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2025年12月05日

2026年はどんな年? 金利・為替市場のテーマと展望

経済研究部 主席エコノミスト 上野 剛志

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■要旨
 
  1. 2025年の市場を振り返ると、長期金利は財政拡張観測やインフレ懸念、そしてそれに伴う日銀利上げ観測の高まりによって大幅に上昇した。ドル円は日銀の利上げ観測やトランプ関税を背景に一旦急激に円高へ振れた後、関税の引き下げや高市政権による財政拡張観測を受けて円安へ動いた。「行って来い」の形となり、円安修正は殆ど進まなかった。今年の相場は、日米の政治情勢の変化とその金融政策への影響を巡る思惑に大きく左右された一年だったと言える。
     
  2. 来年2026年の市場を展望するうえで、最も注目されるのは秋以降の金利上昇・円安の主因となった「高市政権の財政政策スタンスの行方」だ。これに加えて、「日銀による利上げの行方」、「FRBによる利下げの行方」、「相互関税等の行方」、「米中間選挙の行方」も注目材料となる。高市政権の財政政策は従来の政権より拡張的なままだろう。とは言え、円安・金利上昇への警戒も必要なため、一定程度バランスに配慮して大幅な拡張スタンスは避けるとみられる。日銀の利上げについては、来年10月に1.0%への利上げが実施されると予想。高めの賃上げ実現が確認できるうえ、過度な円安やビハインド・ザ・カーブに陥るリスクを抑制するために利上げに踏み切る。利上げ後もさらなる利上げ余地を残し、「利上げの打ち止め感」は出さないだろう。FRBについては、来年前半に2回の利下げを実施すると見込んでいる。
     
  3. 以上の想定を基に来年の相場展開を考えると、まず、日本の長期金利は日銀による利上げ継続と国債買入れ減額によってやや上昇すると見ている。財政拡張観測が急激に高まるとは見込んでいないものの、観測自体は燻り続け、一時的に金利上昇に繋がる場面も想定される。来年末時点の水準は2.1%程度と予想している。
     
  4. ドル円については、日銀の利上げとFRBの複数回の利下げを受けた日米金利差の縮小を主因として、方向感としては円高になると予想している。また、FRBの独立性や政策運営への信認が揺らぐとの懸念が高まり、ドル安要因となりやすい。一方で、日本の財政拡張観測や積極的な対外投資による円安圧力が続くことが円の上値を抑えることで、円高のペースはごく緩やかに留まりそうだ。来年末時点の水準は1ドル149円程度となり、円安修正は大して進まないと見込んでいる。
     
  5. メインシナリオに対するリスクバランスとしては、長期金利については上振れリスク、ドル円については円安リスクの方が高めと見ている。「財政拡張的で金融引き締めに消極的」という高市政権のイメージが投資家の間で根強く残るとみられるためだ。
■目次

1.トピック: 2026年はどんな年?金利・為替市場のテーマと展望
  (2025年の振り返り・・・長期金利は大幅上昇・円安修正は進まず)
  (2026年はどんな年?)
  (メインシナリオとリスクバランス)
2.日銀金融政策(11月)
  (日銀)現状維持(開催なし)
  (今後の予想)
3.金融市場(11月)の振り返りと予測表
  (10年国債利回り)
  (ドル円レート)
  (ユーロドルレート)

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(2025年12月05日「Weekly エコノミスト・レター」)

経済研究部   主席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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