性的ディープフェイク所持で元教諭を追起訴。性的ディープフェイク処罰はどこまで進むか。海外との違いは? #エキスパートトピ
名古屋地検は教師らが盗撮した画像をSNS上で共有していた事件で、元教諭を性的ディープフェイク所持で追起訴しました。
生成AIで作られた児童ポルノ画像の所持が、児童ポルノ禁止法違反で立件されるのは全国で初めてとされます。
近年、相次ぐディープフェイクに関する立件・追起訴などの報道ですが、日本には、ディープフェイクポルノに関する包括的な処罰規定がないため、警察・検察は現行法への適用を試みていますが、明らかに限界があります。立件されるのは急増する被害のごく一部、氷山の一角にとどまります。
ココがポイント
『性的ディープフェイク』所持か 児童ポルノ禁止法違反で全国初の立件 “盗撮・共有グループ”の元小学校教師
出典:東海テレビ 2025/12/5(金)
画像生成AIを悪用して作成されたわいせつ物販売事件の摘発は全国で初めて。
出典:読売新聞オンライン 2025/4/15(火)
生成AIで作った画像を無断複製の疑い、27歳男を書類送検…「著作権あり」として初の摘発
出典:読売新聞オンライン 2025/11/20(木)
性的ディープフェイクを包括的に規制する法律はない。政府は現行法で対応する方針を示しているが、実際には対処しきれないケース
出典:毎日新聞 2025/11/5(水)
エキスパートの補足・見解
最高裁は、令和2年1月27日決定で、実在する18歳未満の者の衣服をつけない姿態を撮影した写真をCGとして再現・補完し販売した事案につきCGを児童ポルノと認めて有罪としました。この前例に鑑みれば、実在する子どものディープフェイクに関しては、児童ポルノ法違反で有罪としうる可能性が見込まれます。
一方、18歳以上の人のイメージをもとにした性的ディープフェイクについては生成・販売・所持を刑事訴追・処罰するのは著しく困難です。
報道にある事例は、下半身をモザイクなしで販売したためにわいせつ物頒布等罪、または著作権が他の人に帰属するので著作権法違反で立件したというものです。現行法では性器が隠された大人のディープフェイクポルノを罪に問うことは相当厳しいでしょう。
韓国や欧米ではディープフェイクポルノ製造・頒布等の処罰法が続々と成立しています。さらに米国で今年成立したテイク・イット・ダウン法は、被害者から正当な要請を受けたプラットフォーム事業者に対し、問題画像を48時間以内に削除する義務を負わせて被害者保護を図っており、韓国でも類似した被害者保護の制度が導入されています。
日本も国際水準の法規制を検討すべき時期にきています。
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