福島正則はなぜ“先鋒”を奪われたのか──抜け駆けからはじまる関ケ原の戦い

福島正紀は豊臣家の忠臣でありながら、関ケ原の戦いでは東軍に参戦しています。

合戦では本来、東軍の「先鋒（いちばん最初に戦う役目）」を務める予定だったともいわれますが、実際の戦いのはじまりは別の武将たちの動きによって火ぶたが切られました。

ここでは、関ヶ原古戦場跡の資料から正則がどのように戦いに関わったのかを紹介します。

東軍先鋒としての正則

福島正則は豊臣家への恩義がありながら、石田三成との不仲が背景にあったとされ、西軍ではなく東軍に参戦。当日は現在のJR関ヶ原駅付近に布陣し、東軍の先陣を任されていました。

ところが、徳川家が先陣を切るべきだと考えた東軍の井伊直政が、松平忠吉とともに行動を早め、西軍の宇喜多隊へ発砲。これが開戦の合図となり、先陣の功を奪われた正則は直後に宇喜多隊へ攻撃を仕掛けたとされています。

抜けがけされた正則の評価

東軍の先鋒とされていたにもかかわらず、井伊・松平隊の抜け駆けによって役目を果たせなかった正則。それでも正則の働きは徳川家康から評価され、戦後には 安芸国・備後国 を与えられています。
抜け駆けの影響を受けながらも、大きな存在感を示したのでした。

福島正則コースをたどる

関ケ原古戦場跡には、福島正則の動向を知れる散策コースが用意されています。

福島正則陣跡を歩くと、彼が置かれた状況や当時の心境を想像しやすくなるのではないでしょうか。
歴史にあまり詳しくなくても、現地の空気や地形が、当時の様子を自然と思い浮かべさせてくれるかもしれません。

興味を持った方は、関ケ原の地を訪れてみてください。