勾留請求却下決定

  令和7年志村警察署強行捜査(強捜3025号)にかかる被疑者前田記宏の偽計業務妨害被疑事件について、検察官青山景子から勾留請求があったので、当裁判所は、次のとおり決定する。

                決  定

                主  文

            本件勾留請求を却下する。

                理  由

   本件は、被疑者が、インターネット上のXに、ベッドから外した鉄の棒で凶器をこしらえたからこれをもって前野町交番に行きその場に出てきた者を突き刺して殺害すると無差別殺人の予告をして警察官を出勤させ、その間、同警察官らの立ち番や警らなどの正常な業務を妨害したというものである。

   本件について、検察官は、本年5月21日に弁解録取の取り調べを終えた。

  しかし、警察官が逮捕令状を請求する段階での本件の被疑事実を考えても、おそらく、狙って書き込んだものではないことが明らかであり、本日以後に本件を取り調べる必要性がないことが明らかである。

  また、身柄拘束は、その性質上、被疑者を牢獄に拘禁し処遇を受けさせることを当然の前提としているが、本件被疑事実にはその価値がないことが明らかである。

  裁判所は、犯罪の嫌疑がないときは、勾留質問段階で、検察官の勾留請求を却下するか、準抗告でも実務上は犯罪の嫌疑の有無を審理している(大コンメンタール刑事訴訟法)。

  本件には犯罪の嫌疑がなく、仮に勾留された場合の被疑者の精神的苦痛も考慮すると、本件勾留請求は却下されるべきである。

   よって主文のとおり決定する。

    令和7年5月22日

        東京地方裁判所刑事第14部

                       裁判官  野澤晃一