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村井の姿を見つけて、報道陣なのか野次馬なのかがぞろぞろと近づいていく。

 

その中に先ほどの不審な男も紛れ込んでいた。

 

動きが止まった村井は道場の中に入ろうとしない。

 

画面に映る村井の動きを見ていて、本当に奇妙だなと思った。

 

村井は棒立ちのまま、まるで何かを待っているように見えた。

 

 

「危ないですから、下がって。」

 

おそらくはサマナのものであろう、恐ろしく間抜けな声が響いた。

 

いったい誰が危ないというのだろうか。

 

守るべきは村井のはずなのに、部外者の身を案じてどうしようというのだ。

 

 

次の瞬間、叫び声が上がりその場は騒然となった。

 

人々は皆後ろに下がり、丸く空いた空間の中にいた襲撃者は血の付いた包丁を地面に投げ捨てた。

 

村井は驚いたように手を後ろに回し、腰のあたりに触れてから血が付いた自分の手を見て呆然としていた。

 

 

繰り返すが、これらは全て全国に生中継されていたのだ。

イスラエルがハマスの襲撃を知らなかったなどという事があるのだろうか。

 

CIAが情報を得ていたのなら、当然モサドも知っていたはず。

 

という事は、これって真珠湾方式か。

 

 

ま、世界は意図的に一つの方向へ動かされているんだから、考えてもしゃあない。

村井の姿を見て、祈るような気持ちで早く建物の中に入ってくれと思っていた。

 

しかし、なぜか村井はもたついている。

 

この時、サマナたちの動きは明らかにおかしかった。

 

入り口で村井の前に立ちふさがるように見えた。

 

しばらくそうしていたが、ようやく村井は左側へ向きを変え地下への階段を降りていった。

 

あ~、よかった。

 

そう思っていたら、ここから事態は急変する。

 

下へ降りていったはずの村井が、再び姿を現したのだ。

 

当時を知らない人のために、もう一度確認しておく。

 

これは生放送であり、映像だけでなく音声も捉えられていたのだ。

 

入口の前に立った村井は怪訝そうな表情でこう言っていた。

 

麻原に地下から入るように言われた。

 

鍵が開いているからと言われたのに鍵がかかっていて中に入れないと。

 

 

またしても麻原からの電話での指示である。

 

坂本弁護士事件との違いは、今度は開いていると言われたのに開いていなかったという事である。

 

佐伯は麻原を疑ったが、村井は微塵も疑う事なく行動した。

 

言われたとおりにしたのにどうしてだろう?

 

村井は明らかに動揺し、動きが止まってしまった。

いや~、もの凄い結末になってしまった。

 

永瀬99%からの大逆転。

 

飛車先の歩が残っていれば素人にも分かる簡単な詰み。

 

しかし、それが無いがための25手詰め。

 

1分将棋で見つけ出すのは難しかったかもしれないが、それでも4二金からの寄り筋を選んでいれば詰まさなくても勝っていたように思う。

 

 

それにしても、この王座戦4局全てで永瀬が有利なまま終盤に突入していた。

 

そのうちそのまま押し切ったのは最初の一局のみ。

 

残り3局はすべて逆転負け。

 

こんな事ってあるのか、というか世界が藤井聡太の8冠を望んでいるとしか思えないような結果になった。

 

ま、運命は変えられないという事か。

 

 

いよいよ運命の日がやって来る。

 

明日は歴史的瞬間を目にする事になるのかもしれない。

 

永瀬が最後の意地を見せられるのかどうか。

 

楽しみだ。