金子恭之国土交通相は11月25日、マンションの取引実態の調査結果を公表した。これは、三大都市圏などの新築マンションを対象に不動産登記情報などを活用し、国外からの取得と短期売買の2点から国交省として初めて調査・分析を行ったものだ。
なお、この調査は11月4日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会に関する関係閣僚会議」における高市早苗首相からの早急な実態把握・公表の指示を受けたことによる。
まず、国外からの取得についてだ。今回の調査では、2025年上半期で新築マンション取得のうち、国外からのケースは、東京23区で3・5%、都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)で7・5%。都心ほど多く、直近で増加傾向である。大阪府、京都府の一部の地域でも国外からの取得割合が高く、増加傾向にあった。
ただし、今回の調査の基となっている不動産登記情報に国籍が含まれていないので、国内に住所のある外国人による取得の実態は把握できていない。そのため、本調査の結果をもって、取得全体に占める外国人の割合が小さいか否かを判断できない。
なお、不動産登記については、前述の関係閣僚会議において、首相から法相に対して、不動産が移転登記される際の国籍把握の仕組みの検討が指示されている。
次に短期売買である。上半期に登記された新築マンションのうち、1年以内に売買された割合を調べたところ、23区で9・3%、都心6区で12・2%。こちらも都心ほど多く、直近で増加傾向だ。また、神奈川県、大阪府、兵庫県の一部の地域で短期売買の割合が高く、増加傾向にあった。
国交省は、実需に基づかない投機的取引は好ましくないと考えているようだ。引き続き取引実態の把握に努めるとともに、不動産協会など関係団体と連携して、投機的取引の抑制にしっかり取り組んでいきたいとしている。
こうした国交省の動きを受け、大規模マンションなどの供給事業者が会員となっている不動産協会は自主的な対策を講じる。一つは、契約から引き渡しまでの期間にマンションを第三者に転売することを禁止することである。二つ目は、一つの物件を複数戸購入するのを制限する。三つ目は申し込みから契約、登記まで名義を統一する。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)