絵や本のつながりを示した「品の系図」。べらぼう第26回に登場する、ていとみの吉が苦心の末に仕上げた系図は、実は「べらぼう」の助監督たちが作った“渾身(こんしん)の小道具”です。細部まで書き込まれたあの「品の系図」は、どのように作られたのか、製作にあたった担当の助監督に、3か月間に渡る奮闘の日々と歌麿のセリフにまつわる裏話を聞きました。
📺「品の系図」が登場する第26回はこちらから見られます《7/13(日) 午後8:44 まで》※別タブで開きます
「ていの性格もふまえてとにかく大量の本や絵を系図に入れたい。多ければ多いほどいい」とチーフ演出から提案を受け、ていとみの吉が作り上げる「品の系図」の製作が始まりました。昔の資料を読みあさり、本の作者と絵師を調べてつなげた初案の完成に要した時間はおよそ1か月。
▲品の系図初案原稿
しかし、初案を考証の先生に見せたところ「これは系図というより、目録ですね」と一刀両断…。
いままでの苦労は…と、内心パニックになりながらも、納期は残り2か月…。すがるような思いで先生に代替案を伺うと、「作者と絵師で並べるとかじゃなくて、内容でつなげてみるってのはどうです? 例えば『金々先生』と『見徳(みるがとく)』は夢つながりとか」というアドバイスをいただきました。そう、まさに作中で歌麿がていに言ったあのセリフです。
▲初案は失敗作としてドラマに登場
ここからすぐに方針転換して、作品同士を内容でつないでいくことになりました。
作中のていや蔦重とは違い、わたしたちは江戸時代の黄表紙や洒落本の物語には詳しくなかったため、一作品ずつ、本の内容を調べては系図に書き込み、調べては書き込みを繰り返し…。
品の系図が出来上がるころには、考証の先生にも驚かれるほど、この時代の本について詳しくなっていました。
▲助監督が製作した「品の系図」の原稿
最後の大仕事は、半紙36枚を組み合わせた用紙に原稿を書き写していく作業です。書道指導の金敷駸房(かなしき・しんぼう)先生をはじめ、4人がかりで9時間かけて一文字ずつ手で書き入れ、無事完成!
▲喜びのあまりスタッフルームで記念撮影
▲すべて手書きです。アップでご覧ください。
その後、チーフ演出のもとへ「品の系図」完成の報告に行った際、製作に関する一連の過程を話したところ「それ、めっちゃいいじゃん!セリフに入れよう!」と、まさかの反応が! 初案を見せた際に考証の先生からかけられた言葉が、必死に系図をまとめる てい と みの吉 に対し歌麿がぽそっとつぶやくセリフとして採用されたのです。
▲「これは系図というより、目録ですね」と歌麿はつぶやき…
実体験がちゃっかり物語に反映され、歌麿のセリフに…。実際にこのシーンを撮影する日は、歌麿がセリフを言うたびに考証の先生の顔が脳裏にちらつき、そのたびに試行錯誤した思い出がよみがえってきました。
▲第26回に登場した、完成版の「品の系図」
「品の系図」を作る過程で、ていの苦労を身にしみて感じました(笑)。どこまでがドラマでどこまでが現実だったのか…もはやわからなくなった日々の奮闘も、この「品の系図」に込められていますので、ぜひ視聴者の方々にも画面越しにチェックしていただけたらうれしいです!
📺日々の奮闘の末に完成した「品の系図」が登場する第26回はこちらから見られます《7/13(日) 午後8:44 まで》※別タブで開きます