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今後のブログの予定を書いておきます。


しばらくはオウムの教義やなぜ一連の事件が起こったのかという話しは後回しにしたいと思います。



とりあえずボツリヌス培養プラントの後はロシア軍施設での話し、そして未解決事件に対する僕の考えを先に書いておきたいと思います。


オウムの教義の話しをしだしたら長くなるのは目に見えていますからね。



大まかな流れとしては、最初に理解すべきことは麻原は狂人であり宗教家であるということですね。


世間から見れば麻原は狂人であり宗教家ではなく、サマナから見れば麻原は宗教家であり狂人ではない。


この対立するふたつの意見はお互いに相手を認めることがありません。


しかし、そのままではいつまで経っても矛盾が解消しないのです。


麻原が狂人であり宗教家であるとした場合のみ、矛盾のない答えが引き出せると考えています。


基本的な知識としては、オウムは初めからタントラヴァジラヤーナであり途中から変わったのではないこと、そして、麻原の目的は教団をつぶすこと、このふたつを憶えておいてください。


このふたつは僕が10数年前からずっと言い続けていることですが、誰も耳を傾けてはくれませんでした。


最近になって、ようやく話を理解してくれる人たちが現れ始めたのは嬉しい限りです。



僕がオウムがマハーヤーナではないと感じたのは89年であったと思います。


富士の総本部道場での説法の後で麻原が言った何気ない一言。


その一言が僕を驚愕させました。



「君たちは、私がマハーヤーナのグルだと思っているのか。」


そう言ってにやりと笑い、その後しばらくの間何も言わずに黙っていましたが、無表情から厳しい顔つきへと変わっていきました。


麻原は自分がマハーヤーナのグルであるとは言わなかったのです。



僕はこの時以降、もしオウムがマハーヤーナでなかったらと考えるようになりました。


おそらくほとんど全てのサマナがオウムがマハーヤーナであるということを前提にして説法を聞いていたのに対して、僕は常に別の角度から見ることが出来たため気づいたことがたくさんあります。


それを麻原に話すと、麻原はこう言いました。


「ばらすなよ。ネタは限られているんだからな。」



もうひとつ別の説法では麻原はこう言っています。


「もし、たったひとりの成就者でも出すことが出来るのであれば、私はオウムがつぶれてもいいと考えているんだよ。」


これも80年代のどこかの説法であったと記憶しています。



そして、これは修行好きの人には興味のある話だと思いますが、僕は麻原から今生最終解脱するように指示を受けています。


そのための修行法も聞いているので、それを公開したいと思います。


僕以外にも聞いているサマナがいるかもしれませんが、今のところ公開されたという話は聞いたことがないので。



ここまでの知識をもとにして、その先の麻原が何を目的にしていたのかという話へと進むわけですが、麻原の目的は完全解脱をすることでした。


そのためには弟子の最終解脱が必要であるということですね。


順番として、麻原自身の修行、弟子たちの修行、この世界の救済、事件発生ということになります。



事件発生の原因を知ろうと思うのなら、麻原自身の修行から考えていくしか方法がありません。


まあ、正直、気分が滅入るような大変な作業になるかもしれないし、元サマナからの質問もあるかもしれません。


あまり無理はせずに、少しずつ進めていこうと思います。

車は県境を越えて静岡から山梨へと入った。


不審な車は相変わらず後を付いてくる。


関係のない脇道にそれて車を止めたりしても、向こうも離れたところに止まって動かないでいる。



周りには民家どころか何の建物もない。


田んぼと畑だけの自然豊かな場所ではお互いに隠れる場所もない。


そのままでいるわけにもいかないので、仕方なく不審な車を引き連れたまま上九へ向かうことになった。



前回の印刷工場とは違う別の場所。


どこが隣地との境界線か分からない広大な土地に、すでに巨大な建造物が建てられていた。


敷地の入り口から50メートルぐらいはなれているだろうか。


ぱっと見た目は富士の道場と同じぐらいの大きさに見える。


一体何のための建物なのだろう。


そして、右手前にコンテナが置かれ、その向こうに大小のいくつかのプレハブがあった。



不審な車は少し離れた場所に止まっている。


スーツを着た男が降りてきて、こちらへ歩いてくる。


僕とサマナはその男の方へ向かった。

富士の道場の正面に生活班の車が止まっており、すでにご飯やオウム食をいれた大きな鍋が積み込まれていた。


大人数の食事に後ろの座席を占領されていたので、僕は助手席に乗り込んだ。


が、しかし、車が走り出す気配がない。



「どうしたの?」と聞くと、「あそこに不審な車が止まっているんですよね。」という。


坂本弁護士事件の後ということもあり、上九での動きを知られないようにとiいう考えからだと思うが、警備を厳重にと言う指示はサマナに出ていた。


とは言っても、末端のサマナは坂本弁護士事件も、ボツリヌスの培養も何も知らないのだが、上の人間から警戒しろと言われれば警戒するしかない。



一向に車が動く気配がないので、「まだ出ないんなら、食事してきていいかな?」と言おうと思った矢先、「仕方がないから行きましょう。」ということになった。


あ、やっぱり食べられないんだ。これはカルマなんだ。


と思いつつも、車は上九へと向かっていく。



車を運転しているサマナが「付いてきてますねえ。」と言った。


腹減ったなあと思いながら後ろを振り向くと、たしかにさっきの車がぴったり付いて来ている。


あの車はいったい何なのだろうか?

そう言えばこの頃、他のサマナがフィルターがどうのこうのという話しをしていたのを聞いたことがあった。


たしか逆浸透で何とかという話しだったと思う。


水だけを通す一番目の細かいフィルターを使うということだった。



僕もクロレラの分離方法を検討したときにフィルターも調べたが、クロレラならそんなに目の細かいフィルターは必要ない。


一体何を分離するつもりなのだろうと思って不思議だったが、オウムという集団は隣が何をやっているのかは分からない。



そして、お昼過ぎに、僕は食事をとるために食堂へ行った。


その当時はオウム食で、ご飯と野菜の水煮、海苔とゴマ、豆乳、調味料は醤油とシヴァ神の汗と呼ばれていた塩だけだった。


世間から見れば粗末な食事なのだが、これが美味い。


粗末な食事を毎日続けているうちに、この世にこんな美味いものがあるのかと思えるようになってくるから不思議なものだ。



厳しい戒律を守ってありつける1日1回の食事。


テレビも雑誌も何もない、何の楽しみもない環境での唯一の楽しみ。


毎日寝る暇もなく1日十数時間を働き、ようやく訪れる憩いのとき。



もうこれ以上はない幸せな時間で、箸を持ちご飯を口に入れようとしたまさにその時。


足音とともに村井の声が聞こえた。


「Rさんはいるか。」


「はい」と答えると、「車を待たせてあるから、直ぐに上九へ行ってくれ。」と言われた。



あまりに急な話でびっくりしたが、「食事が終わってからでいいですか?」と、僕にとっては当然とも思える主張をしてみた。


すると村井は火がついたように激しく怒り出した。


「君はサマナのくせに功徳が積みたないんか!」


そう言われると返す言葉がない。



一応サマナだし、一応功徳は積みたいし。


食事を一口も口にすることなく、自分の部署に荷物を取りに行くことも出来ず、着の身着のまま上九へ直行することになった。


そしてこの後に、大変なワークが待ち構えていた。

身の回りでいろんな事が起こり、なんだか慌しく時間を過ごしていたころ突然中川がやってきた。


相変わらずサティアン内を自由に出入り出来るんだ、凄いなこの男はと思った。



中川は話を切り出してきた。


「実は新しいイニシエーションが完成したので、受けていただきたいんです。」


麻原からの御指名で僕にイニシエーションを受けさせるようにということらしい。


へぇ~と思ったが、特に深く考えることはなかった。



中川についてサティアンの2階に行ってみると、すでに広瀬が待っていた。


中川は点滴を用意すると、僕と広瀬の腕に針を突き刺した。


「20分かかりますので、シャヴァアーサナをとっていてください。」



どんな凄いイニシエーションなんだろうと期待しながら待っていたのだが、特に何も体験はなく終わってしまった。


そのことを中川に話すと、「光の体験をされた方もいるんですけどね。」といいながら、なんだか申し訳なさそうな表情に思えた。


このときの中川の表情と、体験がなかった理由は後になってから分かることになる。