神戸空港の胴体着陸、ヒラタ学園の機長と訓練生を書類送検 コース修正に意識集中か

神戸空港で胴体着陸した小型機=令和6年5月、神戸市中央区
神戸空港で胴体着陸した小型機=令和6年5月、神戸市中央区

パイロットを養成する学校法人ヒラタ学園(堺市)の小型プロペラ機が昨年5月、神戸空港に胴体着陸した事故で、兵庫県警は5日、車輪を出し忘れて胴体着陸させたなどとして、航空危険行為処罰法違反容疑で、事故機の60代の男性機長と、操縦していた20代の男性訓練生を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。

書類送検容疑は昨年5月31日午後2時半ごろ、連続で離着陸を繰り返す「タッチ・アンド・ゴー」の訓練中に、警報音が鳴っていたにもかかわらず車輪を出し忘れて胴体着陸させ、機体を損傷させたとしている。いずれも容疑を認めている。事故によるけが人はいなかったが、滑走路は約5時間にわたり閉鎖され、計34便に影響した。

捜査関係者によると、訓練生が操縦していた機体が着陸直前に滑走路からそれ、コースの修正を試みていたという。機長も指導に意識が向いており、2人とも着陸に関するチェックリストの確認を怠ったとみられる。国土交通省は同年6月、重大インシデントに認定し、今年8月には調査報告書を公表した。

ヒラタ学園を巡っては、ヘリコプターの着陸場所を誤るなどのトラブルが続発。関西広域連合などから運航を委託されているドクターヘリについて、航空法に違反する不適切な整備をしていたとして、国交省大阪航空局が昨年5月に事業改善命令を出していた。

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