チェルノブイリ原発の外部シェルターが損傷、放射能漏れ防止できず IAEA
(CNN) ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所にある1986年の原発事故後に作られた外部シェルターをめぐり、今年2月のドローン(無人機)攻撃の影響で損傷し、放射性漏れを防ぐなどの機能を果たせなくなっていることがわかった。国際原子力機関(IAEA)が5日、明らかにした。
IAEAの声明によれば、チェルノブイリ原発に設置された「新安全閉じ込め構造物(NSC)」は2月のドローン攻撃で「深刻な損傷」を受け、「封じ込め機能を含む主要な安全機能を喪失」したという。
ウクライナは2月14日の攻撃についてロシアによるものだと非難した。ロシア側はこれを否定している。
IAEAによると、攻撃はNSCを直撃して火災が発生し、周囲の防護壁が損傷した。
IAEAのグロッシ事務局長は、「屋根の部分的な応急修理は行われているが、さらなる劣化を防ぎ、長期的な原子力の安全を確保するためには、迅速かつ包括的な修復が依然として不可欠だ」と述べた。
ただし、NSCの耐荷構造や監視システムに恒久的な損傷は確認されていないという。
IAEAは現地に常駐しており、原子力の安全を完全に回復するために可能な限りの支援を続けるとしている。
チェルノブイリ原子力発電所の立ち入り禁止区域への攻撃に使われたドローンの残骸=2月/Artem Derkachov/Frontliner/Getty Images
チェルノブイリ原発はロシアによるウクライナ侵攻が始まって間もない2022年2月、ロシア軍に占拠された。ロシア軍は原発施設と周辺地域を掌握し、職員を拘束したのち、約1カ月後に撤退してウクライナ側に管理権を戻している。
NSCは、4号炉を覆い、内部の放射性物質を封じ込めるために建設された巨大なアーチ型の鋼鉄構造物。10年に建設が始まり、19年に完成した。100年の耐用年数を想定して設計され、事故現場の安全確保に重要な役割を果たしてきた。