勝利の女神:NIKKE<名も無き傭兵> 作:100日後に死ぬ傭兵
2人はランデブーポイントに着く。
しかし、周りを見渡しても人やニケ、ラプチャーの影は一切なかった。
「ランデブーポイントはここなのに……、どうして誰もいないんだろう……」
「作戦に急変でもあったのか?」
レイヴンはマリアンにそう聞くが、そんな報告は受け取っていないと返される。
それにレイヴンは上の奴らが見捨てたかと実体験を元にそう考えるも、それよりも安全な場所に避難、または合流を早めにした方がいいと思い、マリアンに周辺のことを聞こうとした。
その瞬間、遠くから射撃音が聞こえてきた。
「射撃音…!行きましょう!」
「わかった」
そして2人は射撃音がなる方向へ走り出した。
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辿り着くと、そこには回転式弾倉のグレネードランチャーを持った金髪ボブカットの少女と、カスタムされたアサルトライフルを持った腰まである長い飴色の髪の女性が居た。
「合流します!」
マリアンはそう言い、走り出し、前の2人に合流した。レイヴンは弾倉が軽くなったと思い、近くに同じ口径のものが無いかと探すが無いと思い、マリアンの元へ走る。
「マリアンです!指揮官と共にランデブーポイントに無事合流しました」
マリアンの指揮官という言葉にレイヴンは少し引っかかる。そして自分が建前上ではあるものの、指揮官だと言うことを思い出し、指揮をした経験が少ないということからか、少し自身が無いものの、何とかなるかと思い、流した。
「えっ、本当に?あの爆発で生き残ったの?ニケはまぁ良いとして、あなた人間よね?」
「あぁ、人間だ」
「怪しい……、本当に指揮官なの?」
金髪の少女はそれでもレイヴンを怪しんだ。
レイヴンは言葉にするよりは早いと思い、ポケットから自身のタグを取り出し、2人に見せた。
「ちょっと失礼します。指揮官認識コードアクセス」
飴色髪の少女はレイヴンのタグのバーコードを見つめ、少し黙り込んだ。
「分隊04-Fの指揮権、変更完了」
「ラピ!こんな正体の分からない人間と、そんな軽率に…!」
「緊急事態よ。ラプチャーが現れた」
「それは……そうだけど……!」
金髪の少女の考えも一理あるが、現状では飴色髪の少女───ラピの言葉が正論。金髪の少女はそれをわかっているのか、黙り込んでしまった。
「現時点をもって、あなたは私たちの指揮官となります。前指揮官は命令を下せる状況ではないため、別途の命令権引継ぎプロセスはありません。一刻を争う状況です。詳しい説明は戦闘が終わってからにします」
「わかった。出来る限りではあるが、してみよう」
「マリアンと言ったわね。所属と兵科は?」
「シルバーガン分隊所属です。兵科は機関銃射手です」
「……兵科もちょうどいいわね」
金髪の少女は不服そうながらもそう呟き、少し考え、顔を上げた。
「…仕方ないわね。指揮官様。どうするの?」
「命令をお待ちしております」
金髪の少女に続き、ラピも言う。
レイヴンは少し考えた後に口を開いた。
「ラプチャーと交戦、殲滅する。以上」
「よし、やってみよう!」
そして金髪の少女の掛け声と共に、戦闘が始まった。
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戦闘は約4分程度で終わり、レイヴンとラピを除いた2人は息をつく。
「楽勝だったわね」
「ラピとアニスです。急な要請に答えていただき、ありがとうございます」
金髪の少女───アニスの方を向きながらラピはそう言った。
「あぁ、俺も名乗り遅れた。レイヴン、さっきまで寝てた男だ」
レイヴンはタグを見せながら、言葉足らずで名乗る。
その名乗りにアニスはなんとも言い難い顔をした。
「さっきまで寝てたって……大丈夫なの?この人」
「指揮官はACパイロットらしく、先程までコールドスリープしていたんですよ」
言葉足らずの名乗りをマリアンが説明する。
すると、ラピとアニスは驚いたような表情になった。
「ACパイロット…」
「つまり、指揮官様は傭兵だったってこと?」
「厳密には独立傭兵だがな。さっ、これで自己紹介も終いだ。それで、ここでなんの指揮をすればいいんだ?」
レイヴンは淡々と話を進める。
その様子にマリアンは少し溜息を吐き、2人は他の指揮官とはあまり良くない意味でまた違った何かを感じ、少し不安になっていた。
「あっ、ちょっと待って」
アニスがレイヴンを呼び止める。
「指揮官様の名前ってレイヴンであってるんだよね?」
「そうだな。本名ではないが」
「どれどれ……」
アニスが何処からかスマートフォンのような端末を取り出し、弄り始める。
何をしているのかとマリアンに聞くと、指揮官名簿で調べているとの事で待っていると、検索の結果を見たアニスは驚いた。
「…この指揮官様、完全な新人みたいよ」
「は?」
アニスから詳細を聞いたラピはまるで理解できていないかのような表情になり、それを横目にレイヴンはだろうなと内心思う。
「昨日、士官学校を卒業したんだって」
ラピはレイヴンの元独立傭兵という立場上、そんな事があるのか?と思いながらも、今はそうするしかないと考えた。
「とりあえず近くの市街地まで移動しましょう。ここは危険です」
「わかった」
不穏な空気が部隊内に漂いながらも、4人は目的の市街地まで向かった。
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道中で前指揮官の事をラピとアニスから聞きながら市街地へ着く。
そこは先程と比べれば建築物などは比較的形を保っており、足元には雑草や苔が茂っていた。
それをレイヴンはまるで花を見る子供のように眺めていた。
「本当に昨日、任官されましたか?」
そんなレイヴンにラピは尋ねた。
「勝手にそうなっていた。さっきも聞いた通り、俺はコールドスリープで寝ていた。それで、輸送船だったか?そこに訳も分からず乗せられた上で爆発と墜落というなの目覚まし時計でさっき叩き起された」
その後に人生最悪の目覚めだと不満そうに愚痴を呟いた。
「…作戦中に死亡した指揮官の代わりに来たという、素性がよく分からない元傭兵……。何を考えているのやら……」
「…はい?」
ラピの発言にマリアンは少し顔を強ばらせ、反応する。当の本人レイヴンは気にもとめていないどころか、そもそも聞いてさえいなかった。
ラピは何でもないといい、話を続けた。
「あなたは今から本分隊の指揮官になります。現在進めている作戦の引き継ぎか必要ですが、よろしいでしょうか?」
「問題ない」
できる範囲でだがなと付け足し、ラピの話を聞いた。
「作戦について簡単に説明します。46時間前、この区域を捜索していたニケ1分隊との通信が切断されました。通信履歴が何も残っておらず、捜索が必要との判断から私たちが投入されましたが、指揮官が死亡するとの事故がありました」
「問題は、その指揮官だけが作戦区域の座標を知ってたってこと。指揮官様、座標について何か聞いてない?」
「さぁ、知らないな」
こっちが知りたいくらいだなんて事を思いながら、レイヴンは意味もなく周りを見渡していた。
「そうだよね。だと思った。うん」
「私が知っています」
「うんうん。そうだよね。うん。………うん?」
「知ってんのか」
マリアンが知っているということを知り、アニスの目は点になり、レイヴンは相変わらずの反応だった。
「作戦前に入力されました。私が先頭に立ちますから、着いてきてください」
「あっ…OK」
そしてその目的に向かおうとした時、マリアンは振り返り、ラピを見た。
「それからあなた、ラピでしたっけ?」
続きがあるのかとラピは黙っていると、マリアンは眦を釣り上がらせ、ラピを睨みつけた。
「自分の指揮官も守れなかったくせに、新米だの何だの、難癖つけないでください。この方も私たちと同じく、命をかけて人類のために戦われるのです。ですので、また今度このようなことを口にした時は、私も黙ってはいません」
アニスはこの空気感に少し引き、レイヴンは興味無さそうに眺めていた。
「……そうね。私の失言だった。謝る」
「謝るのなら私にではなく、指揮官へお願いします」
「申し訳ございません」
ラピはレイヴンに向かって謝った。
「別にいいさ。気にしちゃいない。ぽっと出のルーキーほど怪しいヤツなんざそんなにいないさ」
鼻で笑いながらラピにそう言う。
「ははっ。今回の指揮官様はちょっと変わってるね〜」
アニスはレイヴンに軽口を言う。
レイヴンはそんなに変わってるか?と言いながら、目的地へとまた歩き始めた。
AC出せなくてすみません……。
あと数話位で出る予定です……。