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治療を終えて2階に戻ってくると、すでに夜になりCBI他の部署のサマナたちがワークを終え、見学に来ていた。


中には腕に覚えのある者たちもいて、スパーリングに参加し始めた。



と、ここで高橋 克也登場。


高橋 克也とは、わりと親しいというわけではないが、信徒時代からの顔見知りではある。



高橋 克也はああ見えて、とは言ってもどう見えているのかは人それぞれだと思うが。


まあ、とにかく、柔道は二段である。


なんて素晴らしいんだ!



高橋 克也は他の連中と同じように、まだ新しい柔道着を着ていた。


しかし、その腰にはブラックベルトが光っている。


ベルトの端が擦り切れて白くなっている、年季の入った黒帯。



出家する時に、柔道着は捨てられても黒帯は捨てられなかったのだろう。


思い出が一杯詰まっているんだろうなあ。



で、その高橋 克也は、先ほど僕と対戦したサマナと相対することに。


「先生、そんなやつ懲らしめてやってくだせえ!」


と、心の中で思うのだが、口には出さない。(笑)



組み合ったまま、ふたりはあまり動かない。


別に愛を確かめ合っているわけではないが、投げ技だけでは決まらないために、その後のことを考えているのだろう。



と、ここで先生が動く。


サマナの体勢を崩して、そのまま腕ひしぎ逆十字の体勢へ持っていく。


そのまま、見事に一本が決まった。



やっぱ強えな黒帯。


と思うのだが、高橋 克也は相手の腕を傷つけるところまで技を極めていなかった。


優しいねえ。



ポーシャといいスマンガラといい、どうして君たちはそんなに優しいのだろう。


オウムで出世するために必要な条件は、基本的に性格が悪いということである。


幹部たちの大半は、「他の苦しみを自己の喜びとし、自己の苦しみを他の苦しみとする。」


そんな連中だ。


正直者がバカを見るのは世の常だが、それはオウムにおいても同じだと言える。

指し掛けになっていたリベンジマッチに関する発表があるらしい。


http://live.nicovideo.jp/watch/lv209871266




すっきりさせるためには、細かいところまでルールを決めて、もう一度やり直すのがいいと思う。


この対局は森下有利の展開ではあったが、当初のルールどおりの時間無制限であれば、ツツカナの逆転勝ちも有り得るからだ。


コンピュータが何も文句を言えないのをいいことに、人間側が一方的に対局を終了させたのだから、やり直しは当然だろう。



森下ルールでプロの強さをある程度見せることは出来たが、あくまでもバグを突いたようなものだ。


コンピュータ同士の対戦は、15分切れ負けとかの短時間の勝負であるために、森下ルールに上手く対応出来ていないのだ。


コンピュータ側に、一手10分の対策を十分に立てさせてからでなければ、公平な勝負とは言えない。



とはいえ、決めるのはニコ生と将棋連盟なのだが。(笑)

右腕がまともに動かないので治療に行くことにした。


こういう時オウムは便利だ。



2階で武術訓練をやっていたので、鉄製の階段を上って3階へ向かう。


シールドルームの脇を抜けて、その奥にあるAHIに辿り着いた。



先生が「どうしましたか?」と聞くので、「肘を痛めました。」と答える。


この辺は、オウムも一般社会も違いは無い。



「何をされたんですか?」と聞いてきたので、「腕ひしぎ逆十字。」と答える。(笑)


「え、うでひし・・、なんですか?」


と聞いてくるので、「関節技です。」と答える。


重ねて、「なんで関節技を・・、」と聞いてくるので「武術訓練。」と答える。


さらに「なんで武術訓練を・・、」と聞いてきて、もはや頭の悪い子の会話になってしまっている。



仕方が無いので、サブミッションは専門家ではないが、腕ひしぎ逆十字の解説をする。


「腕を両手でこう抱えて、足を首にかけて、手首をこっちに返して、腹に乗せて伸ばす・・、」


と説明していると、


「あ~、なるほど、関節を固定して、ふんふん、ここをてこの原理で・・、」


「確かに、ひしがれてますねえ。」


と感心することしきりだった。



さすがは医者、人体の構造をよく理解している。


腕ひしぎ逆十字が効率よく肘を破壊することをすぐに飲み込んでくれた。



「骨は折れていないようなので、シップをしておきましょう。」


とりあえずはこれで一安心と思っていると、とんでもないことを言い出した。


まあ、オウムでは常識と言ってもいいことではあるのだが。



「成就者の方に触れるわけにはいきませんので。」


ちょっと待った~!


「いやいやいや、そんな、初恋の女の子じゃあるまいし。」



「触っていいから。」と言っても、全く相手にされず。


というわけで、先生の全く手を触れないアクロバチックな治療が始まった。


超能力者かあんたは!



目の前で見ていて嫌になってくるぐらい酷い有様でシップ薬が固定されたのだが、こんなことなら左手一本でも自分でやった方がましだったなと後悔したものだ。

人間の腕というものは曲げることも伸ばすことも自由自在。


まったくもって便利な代物である。


肘の可動域は180度とは言わないまでも、150度ぐらいはあるのではないだろうか。



ところがである。


腕ひしぎ逆十時を食らった腕は動かないのだ。


中途半端な角度で固まったまま、伸ばすことも曲げることも出来ない。


可動域は30度ぐらいだろうか。



まあ、警備班のワークでは手先の器用さを求められる事はないので、特に支障があるわけではない。


問題は食事の時である。


右手が口に届かないのだ。(笑)


手首を内側にひねり、口の方から手首に噛み付くようにして、ようやく届く。



小乗の修行者なら、食べなければいいだけの話ではある。


むしろ有難いと感謝するところなのだが、警備班はヴァジラヤーナである。


たくさん食べることが重要なワークなのだ。



まさに観念の崩壊。


小乗とヴァジラヤーナでは、真逆の考え方になる。


お互いに矛盾する考え方が混在するところが、オウム真理教の教義の特徴である。



で、ここではたと気付く。


わざわざ右手を使わなくても、左手が空いているではないかいな!


空いててよかった。



僕の場合利き腕が右手なので、日常生活においてあまり左手を意識しない。


しかし、使ってみると左手ってとっても便利だ。


これで当座の問題は解決された。


右手の傷は、いずれ時間が解決してくれるだろう。

サマナとスパーリングをやる事になったのだが、相手は前から警備班で訓練をしている。


この時点ですでに、嫌ぁ~な予感がしている。(笑)



何でもそうだけど、格闘技は特に知っているかいないかが、結果に大きく影響する。


どうすれば人体を効率的に破壊出来るかなんて、一般人は知るはずも無い。


イスラム国じゃあるまいし、学校ではそんなことは教えてくれないのだから。



まあ、しかし、飛び込めと言われたら飛び込むのがヴァジラヤーナだ!



柔道なんて体育の授業でしかやったことはない。


背負い投げは相手の懐に飛び込んでしゃがむのがバランスを崩してしまいやすい。


大外刈りは返し技が怖い。



というわけで、体落としを仕掛ける。


体落としからの袈裟固めは何回も繰り返してきているので、素人が相手では防ぐことは出来ないだろう。


で、開始早々、あっさり倒して押さえ込んだまではよかったが、試合ではないので一本にはならない。


シーハが審判なので、わざわざ近寄ってきて一本にはならないと説明してくれたが、そんなことは言われんでも分かっとるわい!



ここからどうしたもんかいなあ?


押えている腕の関節を狙うか、足を使ったほうがいいのか、などとしばらく悩んでいるうちに、右腕を引き込まれた。


ここから先は漫画やアニメでたまに見かけるシーンが登場する。


「あれ?天井が見える。なんでだろう?」




と思った次の瞬間、右ひじに激痛が走った。


「イテテテテッ、」


と思わず叫んでしまった。



綺麗に腕ひしぎ逆十字が決まっていた。


まあ、なんといいますか、音で表すと「ミシッ」とか「メリッ」って感じですかね。


起き上がってはみたものの、痛くて右腕が動かせない。



人生初体験の腕ひしぎ逆十字!


まったくオウムっていうやつは、実に様々な経験をさせてくれるものだ。