亡くなったんだなあ。
昔はよく読んだものだった。
よくもここまでと思えるほどの悲しいストーリーが好きだった。
平井和正本人は、「ハッピーエンドは物語の死である。」と書いていたが、たしかにそうだと思う。
時代の先がけと思えるアイデアも見事だった。
エイトマンに登場した加速装置は、実に多くの作品に影響を与えている。
てか、エイトマンのことを早く走るロボットとしか思っていない人も、実は多いのかもしれないが。(笑)
サイボーグ009、ジョジョ、SPECなどなど、数え上げればきりがないと言ってもいいほどだ。
最強の能力は時間を支配すること。
それを最初に思いついたのが平井和正だったのだ。
エイトマン、サイボーグブルース、ウルフガイ。
どれも人間では無い者たちが、人間から忌み嫌われながら、自分は人間だと叫び続けるストーリーになっている。
それはまさに、人間とは何か?という問いかけに他ならない。
人間の記憶を移し変えられた超高性能ロボットエイトマンは、どんな表情でも作ることが出来るし涙を流すことも出来る。
感情ももちろん、人間の記憶そのままだ。
しかし、残念ながら、その身体は機械なのだ。
その秘密を抱えながら、人間社内の中で毎日の生活を送ることになる。
そして迎えた最終回。
自らを生物兵器と化した魔人コズマから恋人を守るために、その目の前で変身してしまう。
それまで隠し通してきた秘密が明らかにされた瞬間だった。
自分の愛する男がすでにこの世にいない事を知って悲しむ彼女の口から出た言葉が、「よくも私を騙してくれたわね、この化け物め。」だった。
「違う、違うんだ。私は人間なんだ。」
そう心の中で叫ぶエイトマンの目には、もう涙はなかった。
続く、