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働き蜂の数も増え、アシナガバチの巣も随分大きくなってきたなあ、とそんな事を思っていたある日の事。


軒下でダンボールを引き裂くような、バリバリッ!という音がした。


バリバリバリ!、ガサガサ、バリバリッ!とその音は続いている。



一体何の音だろうなあ?


ネコがダンボールでも引っかいているのか?


軒下には何もなかったはずなんだけどなあ。


と考えてみても皆目検討がつかない。



というわけで、外に出て見に行ってみると、そこには今までに見た事がない、想像したこともない光景が広がっていた。


普段は巣の上に乗っかって、忙しそうに動き回っているアシナガバチたちが、巣から離れたところにとまって動かない。


そのうちの1、2匹は巣の周りをゆっくり飛び回って、巣に近づこうとはしていなかった。



そして、巣の上には一匹だけがいた。


最初はやけにでかいアシナガバチがいるなと思った。


ところがそれはスズメバチだったのである。



バリバリバリッ!という音は、スズメバチがアシナガバチの巣を破壊する音だったのだ。


スズメバチはわがもの顔で巣を破壊して、アシナガバチの幼虫を引きずり出していた。


巣をよく見ると、あちこちに破壊された痕がある。


巣の下の地面には、細かな巣の残骸と、かつてはアシナガバチの幼虫や蛹だった者たちの体の一部らしきものが落ちていた。


もう何日もこんなことが続いているのだろうか。



蛾の幼虫に対しては圧倒的な強さを持つアシナガバチも、スズメバチ相手には全く歯が立たないようだった。


このアシナガバチを餌にするスズメバチの名が、ヒメスズメバチである。


これが自然界というものなのだが、アシナガバチにとって、どうにもならない時間が過ぎていった。

勢力図が塗り替えられるにつれて、何故だかアリが姿を見せなくなってきた。


「遊んでないでワークに戻れ!」


と、幹部から叱られたのだろうか?(笑)



アリがいなくなり、テントウムシの成虫がどこかに飛んで行って、残されたのはアブラムシとテントウムシの幼虫だけになった。


こうなってしまえばもはや幼虫の天下である。


アブラムシのバイキング状態で、どんどん大きくなり蛹から成虫へと育っていった。



そんなある日の事。


メロンの葉っぱの裏を見てみると、もうどこにもアブラムシの姿はなかった。


いつものことながら、上手く出来てるもんだよねえ。


と思っていたら、なんかひとつだけ動くものがあることに気が付いた。



一匹だけ出遅れてまだ大きくなれない幼虫が、ものすごい勢いで走り回っていた。


ただ動き回っているのではない。


普段の動きとはまるで違って、テントウムシの幼虫がこんなに早く動けるのかと思うほどのスピードだった。



餌を探しているのだろう。


蛹になるにはまだ後1回脱皮が必要に思える。


が、残念なことに、アブラムシはお前達に全部食い尽くされてしまったのだよ。(笑)


それでもその幼虫は、一瞬たりとも止まることなく、葉っぱから葉っぱへあちらこちうらへと動き回っていた。


よくもまあ、そんな体力があるもんだなあ、と感心してはみたもののこちらとしても打つ手が無い。



まあ、そのまま放置するしかなかったのだが、翌日メロンを見て驚いた。


葉っぱの裏側に小さな蛹がへばりついていたのである。


なんということでしょう!


小さいまま蛹になりやがった。(笑)



先に蛹になった幼虫たちは、この小さな蛹よりも一回り体が大きかった。


だからこいつは自分も大きくなろうとして、懸命に餌を探し回っていた。


しかし、餌が見つからなかったので、方針を転換したということなのか。



ふ、やるじゃないか。


テントウムシのくせに見事だ。


大きくなることにこだわり幼虫のまま死ぬことよりも、小さくても蛹になることを選んだ。


なんたって、ヴァジラヤーナは結果が全てだからな。



数日後。


蛹は抜け殻だけになっており、その側には今まで見たこともないような、小さなテントウムシがいた。

たしかにアリはアブラムシの甘い汁を吸っている。


だからといって全てのアリが甘い汁を吸いに来るわけではない。


ほとんどのアリには与えられたワークがあり、そちらの方が忙しくアブラムシにかまけている時間はないようである。



てか、なんで他のアリが一生懸命働いているのに、呑気そうに甘い汁を吸っているアリがいるのかの方が謎である。


まあ、アリもサマナも一緒で、働かない奴は働かないということなのだろうか。



サマナの場合、働かない奴がいるという理由は分かる。


麻原が各支部を競わせた結果、成績を上げるために誰でもいいから出家させたというだけの事だ。


だが、アリの場合はどうなのだろうか?


どうして働かない奴がいるのだろうか。



その理由は分からないが、その働かない連中は、面白いことにアブラムシを守ることにもそんなに熱心ではない。(笑)


本来なら、アブラムシの周りを大勢のアリで囲んで、テントウムシをブロックしてもよさそうなものなのだが、実際にはすっかすかである。


で、幼虫たちはアリの反対側へ回り込んでアブラムシを頂いている。



そして、そこからさらに新たな展開が巻き起こる。


今度は幼虫ではなく、テントウムシの成虫の登場である。


成虫はアリがいることになどお構いなしに、というかむしろアリがいるところを正面突破してアブラムシを食ってしまう。


幼虫には通用したアリの噛み付き攻撃も、硬い殻に覆われた成虫には通用しない。


その結果、次第に勢力図は塗り替えられていくのでありました。

アブラムシ、テントウムシ、アリ、それぞれにそれぞれの立場がある。


そこには善悪というものが存在しない。


ただそういうものだと言えるだけだ。



この世界の中で、善悪という観念を持っているのは、実は人間だけなのだ。


この善悪の判断というものは、結局は自分にとって損か得かということになる。


どんなに綺麗ごとを並べたところで、損得以外の基準はない。



「害虫はいつ生まれたのか?」


という問いがある。


それはもちろん、人間の誕生以後である。


この世界に人間がいなければ、この世界に害虫はいない。


神々はただ、全ての虫たちを平等に見守るだけだ。




で、このテントウムシなのだが、すでに生物農薬として使われ始めている。


という話を聞くと、勘のいいこのブログの読者の皆さんなら、すぐに疑問が生じるだろう。


テントウムシは一ヶ所にとどまらず、すぐに飛び立ってしまうのに役に立つのかと。



これはいったいどういうことかというと、実は飛ばないテントウムシというものが存在するのだ。(笑)


まあ、正確には飛ぼうとしても飛べないということなのだが。



これも観念なのだが、ほとんどの人間はテントウムシは全部同じだと思ってしまっている。


しかし、実際には違う。


自然界には、飛び方が上手いテントウムシもいれば、飛び方が下手なテントウムシもいるのである。



で、ここまで書けば後は分かると思うが、飛び方が下手な固体同士を掛け合わせれば、そこからさらに飛び方が下手になりついには飛べなくなるということである。


そして、その飛べないテントウムシの数を増やせばいいわけだ。



まだそこから先の話もあるのだが、長くなるので省略。

テントウムシはアブラムシを食べる。


野菜にとってはまさに救世主なのだが、人間側から見るとテントウムシにはひとつ大きな問題がある。



奴らは一ヶ所にじっとしてはいないのだ。


やたらめったらと動き回り、すぐにどこかへ飛び立ってしまう。


目の前にアブラムシがいてなお、飛び立ってしまうのだ。



まあ、そのおかげかどうかは分からないが、アブラムシはテントウムシに食い尽くされることはなく、未だに種族の繁栄が続いているのである。


世の中上手く出来ているものだ。


などと感心しているうちに、テントウムシの登場で一旦は数を減らしたアブラムシたちが勢力を盛り返し、再びその数を増やし始めた頃、第二ラウンドが始まった。(笑)



今度はテントウムシの幼虫が姿を現したのだ。


成虫に比べれば身体の大きさは遥かに小さいが、数匹の幼虫達がアブラムシを食べ始めたのである。


おおっ、これは!


と思っているところで、更なる展開が待っていた。



今度はアブラムシの見方であるアリの登場だ。


テントウムシの幼虫がアブラムシに近づくと、アリが幼虫に噛み付いて追い払う。


幼虫が逃げて、距離をとって様子をうかがう。


再びアブラムシに近づいていくと、またしてもアリがブロックする。


果てしない攻防が続くのだ。(笑)



で、この間、アブラムシたちは、まるで悟りでも開いているかのように、逃げるそぶりも見せない。


アリたちはテントウムシの幼虫を追い払った後は、アブラムシのお尻のそばにひっそりと寄り添うのである。


そして、そのアリの後ろには、順番待ちをする別のアリの姿が。


この三者三様の有様が、個性がありすぎて実に笑える。