羽田近くの施設はガラガラ、成田の周辺は…… なぜ、空港近くの商業開発は失敗しがちなのか
共生バンクが運営する不動産ファンド「みんなで大家さん」が厳しい局面にある。成田空港近くの場所を開発するプロジェクトの商品において、投資家への支払い遅延が生じていたが、計画地の4割を所有する成田国際空港社(NAA)は、借地契約の延長に応じない方針を決めた。 NAA側は、共生バンクに工事の遂行能力がないと判断したという。開発計画の根幹を揺るがす決定である一方で、仮に開発が完了したとしても、採算が取れずに失敗していたかもしれない。過去の事例を振り返ると、空港近くの商業施設が集客に失敗する事例がいくつか存在する。羽田空港近くの施設もガラガラだ。失敗した空港近辺の開発事例とその要因に迫る。
想定利回りは7%、個人投資家たちが飛びついた
みんなで大家さんを運営する共生バンクグループは1998年に創業し、当初は店舗や不動産の証券化事業を展開していた。2007年にみんなで大家さんの運用を始め、当初の投資対象物件はパチンコ店や宿泊施設、物流施設など。その後、商業施設やマンションにも手を広げた。 話題となっている「シリーズ成田」は2021年から運用を開始。現在までに18のファンドを提供しており、投資は1口100万円、想定利回りを7%と設定していることから、多くの個人投資家が同ファンドに出資した。 シリーズ成田の投資対象は、第2ターミナルの北西にある大型開発用地だ。共生バンクはファンドで集めた資金を原資として、約45.6万平方メートルの土地を「GATEWAY NARITA」として開発する計画を立てている。開発地には商業複合施設や国際展示場、デジタルドームやホテルなどを建設し、賃料で得た利益の一部をファンドの投資家に支払う仕組みだ。
個人投資家が飛び付いた「みんなで大家さん」の仕組みとは?
開発地は空港から徒歩で行けない上に、原野だった場所だ。新駅の構想もアピールしている時点で、1970年代に流行った不動産商法を思い起こさせるが、利回りなどは魅力的で、3万8000人が約2000億円を出資したとされる。しかし同ファンドでは7月から分配金の遅延が発生。遅延はシリーズ成田以外でも発生し、投資家による集団訴訟も相次いでいる。 開発現場は現在、更地のままで建築物はない。そもそも施設がなく、賃料収入がないので分配が滞ったと考えられる。他のファンドにも影響していることから、自転車操業に陥った可能性が高い。 さらに、開発地の約4割を保有するNAAは、開発用地の賃貸借契約を11月末で終了し、契約更新をしないと発表した。NAAは年間1800万円で土地を貸していた。共生バンクからすれば、訴訟に土地の縮小と八方ふさがりの状況だ。 だが、仮に竣工まで進んでいたとしても、多くの課題が現れていたかもしれない。というのも、空港近くの商業施設が集客に失敗する事例がいくつか存在するからだ。
【関連記事】
- 【なぜ?】丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
- 【厳しい】もう、ショッピングセンターはバンバンできない! オープンから3カ月で退店のテナントも…… 厳しすぎる“戦国時代”に突入したワケ
- 【衝撃】「21歳従業員に100万円超のボーナス」「残業ゼロ」 岐阜の老舗企業が“手厚すぎる”労働環境を整えたワケ
- 【ビジネスで使える?】ユニクロの「6990円」ジャケットは、どこまで通用する? 「初めての顧客訪問」「大事な契約」 専門家に聞いて分かった“意外な”事実
- 【聞いてみた】書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた