1年をふり返って その2 | 法友(とも)へ

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6回表、アメリカの攻撃。

 

連戦連投の上野は、すでに疲労困憊。

 

先頭打者にヒットを許し、ワンアウトも取れずにピッチャー交代。

 

前の回のアメリカのスーパープレーに続く嫌な流れに不安がよぎる。

 

リリーフに立ったのはまだ若い後藤。

 

皆様御存知、あの河村事件の被害者の後藤選手である。

 

 

一人目のバッターを三振に仕留めたものの、次のバッターにあっさりとヒットを打たれ、これでワンアウト1、2塁。

 

長打が出れば同点、ホームランなら逆転のケースとなった。

 

悪いことにここから先はクリンアップとの対戦が続く。

 

この試合最大の見せ場となった。

 

ほんと野球にしてもソフトボールにしても、面白い勝負っていうのは何故かこうゆういいめぐり合わせになるんだよなあ。

 

不思議なものだ。

 

さて、この時の後藤の心境やいかに?

 

 

心配は的中。

 

後藤の球を、3番バッターはジャストミート。

 

火の出るような弾丸ライナーがピッチャーの横を抜け、サードを襲う。

 

サードが横っ飛びで懸命にグラブを伸ばしたものの、無常にも打球はそのグラブを弾いて後方へと飛んでいく。

 

「あ~っ」と思わず声が出てしまう場面。

 

抜けた~、これで、同点。ワンアウト二塁になってしまった。

 

と思った次の瞬間。

 

画面の右側からすごい勢いで、何かが飛んできた。

 

ショートだ。

 

獲物を狙う野獣のごとき大ジャンプ。

 

サードが弾いたボールを逆シングルでダイレクトキャッチ。

 

空中で向きを変え、今度はセカンドへ向けてジャンピングスロー。

 

ゲッツー、スリーアウト、チェンジー!

 

一瞬の出来事に、「あ~っ」に続いて、今度は「ええーーーーーっ!」

 

走り出していたセカンドランナーが途中で棒立ちになってしまっていた。

 

 

なんだ、これは。

 

今、物凄いものを見てしまったぞ。

 

いや、ほんと、こんなものをリアルタイムで見られるなんて、幸せ過ぎる。

 

 

そして最終回、日本は追加点ならず。

 

なのだが、この時、上野がピッチング練習を始めていた。

 

え、どういう事?

 

と、思ったが、上野は後にこの時の事をこう話している。

 

「後藤が顔面蒼白で投げていたから、最後は私が行くしか無いと思った。」

 

姐さん、かっこい~。

 

おとこまえ~。

 

 

アメリカの最後の攻撃。

 

ベンチに戻ってきた上野は、トレーナーからマッサージを受けていた。

 

大丈夫か?投げられるのか?

 

そう思って見ていたが、上野は力の勝負には行かずに、打たせて取るピッチングに切り替えていた。

 

4番を外野フライ、5番を内野ゴロ、そして最後のバッターをキャッチャーフライ。

 

ゲームセット!

 

やったー!

 

日本中がそう叫んでいただろう。

 

いや~、いいものを見せてもらった。

 

ありがとう。

 

 

それにしても、河村事件は酷いものだった。

 

本人がアホなのは仕方がないとして、周りに誰か一人ぐらい優秀な人材はいないのだろうか?

 

あの顔面蒼白の場面での話で盛り上がっていれば、かなり評価が上がっていたはずなのに、絶好のチャンスを自分で潰してしまった。