闇の王がファミリアに入ってもいいじゃない、『元』人間だもの   作:大豆万歳

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素材争奪戦を終えて、トゥリファスから帰ってきました。暫く林檎は食いたくないです。






このすばで書きたいけど、1つも完結させていないのに書いていいのか悩んでいます


第51話

ダンジョン17階層、大広間。

 

前衛壁役(ウォール)のクソッタレどもおおおお!?汚ねえ尻に力込めて守れぇ!」

『こいやああああ!』

 

そこで、俺達【ヘスティア・ファミリア】と【タケミカヅチ・ファミリア】は、大規模戦闘に巻き込まれていた。

そもそも、俺達は今後のダンジョン探索で深い階層に潜ることを考えると、日帰りではどうしても時間が足りなくなってしまう。そこで、毛布や食糧などを準備し、試しにダンジョンで寝泊まりすることになった。

しかし、それが18階層『リヴィラの街』の冒険者達による階層主討伐決行日と重なってしまい、今に至る。

 

『──オオオオオオオオッ!』

「……仕方ない。ここは手っ取り早くアレ(・・)を使うか」

「グレイ様、何か秘策があるのですか!?」

 

俺は『ストームルーラー』を取り出し、戦線から下がると近くで待機していた春姫に声をかけられる。

 

「嵐だけが大樹を倒す。つまりはそういうことだ」

「はい?」

 

疑問符を浮かべる春姫をよそに、俺が剣を構えると、剣に風が集まってゆく。

 

「……おい、なんだあれ?」

「ッ!全員道を開けろ!嵐が来るぞ!」

 

風が段々大きくなっていくと、それを感じ取った名も知らぬ(リヴィラ)の冒険者がこちらに顔を向けるが首を傾げる。しかし、先祖(ユリア)の記憶からこの後に繰り出される威力を理解していたネロは刀を鞘に納め、冒険者達に大声で呼びかける。

 

『オオオオオオオオオオッ!』

「な、なんだ!?」

 

ゴライアスは足元の前衛壁役(ウォール)を跨ぎ、俺に一直線に向かってくる。

 

「ふん!」

『おわああああっ!?』

 

俺が剣を振り下ろすと、刀身から放たれた嵐が射線上のモンスターを吹き飛ばし、ゴライアスを真っ二つに両断した。

 

『…………』

「さて、残りを片付けるか」

 

冒険者達が呆然とする中、役目を終えた『ストームルーラー』を収納し、『鋭利なカーサスの鉤刀』と『熟練のブロードソード』を握り、残りの雑魚モンスターの殲滅に向かった。

 

 

 

 

階層主との戦いの後には、冒険者達が金で殴り合う競売が行われた。

ゴライアスの『魔石』と『ゴライアスの歯牙』はゴライアスを一撃で仕留めた俺にスムーズに渡され、残る雑兵の『魔石』の山とドロップアイテムが競売にかけられた。競売には金にがめついリリが参加し、俺達は街を散策することになっていた──のだが。

 

「頼む!ゴライアスを一撃で仕留めたブツを譲ってくれ!金なら幾らでも払う!このとおりだ!」

『お願いします!』

 

俺の目の前で、見事な土下座を披露する(リヴィラ)の大頭、ボールス。彼の後ろでも数名の冒険者が同じように土下座を披露し、俺の足元に筆とインクと羊皮紙を差し出した。これに希望の金額を書けと?

 

「どうどう。ネロ、それは女性がしてはいけない表情だ。すまないが、あれは亡き友から受け継いだ形見の品だ。金を幾ら積まれても譲渡はできない。だが、そうだな……」

 

冒険者達にゴミを見るような目を向けるネロを宥め、俺は『ストームルーラー』を取り出して地面に突き刺し、2歩下がる。

 

「これがゴライアスを一撃で仕留めた剣、『ストームルーラー』だ。どうしてもこれが欲しいというなら、冒険者らしく力づくで奪ってみせろ」

『……』

 

暫しの沈黙の後、顔を上げた冒険者達はそれぞれ筆、インク、羊皮紙を持ち、静かに下がる。

 

「おい、どうすんだよボールス」

「まあ待て、そのためのプランBがある。ついてこい!」

『おう!』

 

彼らはそう言って、街の中心部へと駆け出して行った。

 

「……ふむ、これが伝説の『ストームルーラー』か。『嵐だけが大樹を倒す』の言葉通り、凄まじい一撃であったな」

 

彼らと入れ替わるように、紅の袴に太刀を装備した黒髪の女性が地面に刺さっている剣をじっくりと観察する。

 

「貴女は確か、【ヘファイストス・ファミリア】の……」

「ああ、自己紹介がまだであったな。手前は椿・コルブランド。お主の娘の1柱の【ファミリア】で団長を務めておる」

 

『ストームルーラー』からこちらに視線を移し、手を差し出されたので握手で返す。

 

「それで、貴女がなぜ中層(ここ)に?」

「うむ。久しぶりに迷宮(ダンジョン)で暴れたくなってな、序にヴェル吉を揶揄いにきた。まあ他にも1つ理由があるのだが……」

 

途中で言葉を止め、周囲に俺とネロ以外の人影がないことを確かめるように周囲に目配せする。

 

「手前は今日、ここで1泊して地上に戻る。もしお主らも中層(ここ)で1泊するなら、酒場に来てもらえんか?少々話がある」

「……わかりました」

 

 

 

 

そして、夜。

階層主(ゴライアス)との戦闘で消耗したことと、精根尽きかけていたこともあり宿屋に泊まることになった。そして選ばれた宿屋、ここが驚くほどに宿代が安かった。大虎(ライガーファング)の毛皮を用いた絨毯や、燭台型の魔石灯、寝台(ベッド)まで個室に完備されているのに。これで宿代が安い理由、それは……。

 

「……以前凄惨な事件が起きてしまった、曰くつきの宿屋だそうです」

「だ、大丈夫なのでございますか!?」

「別の宿に変えた方が……」

「いえ、駄目です。他の宿屋は高過ぎます。曰くつきだろうと何だろうと安さに勝るものはありません。ええそうですとも、殺された冒険者の亡霊や呪いなんて存在しません。万が一いたとしても、グレイ様がいればどうということはありません!」

 

というわけだ。怯える春姫、命、千草が異を唱えるが、リリはそれを全て却下。いざという時は俺に押し──任せると言うと、男女別で部屋をとると店主に告げた。久方ぶりの客に店主は泣いて喜び、軽い食料と酒も振る舞われ、手厚くもてなされた後、俺達は部屋で寝ることになった。

そして夜も更けた頃。

 

「(……そろそろ頃合いだろうか)」

 

薄目を開け、寝返りをうつふりをして周囲を確認する。桜花は熟睡中。ベルとヴェルフの寝台はもぬけの殻。念の為に『静かに眠る竜印の指輪』と『霧の指輪』という、最早お決まりの組み合わせを装備して宿を出て──

 

「お供します」

「あ、ああ」

 

いつの間にか背後に現れたネロを連れ、酒場に向かう。やだこの娘、ご先祖様(ユリア)に負けず劣らず凄く怖い!

酒場ではグラスを叩きあう音、すっかり出来上がった冒険者の笑い声や、吟遊詩人の詩の大合唱があちこちから響いてきた。

 

「さて、彼女は……お、いたいた」

「おお!来たか!」

 

目的の人物──椿・コルブランドは酒場の隅のテーブル席に座り、干し肉(ジャーキー)を肴に酒をチビチビと()っていた。

俺は彼女と対面する席に座り、ネロは護衛でもするように俺の背後に立つ。

 

「待たせてしまったかな?」

「いや、手前も少し前に来たところだ。……さて、いきなりだが本題に入ろうか」

 

グラスの中身を一気に飲み干し、表情を引き締めた彼女は周囲に聞こえないよう、小声で話し始める。

 

「お主、昼間に見た『ストームルーラー』を始めとした伝説の武具を持っておるのだろう?地上で機会があれば、手前どもに見せてもらえないか?ああ、主神様から了承は得ておる」

「……見せるだけ(・・)なら、構わない。ただ、【ヘファイストス・ファミリア】にだけ見せるとゴブニュが臍を曲げてしまうかもしれないから、ここは公平に【ゴブニュ・ファミリア】にも見せるということでいいでしょうか?」

「うむ。寧ろ、両【ファミリア】に良い刺激になるだろうな」

「では、また地上で会いましょう。おやすみなさい」

「ああ。お主も、良い夢を」




戦技の出し方がわからず、ジークさんを見殺しにしてしまいました。2週目では必ず完遂するので、どうか許してくださいヨームさん(鉈でぶつ切りにされながら)
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