羽田近くの施設はガラガラ、成田の周辺は…… なぜ、空港近くの商業開発は失敗しがちなのか
テナントが「わずか3つ」まで激減したモールも
新千歳空港の隣駅で、2005年にオープンした「千歳アウトレットモール・レラ」はその一つだ。初年度に来客数が400万人を突破し、拡張工事を実施した2007年には500万人を突破。屋外型のモールであり、その珍しさや安いブランド品が注目され、主に道民が利用する場となっていた。 しかし2010年に「三井アウトレットパーク 札幌北広島」が開業すると、テナントの空きが目立つようになった。札幌周辺では2000年代からモールの開発が相次いでおり、競合が増えたことも関係している。レラは当初の話題性に乗っただけともいえ、積雪地帯において、屋外型モールであったこともマイナスに影響した。 2010年代から営業担当者を海外に派遣、ツアーを誘致するなどインバウンド強化を図ったが、道民の減少を補うことはできなかった。その後、2024年11月に大規模商業施設としての営業を終了した。公式Webサイトによると、現在入居するのはわずか3テナントに留まっている。 空港近くの施設は観光客との相性が良さそうに見えるが、観光客は空港付近で遊びたいわけではない。まずは札幌を含んだ中心地を目指すはずで、わざわざ1駅隣で降りるモチベーションは低い。そもそも新千歳空港内に数多くの店舗・飲食店テナントがあり、空港自体が競合なのである。
羽田近くにも「ガラガラ施設」が
2023年にオープンした「HANEDA INNOVATION CITY(羽田イノベーションシティ)」も、寂しいことになっている。羽田空港の旧ターミナル跡地に開業した施設で、商業施設やホテル、オフィス、研究開発施設などを含み、NTT東日本のオフィスや藤田医科大学の研究施設がある。 ただ、オフィスやホテルなどは失敗しているわけではない。京急 EXイン 羽田は週末で1人1泊2万円以上、ホテルメトロポリタン 羽田は3万~4万円台が相場だ。ホテルは空港利用客が見込まれ、オフィスは品川から最短20分という好条件が強みになる 一方、商業施設は閑散としている。モールのように人の流れがあるわけではなく、人が点在しているような状況だ。週末でも飲食店に人が入らないような状況で、報道によると商業テナントの稼働率は65%だという。施設全体が12棟に分かれており、見た目は商業施設よりも研究所に近い。雰囲気からして商業施設の様相ではない。 大田区によると、2024年度の来訪者数は7、9、2月のみ前年同月を上回ったものの、年度全体では前年割れとなった。集客力のある施設はライブハウス「Zepp Haneda」くらいで、イベントに左右されている状況だ。施設全体に都内の観光地ほどの魅力があるとは思えず、レラと同様の事例といえる。
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