそろう。 中でも人気なのが「キンミヤ焼酎ボトル」(600ml、1500円)。6杯分取れるコスパの良さから、常連の多くがキープしている。出入り口近くのカウンター内にはビールケースを転用したボトルラックがあり、キャラクターキャップやキーホルダーの付いたボトルが並ぶ光景はこの店ならではだ。 お通し(日替わり250〜300円で数種類から選べる)のほか、即出しの「ホネせんべい」(100円)で1杯目を楽しむ。 定番メニューで人気が高い串焼きは「とりレバー」(150円)、「ネギマ」(250円)など13種類あり、新鮮で火入れも的確。塩・タレはお任せで間違いなし。