シャングリラ・ダイアローグが閉幕 米中の溝くっきり、対話は低調

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シンガポール=畑宗太郎 清宮涼 石原孝
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 シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で、中国の軍事的脅威を強調した31日のヘグセス米国防長官の演説をめぐり、中国側が猛反発している。米中の隔たりが改めて浮き彫りとなる中、東南アジアからは懸念の声も出た。

 「ヘグセス氏は対立という冷戦的な思考を売り物にし、『中国脅威論』で大騒ぎしている」「米国こそ地域の平和と安定を損なう最大の要因だ」

 中国外務省は1日未明に報道官声明を発表。中国の脅威を理由に同盟国などに戦力強化を呼びかけたヘグセス氏の演説に反論したうえで、「強い不満と断固たる反対」を表明。米側に申し入れたと明らかにした。

 中国国防省も1日午後に報道官声明を出し、「中国側の政策や主張を歪曲(わいきょく)している」と反発した。

米中、それぞれの識者の受け止めは

 ヘグセス氏は演説で中国側を…

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この記事を書いた人
畑宗太郎
アメリカ総局
専門・関心分野
アメリカ外交、米中関係・アジア太平洋情勢
清宮涼
政治部|外交・防衛担当
専門・関心分野
外交、安全保障、国際政治
アジア安全保障会議

アジア安全保障会議

アジア・太平洋地域を中心に各国の国防・安全保障の担当閣僚らが顔をそろえる国際会議。会場となるシンガポールのホテルにちなんで、シャングリラ・ダイアローグとも呼ばれます。2025年は5月30日から6月1日に開催。英シンクタンクの国際戦略研究所が主催し、朝日新聞社などが後援しています。[もっと見る]