中国、過去にも関係悪化した国にレーダーやレーザー「照射」 日本や比などターゲット

中国海軍の空母「遼寧」(共同)
中国海軍の空母「遼寧」(共同)

【北京=三塚聖平】日中間では過去にも、中国人民解放軍の海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射が起きている。日本以外にも政治関係が悪化した国の軍用機などへのレーザー照射が確認されており、相手国への圧力の一環と位置付けているようだ。

2013年1月、中国海軍のフリゲート艦が海自の護衛艦「ゆうだち」に射撃管制用レーダーを照射。同月には海自のヘリコプターにレーダーを照射したと疑われる事案もあった。中国国防省は「日本側の見解は事実に合致しない」と否定したが、当時、日中関係は12年9月に日本政府が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化したことを受けて緊張状態にあった。

22年2月にはオーストラリア国防省が、豪州北部沖合の上空を飛行していた哨戒機が中国軍艦艇からレーザー照射を受けたと発表。航空機へのレーザー照射はパイロットの視界に影響を与える可能性がある。中豪関係は当時、新型コロナウイルスの発生源をめぐって豪政権が国際的検証を訴えたことで悪化していた。

23年2月にはフィリピン沿岸警備隊の巡視船が南シナ海で中国海警局船からレーザー照射を受け、乗組員の目が一時的に見えなくなったと比側が明らかにした。中比両国は南シナ海の領有権を巡って対立しており、24年9月にも監視飛行中のフィリピン漁業水産資源局の航空機が中国軍のミサイル艦からレーザーを照射されている。

世界に危険性伝える好機 佐橋亮氏

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