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ある時、奇妙な信徒が入信してきた。

 

とりあえずの仮入信のような形を取り、1ヶ月分だけ会費を払った。

 

小さな子供連れの女性、ちょっとたどたどしい日本語。

 

日本語の漢字が使われて入るが、日本人の感覚にはない使われ方をした名前。

 

 

その信徒は毎日道場にやって来た。

 

場合によっては、1日に何回もやって来る。

 

見かけ上は熱心な信徒、なのだが、お布施をするわけではない。

 

コースに参加して修行をするわけでもない。

 

ましてやイニシエーションなど受けるはずもない。

 

という状況であった。

 

 

とにかく余計な金は1円も払わないという事だったのだが、この信徒が入信してから暫くの間、盗難事件が発生することになる。

 

オウムにやって来る人達というのは、基本的にはアホなんじゃないのかというぐらいに他人を疑うことを知らない。

 

道場にお金をおいていて、それが無くなるなどということは考えもしない。

 

なので、道場にやって来るとカバンを道場の隅っこにおいて、他の信徒と話し込んだりコースに参加したりしている。

 

お金がなくなった事に気付くのは、帰りに電車に乗る時か、ひどい場合は翌日になってからである。(笑)

 

で、アホがつくほど呑気なものだから、気のせいかなと思っていたりするのである。

オウム時代には、200回以上の説法を行った。

 

おそらくだが、教団内では説法の上手さは飛び抜けていたと思う。

 

 

麻原がそうであったように、僕も一度もメモを見ながら話をしたことがない。

 

予め、頭の中で話を組み立てておくだけである。

 

 

話す内容は2つ用意しておく。

 

そのそれぞれについて、分岐点での内容の変化を3種類、そして結論に持っていく段階での分岐を3種類。

 

つまり、1回の説法でのパターンを18種類用意する。

 

これをその場に居る聴衆の反応に合わせて選択していく。

 

もちろん、場合によってはアドリブも使って、話が思わぬ方向へ進むこともある。

 

対機説法なのだから、当然のことである。

 

 

また、毎日、信徒の悩み相談にも応じていた。

 

毎日、毎日、じっくりと話を聞き、問題を解決して、励まして送り出す。

 

実に地味な活動だが、これらが教団を支えるベースになっていた。

 

世間ではなんでオウムなんかにとか、未だにアレフになどと言われるが、僕から見れば当たり前のことをやっているから人が集まってくる。

 

そうとしか思えない。

仕事の次は住居。

 

これは現役の不動産屋が担当する。

 

まったく、実に上手いこと話をつけていい物件を見つけてくる。

 

道場の近くで、驚くほど家賃が安く、そして礼金敷金なし。

 

おまけに仲介手数料が半額。

 

常日頃、不動産関係者がいかに暴利を貪っているかがよく分かる。

 

 

もう一つの方法が社宅。

 

これは仕事の斡旋とセットである。

 

もちろん家賃が安いのだが、そこへ全然関係のない信徒も住まわせて、1Kの部屋に5、6人同居することになる。

 

よそからやって来た同居人の家賃はただである。

 

ただし、常識的にそんなことはやってはいけない。

 

ただ、オウム真理教においては、それは功徳となるのである。(笑)

 

 

この同居方式は先の不動産屋での紹介の物件でも使われており、風呂なしトイレ共同、六畳一間で家賃1万二千円の部屋に二人で住んでいたりする。

 

このようにして余った金は布施をさせ、全て巻き上げるのである。

 

そしてこのような生活が、出家してからの劣悪な環境に対するワンクッションとなる。

12月27日出版。

 

どうやらシーハが本を出すらしい。

 

 

お前に偉そうに言われてもなあ。

 

と思う方もいらっしゃることだろう。

 

 

てか、シーハって幹部だったのか。(笑)