「人として大切にされない」職場でわたしが働く理由
15年介護の仕事しかしてこなくて、このままでいいのか30代の後半に差し掛かって考えることが増えた。
「いつまで介護の仕事ができるんだろう?」
なんて、漠然とした不安が押し寄せてきて、まったく違う職種に転職もしてみた。
2年間いろんな仕事を転々としてみたけれど……
結局老人介護の仕事に戻ってしまった。
なんならちょっと楽しい。
わたしの適職これかな?
適性ってこういうことかな?
なんて思っちゃってるくらいだ。
これは単に昔取った杵柄だよ。
マジで勘違い乙。
天職とか。
適性あるとか。
そんななにかを背負えるほど、大層なことじゃない。
ただ、体に染み付いた技術と空気感は、やはり居心地がいい。
なあんにも考えなくても体が動くって、凄いことだ。
汚い。
臭い。
命を預かる仕事だし。
万年人手不足。
セクハラされても訴える先はないし、殴られてもこっちが我慢するしかない。
暴言吐かれたって、言い返せない。
なのにこっちは虐待しちゃダメ、コンプラがどうのとか言われてさ。
介護職って、そもそも守ってもらえてなくね!?って、正気に返るたびに思う。
こんな矛盾だらけの仕事のどこにわたしを惹きつけてやまない「適性」や「面白さ」があるのだろうか?
さて、介護職の減少、離職が叫ばれて久しい今。
それでもわたしは、介護の仕事に戻って良かったと今は思っている。
職場環境に恵まれたのは大きい。
人間関係がめっちゃいい。
子どもの病欠でも休みも取りやすい。
人手はアホほど足りてないけど、どうにかなっている。
ありがてえ。
同僚に聞いても「やりがい」とか「感謝」を口にするひとはいなかった。
でも、ほんとに介護の仕事が嫌いなひとは文句も言わずに辞めていく。
そしてもう戻ってこない。とある同僚の言葉を借りるなら。
「私がいなくなったらこの人どうするんだろうって思うから、辞められないんだよね」
これに尽きるのかも。
わたしじゃなくてもいいんだけど、わたしじゃなきゃ引き出せない笑顔があって。
目の前のばあちゃんは、一瞬先にはもうわたしの顔すら忘れて「はじめまして」って言うけど。
それでも、忘れきれない「なにか」があるから、しんどくてもその場所で踏ん張っている。
お世話していた高齢者はあっという間にいなくなる。
看取りや転院、在宅復帰。
さよならだけが介護の道だ、とたまに思うくらい。
でも、なんでだろうね?
わたしたち、なんで介護の仕事しているんだろう。
偽善的な目的なんてない。
騙して大金せしめるのもめんどくさい。
「あなたでよかった」なんて言われたことは15年働いて数えるくらいしかない。
でも、見捨てられないのかもしれない。
世話焼きで。
文句言いながらも見捨てられないひとのいい人種が、介護の仕事を支えているのかもしれない。
だとしたら、わたしもそのひとりかな。
「感謝される仕事」ってよく言われるけど、マジそんなことない。それだけは言っときたい。
施設・訪問介護なら24時間。
365日、誰かがいないと利用者の命は守れない。
欠勤者が出たら、休日出勤。
退職者が出たら、常勤が1人減る。
1日に勤務できる人数が1人減っても、介護の質は落としちゃいけない。
正社員なら連休も年末年始も祝日も、働くのが当然だと思わなきゃいけない。
腰が痛くて走り回ってクタクタで。
残業なんだかサービス残業なんだか、分からないけれど現場が落ち着くまで働き続ける。
夜8時に家に帰ったら風呂はいって寝て、また5時に起きて出勤する。
やってられんよね(真顔)
わたしたちがいないと誰かが困る!なんて強い使命感はないけれど。どうせ誰もいないんでしょ。
じゃあやるよ。みたいなさ。
諦めとプロ意識の狭間でわたしたちは働いている。
よく、介護職の平均給料が低いって言われる。
処遇改善手当なくして、ボーナスが出せない事業所も多いはずだ。
事業所の運営も厳しくて、赤字が続いているところも多いと聞く。
でも職員がいないのって、給料だけかな?
休みがないとか。シフトの穴埋めが嫌とか。
おばさんが多い職場の人間関係に疲れたとか。
離職する理由はたくさんある。
わたしの周りでよく聞くのはこんな。
利用者のために働くならまだしも、会社が都合よくわたしたちを使い潰そうとするのが嫌。
わたしも、それは否定できない。
介護事業所には経営とか運営の責任がある。
お金がなかったら事業所は存続の危機だ。
それもわかる。
でも、現場で働く職員が大切にされてなくて、どうして他人を大切にできる?
虐待はダメ、絶対。
でもひととして大切にされていない不満や屈辱は、自分より弱者に向けられがちだ。
自分が人間扱いされなくて、いち個人として尊重されていないのに。
どうして利用者を人間として尊重できる?
どだい無理な話しだとわたしは思う。
虐待も介護職の離職も、起きて当然のこと。
悲しいけれど、それが現実。
でもわたし、この仕事やっぱ好きだなぁ。
文句言いながら、誰かに褒めてももらえず。
感謝とかそういうことじゃなくて。
面白いんすよ、笑いとネタの宝庫。
おもしろがれたら、強いよね。
もちろん、環境と処遇の改善は急務としても。
渾身の記事は大体読んでもらえない。
わたしの目がズレてるのかしら?(笑うとこ)
うちの義母はモノに押しつぶされる、のかもしれない。
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