第7回デフレ下の削減より厳しい物価高 悲鳴あげる国立大、賃上げにも苦慮
松浦新
国立大の運営が危機的な状況に陥っている。効率化を目指した大学運営を物価高(インフレ)によるコストアップが直撃、必要な人材確保にも苦悩する。大学でいま、何が起きているのか。
連載「インフレの現場から」
物価も賃金も上がらなかった日本が、本格的なインフレ経済に移行しつつある。長く続いたデフレからの転換は、ビジネスにとどまらず、さまざまな現場に変化をもたらしている。いま何が起きているのかを探る連載の7回目です。
「昨今は人件費が非常に高く、物価上昇が著しい」
山口大の谷沢幸生学長は10月の記者会見で、こう説明した。会見で明らかにしたのは2026年度からの授業料の値上げだ。それまでより20%引き上げて、年約64万3千円にするという。値上げの判断は04年度に国の組織から独立して「国立大学法人」になってから、初めてのことだ。
「古いトイレ、切れた街灯。もう限界」
授業料と国からの運営費交付…