ポコチャのライバー事務所大手、退所後の活動を制限 公取委が注意
IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するライブ配信アプリ「ポコチャ」で、歌などを配信する「ライバー」が所属する大手事務所4社が、退所したライバーの活動を制限する契約を結んでいたとして、公正取引委員会は9日、独占禁止法違反(取引妨害など)につながる恐れがあると判断し、注意したと発表した。
ポコチャではライバーが雑談や歌、ゲーム実況などをライブ配信し、視聴者は「投げ銭」と呼ばれる有料アイテムを送って応援する。DeNAはダウンロード数が675万超で、国内利用者数が最多のライブ配信プラットフォームとうたう。
注意を受けた4社は「AEGIS GROUP」「321」「WASABI」(いずれも東京都渋谷区)、「Colors」(東京都港区)。各社のホームページによると、所属ライバーは数千人から1万人という。
公取委、異例の注意公表
公取委によると、4社は自社に所属するライバーとマネジメント契約を締結。ライバーが事務所を退所してから数カ月から1年程度、ライブ配信や他事務所との契約を制限したり、禁じたりしていたという。AEGISとWASABIは、ライバーの独立も禁じていた。
公取委は、こうした行為が、他の事務所が人気ライバーを獲得することを困難にしたり、ライバーの取引の機会を減らしたりし、事務所同士の自由な競争に影響を与える恐れがあると判断。営業秘密の漏洩(ろうえい)を防ぐといった合理的な目的もなく、独禁法が禁じる「取引妨害」や「拘束条件付き取引」につながる恐れがあると結論付けた。
公取委がライバーに話を聴いたところ、禁止規定が原因で「事務所を辞められなかった」「配信ができず、配信自体をやめざるを得なかった」などと話したという。
公取委が命令や警告でなく…