趙治勲は、アルファ碁と戦った時のイ・セドルについて、通常の精神状態ではなかったと分析している。
あきらかに動揺しており、普段通りの囲碁ではなかったというのだ。
これは、その前に行われた、ヨーロッパチャンピオンとの対戦に原因がある。
このブログにも書いたが、ヨーロッパチャンピオンて何やねん!?
である。
趙治勲はこの時の棋譜を見て、この程度なら自分は勝てると判断していた。
ということは、イ・セドルも同じ判断をしたと思われる。
ところがである。
アルファ碁はイ・セドルとの対戦の時には、レイティングを3600にまで上げてきていたのだ。
囲碁には詳しくないので、強さの比較を将棋で行うとするなら、レイティングで600の差というのは金銀1枚分ぐらいの差になる。
前のアルファ碁に対して、勝率は90%以上になっていたのではないだろうか。
イ・セドルは、弱いはずだと高をくくっていたアルファ碁の強さに驚き、ミスを連発した。
で、今度は日本のZenの話である。
9月の段階で、Zenのレイティングはヨーロッパチャンピオンと戦った時のアルファ碁と同等である。
わずか1か月でレイティングを600も上げてきたわけだが、それからさらに1か月以上が過ぎているので、当然レイティングは3000を軽く超えているはずだ。
もしかしたら、現在のZenは、イ・セドルと戦った時のアルファ碁よりも強いかもしれないのだ。
まあ、アルファ碁も時間の経過とともに強くなるだろうから、現在ではレイティングは4000を超えているかもしれないが。(笑)
そんなZenに対して、趙治勲は、事前貸し出しはいらないと宣言したのだ。
かっこいい~。
漢だぜ、趙治勲。
対戦が楽しみだ。
そう言えば、将棋の世界でも、男・丸山の言い分がかっこいい。
自分はコンピュータに負けたのではない。
人間・三浦に負けたのだ。
プロ棋士のほうがコンピュータよりも強いと主張するのなら、絶対のセリフだな。
チームジャパンはすぐに動いた。
東大研究室がアルファ碁の論文を解析し、どのような手法を使っているのかを、かつて世界大会で初出場初優勝を果たした天才プログラマー尾島に伝える。
ドワンゴから提供されたサーバーを使って、加藤が並列処理のプログラムとGPUを担当した。
アルファ碁はヨーロッパチャンピオンと戦う前に、三千万局を研究した。
1局で300手として、高性能のGPUでもすべて終了するのに1年かかる。
そこでグーグルは、1台10数万するGPUを50台使って、わずか1週間で解析を終えた。
その結果、アルファ碁は史上最強のマシンとなったのである。
チームジャパンには、グーグルほどの資金もなければ人員もいない。
そこで東大研究室は、グーグルとは違う手法を開発し、その手法を使ってZenにディープラーニングをさせた。
3月から始まった機械学習は、最初は何の効果もないように見えた。
2か月たっても、3か月たっても、Zenはほとんど強くなっていなかったのだ。
ところがである。
開始から半年ほどが過ぎた9月、Zenは一気に強くなった。
それまで2400ほどだったレイティングが、1か月足らずで3000を超えたのである。
レイティング3000とは、アルファ碁がヨーロッパチャンピオンを倒した時と、同等の強さである。
羽生敗れる。
現名人の佐藤が、叡王戦決勝進出を決めた。
これで、決勝3番勝負は佐藤対千田で行われる事となった。
いやあ、凄いかもしれない。
現役名人がコンピュータと対戦する。
その可能性がかなり高まってきた。
楽しみだ。

